- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087745344
感想・レビュー・書評
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ミステリ、ホラー、SF、様々なジャンルの短編が集まった異色短編集。全体的に「、」が無くて読みにくい(特に最初の方の作品)。「カザリとヨーコ」のヨーコの心情描写なんかは見るに耐えないひどさだが、それを差し引いても読む価値がある。乙一の多彩な作風がよく分かる一冊。どの作品も見事なオチがついている。「SEVEN ROOMS」が特に気に入っている。
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初めて読んだ乙一の作品。
黒乙一と白乙一の
両方が楽しめる短編集。
ライトノベル出身のようで
こういう文体を
ライトノベル風というのでしょうか。
とても軽い。けど、とても面白かった。
難しくて秀逸な日本語、熟語を
羅列した文学も良いけど
こんな本も良いと思う。
そう、だって、普段の生活で
難しい日本語なんて使わないし
思いもつかない。
だから、乙一の文章はスッと
身体に入ってくる感じで馴染む。
「冷たい森の白い家」「SEVEN ROOMS」
などが、黒乙一に分類されるんだろうけど
黒くないなあ。
黒さが足りない、濃いグレーって感じ。
今度、「GOTH」と「暗黒童話」を
借りるつもりだけど
もっと、真っ黒な乙一作品だったら良いな。
「陽だまりの詩」は白乙一だろうな。
よくあるSF小説のショートだった。
これは、もうひとつかな。
もう少し期待するところ。 -
いつ、なんど読んでも鮮烈な印象で私に迫ってくる本。
これぞ乙一と言えるのではないでしょうか?
初めて読んだのは中学生の時、あらすじも何も分からなかった所為で何回か買うのを躊躇った末にとうとう手にしたあの瞬間のことは今でもぼんやりとではありますが、覚えています。
「SEVENROOMS」がこの作品、ひいては著者の全ての作品の中で1番好きといっても過言ではありません。
得体の知れない異様さと狂気の中で燦然と輝く、家族への不変で確かな愛。
読み終わった後、睫毛がしっとり濡れているのはいつものことです。 -
・カザリとヨーコ
双子の妹のみ可愛がり姉には虐待を繰り返す話。
ある程度想定していた落ちだけど落とし方が唐突でドキッとした。残酷な結末ではあるけど痛快な気がしてしまう。心の中でネガティブな突っ込みを入れている描写は結構好き。
・血液を探せ!
短い推理ものの話っぽく落ちも予想できるけどブラックな登場人物にシュールな設定、淡々とした話の展開が読んでて飽きさせなかった。
・陽だまりの詩
ストーリー自体は淡々と進んでいく感じ。設定自体はシュールだけどきれいな話。別れることが分かっている相手を好きになり、予定通りの別れが訪れて悲しむ。個人的には一番好きな話。感動して少し泣いた。
・SO-far
暖かい話だけど残酷な部分もあり素直に朗らかな気持ちいはならない。
・冷たい森の白い家
描写がとにかくグロテスク。感情がない人間が無邪気な子供と接して人間味を帯びていく様子は読んでいて心が温かくなるがやっぱり残酷。
・Closet
落ち自体は想定の範囲内だけどやっぱり落とし方はうまい。
・神の言葉
モヤモヤ感がひどい。
・ZOO
本のタイトルになってる話だけど話としてはそのほかの話のほうが面白い。ほとんどが共感できないけど部分部分は共感ができてしまう不思議。
・SEVEN ROOMS
「陽だまりの詩」のつぎに良かった。勇敢で頼もしいけど悲しい。
・落ちる飛行機の中で
落ちが若干微妙だったかな。話自体は面白い。ひとりひとりのキャラが立っている。 -
面白いです!!!
短編集なので読みやすいですよ。
最初の『カザリとヨーコ』は児童虐待がテーマにありそれが私の興味を惹きました。
よくそんなお話が浮かぶなぁ。。
と思うような作品ばかりです。
個性的と言うか(笑)
『SEVEN ROOMS』は映画【SAW-ソウ-】みたいな。ソリッドシチュエーションですね。映画化して欲しいくらいですよ!
と思ったら映画化されてました(^-^;
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短編集で久しぶりに読む本にはとても良かった。
ハラハラドキドキ感を味わうような短編もあったり、シリアス満載でページを捲るのが楽しい短編もあり、面白い本だった。
ほのぼのした系が好きなので個人的には陽だまりの詩がとても好きだ。 -
10編からなる短編集。全体的に読後の闇(病み)感強め。心身ともに健康な時に読もう!!笑
いくつか感想。
「陽だまりの詩」命ないものから生と死の尊さを問われ静かに沁みる。
「SEVEN ROOMS」怖すぎ怖すぎ。残忍さと絶望の果ての決断がなんとも···。
「落ちていく飛行機の中で」私の好きなシュールな乙一ワールド。 -
不思議な世界観。
生々しい残酷なものから不思議なホラーまで、引き出しが多いなあ。 -
おもしろい