ZOO

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087745344

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら想像から思わず目を瞑りたくなったり、ゾクゾクっとするような話を集めたホラー短編集。ホラーとは知らずに読み始めたのでびっくり。

    母親からの酷い虐待を耐え凌ぐ女子高生の話。
    痛みを感じなくなった老人が自分を殺害しようとしている犯人を家族の中から探す話。
    孤独な世界で死にゆく男を看取るロボットの話、
    死んでしまった父母が見える少年の話。
    声を使って自分の思うがままに他人を操れる力を持つ少年の話。
    虐待を受けていた少年が森へ逃げて死体で家を作る話。
    過去に罪を犯した女が、夫に罪が露見するのを防ぐために新たな殺人を犯してクローゼットに隠したんではないかという疑惑の話。
    愛する恋人ね死体の写真が毎日家のポストに入っていて、犯人を探し続ける男の話。
    監禁されている部屋からなんとか逃げ出そうとする姉弟の話。
    ハイジャックにあい死を覚悟した男と女、そしてハイジャック犯の話。

    どれも薄気味悪い独特の雰囲気。ホラーだけど短編のため、かなり読みやすい。他の作品も読んでみたい。

  • 装丁/松田行正

  • 私にはエグ過ぎ
    GOTHくらいがいい

  • カザリとヨーコ
    血液を探せ!
    陽だまりの詩
    SO-far そ・ふぁー
    冷たい森の白い家
    Closet
    神の言葉
    ZOO
    SEVEN ROOMS
    落ちる飛行機の中で


    カザリとヨーコ
    母から身体的、ネグレクトの虐待を受けているヨーコ
    ノートパソコンを壊した犯人がバレているので1日だけ入れ替えっこして怒られることを提案し
    一卵性双生児のカザリとすりかわる
    カザリはヨーコとして落ちて死んだ
    犬と家を出た

    血液を探せ!
    事故で痛みを感じなくなった社長、父。
    朝起きると身体中血まみれで、あわてて部屋の鍵を開け
    息子を呼びケガの場所を探してもらう
    背中に包丁が刺さっていた
    医師の鞄の輸血用血液のありかを探す
    次男が輸血用血液を身体中にかけ、
    調べるときに包丁で刺した
    会社を任せられる豪胆さがあるとわかり、
    悔いなく死んだ

    陽だまりの詩
    男の死を看取るために作られた女のロボット
    病原菌により、叔父はすぐ死に、男は期間後に死ぬという
    叔父の墓の隣に埋めてほしいという
    女は兎を通して死とは喪失感であることを知る
    正確な死の時間を伝える男に、女は、自分と同じロボットであることを確認する
    男は、叔父が自分の死を看取るために作られたロボットだったと

    SO-far そ・ふぁー
    父親と母親の片方が死んだ世界が、僕を通じてつながっている
    父親には母親が、母親には父親が見えない
    片方といる時は片方しか見えなくなった
    僕で重なっていた世界が遠くなっているのを感じた
    僕は母親を選んだ
    夫婦喧嘩で片方を見えない設定にしていたら
    子どもから父親が見えなくなった
    僕は望んでこうなったのかもしれない
    もちろん、2人を別れさせないためだ


    冷たい森の白い家
    馬小屋で暮らしていた
    壁の石は丸く、隙間を埋めて固めていた
    石は人間の顔に見えた
    母と兄弟から虐待され、馬に縛られて顔に穴ができた
    赤毛の妹だけは優しくしてくれ、本を読めるようになった
    家を出て森へ住んだ
    街へ出て人を殺し家の壁をつくった
    弟を返してと姉がやってきた
    家が崩れるので断ると、弟の代わりになると隙間に入った
    しばらく話していたが、やがて死んだ
    家に届けるという約束は、どうせ逃げ出すだろうと、果たしていなかった
    家の外に放置しているうちに日向にいた弟は腐っていた
    果物のかごに姉を入れ、隙間に弟を流し込んだ
    姉から聞いていた家へ届けると、赤毛の母が帰宅して果物のかごの匂いに、腐っているので馬小屋へ捨ててといった

    Closet
    ひきにげの話をした
    リュウジは灰皿で頭を殴られ死んだ
    ミキは死体をしまい、部屋に鍵をかけた
    スペアのキーは父親が半年前になくしたという
    イチロウはリュウジを殺しクローゼットに隠れた
    物置から戻り、疑われると思ったミキはリュウジをスーツケースに隠した
    クローゼットが開かなかったから

