水滸伝 5 玄武の章

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087745542

感想・レビュー・書評

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  • 中々うまくはいかないのはわかるが、楊志、石秀、周通が一気に死ぬとは思わなかった。魯智深が生きていた事は良かった。
    馬桂は遠からずうちに青蓮寺と繋がった事はバレるだろうな。
    しかし、この小説は敵味方含め、キャラ立ちが凄すぎる。一人一人が生き生きしすぎている。だからこそ、中心人物が死んでしまった時の喪失感は大きいものがある。あぁ、死んでしまったか。実際、文字で戦を追い、現地に立ち教えをもらった訳ではない分、少し客観的な感想がうまれるがどこか寂しい気持ちがすごく浮かぶ。まだまだこれでも序盤。ぼちぼち中盤に向けて話が進んでいく。宋江も無事に帰って来れたらいいけどなぁ。

  • 号泣だった。それぞれの生き様に涙が出てきて仕方がない。「水滸伝」は中国でもいじられること無く、ほぼ原形を保った状態で語りそして描かれている。先日読んだものもそんな感じで面白味などまるで感じない。

    正直クライマックスは続編に来るような気もするのだが、やはりこの水滸伝はじわじわと近づいてくる禁軍最高の実力者の童貫との最終決戦であろう。

    「女を守れない男だといわれたくない」

    ような台詞を扈三娘に吐き己の命と引き換えに散った「林沖」やっぱり一番好きですね。6万の軍に包囲された林沖率いる黒騎兵の旗手であった郁保四と共に散