    神の言葉
    生物に対して有効で、一度使えば元には戻らない声の力がある男の子
    アサガオ、トンボ、犬
    母親のサボテンと猫、父親の指
    弟は自分の愛想の裏の心根に気づいていた
    周りのものがみんな人形に見えた
    気づかない間に机に彫刻刀の傷が増えている
    テープの音声を聞いた
    ある日、1時間後に頭が落ちる、それを見た者にも同じことが起きる、僕だけが例外という声の力を使った
    学校に行った弟、会社に行った父母、テレビの電波にのった動画を見た人、とそれは拡大した
    僕は気づかない、と自分に力を使った
    机を例外にして
    机だけが現実を感じられる
    腐った匂いがした

    ZOO
    檻の中の醜い猿
    常同行動
    郵便受けの写真
    彼女が腐敗していく様子
    アニメーション機能で動画をつくる
    毎日1/12長くなる
    車の中で山小屋の写真とガソリンスタンドのレシートを見つけ
    山小屋で自分の罪を思い出し、自主を決意して写真を撮る
    帰り道にZOOの看板から彼女の亡霊を見て、自主を諦めて郵便受けに写真を入れる
    繰り返しだ
    動物園はつぶれていた
    心の中に安らぎだけが満ちていた

    SEVEN ROOMS
    頭を殴られ、気づくとコンクリートの部屋の中にいた姉弟
    部屋の真ん中の溝を水が流れている
    毎朝水とパンが鍵のかかった扉の下に差し入れられる
    体の小さい弟が溝を通って隣の部屋へいく
    部屋は7部屋あり、みな連れてこられ、1日に1部屋埋まる
    7日目に殺され、切り刻まれた死体が溝を流れていく
    殺される日、姉が弟の服の前に立ちはだかる
    チェーンソーをふりかかる犯人の隙をつき
    弟が部屋から出て閂を締め犯人と姉を閉じ込めた
    他の部屋の閂をはずした
    姉の笑い声がした

    落ちる飛行機の中で
    東大に入れなかった男が飛行機をハイジャックした
    東大に突っ込むという
    ハイジャックが成功することに賭け、女がセールスマンから安楽死の薬を買う
    注射したが偽物だった
    幽霊になったと思い銃を持ってみたりした
    ハイジャック犯が気づき胸の別の銃を取り出すといったので撃った
    手には万年筆があった
    復讐のため、男の眠っている子どもに包丁を向ける
    テレビのニュースで飛行機のハイジャックの件がやっていた
    1日に2人も殺せない、と家を出た




    おもしろかった
    展開想像できるのも多かったけど
    読点が少ない

  • 好みではなかった
    読み終わってスカッと感がなかったから途中で離脱

  • 乙一は友人に勧められたから読んでみた。
    なかなか読みやすい小説だった。
    ただ、一言で言うならくだらない小説だった。
    はっきり言って衝撃だった。
    この本を読んで改めて実感したことは、僕が本に求めることは、何らかの学習だということ。
    それは、歴史や文化、考え方や生き方、知らない世界のことなど何でもいい。せめて感動したり笑えたりしたい。
    しかし、この小説からは何一つ学ぶものはなく、かと言って泣けるでもなく笑えるでもない。
    得たものと言えば、読後の嫌~な気分と、時間を無駄にしてしまったという感覚くらいなものだ。
    しかし、こんな小説や作家が評価を受け、需要があるというのが現実なのだから、僕もそれにあわせて生きていかなくてはいけないということなのだろうか。
    この小説をつまらないと感じる人はつまらない人間ということなのかもしれない。
    「この本を読んでつまらないと思った人はもう大人です」なんてヴィレッジヴァンガードのライ麦畑でつかまえてのポップに書いてあったが、そういうことなのだろうか。
    ただ、こういう小説もあるということは、正直勉強になった。
    普段本を読んでも感想を書くことはないのだが、この小説だけは感想を書きたかった。
    僕にとって、そういう特別な本だった。

  • 気持ち悪かったよう。
    とても気持ち悪かったよう。
    気持ち悪い小説を読みたい人はどうぞ。

    個人的には気持ち悪くない「陽だまりの詩」が一番好きです。

  • 短編小説。
    ・カザリとヨーコ
    ・血液を探せ!
    ・陽だまりの詩
    ・so-far そ・ふぁー
    ・冷たい森の白い家
    ・closet
    ・神の言葉
    ・zoo
    ・seven rooms
    ・落ちる飛行機の中で

    本が真っ赤な理由がわかった気がしますw
    神の言葉の話を想像するとかなりグロい。
    難しい単語はなく10代向けだなと思う。
    昔好きだった作家さん

  • 血みどろの短編集…
    読んでて具合が悪くなるがすごく新鮮だった。

  • 『SEVEN ROOMS』のオチが思い出せなくて図書館で借りた。
    乙一を読むのは中学生以来。読了後のぐったり感はやはり大人になったから感じるものなのだろうか。

    疲れた。

    設定としては、『SO-far』が好き。
    短編集で良かった。
    長編はもっと疲れちゃうかも。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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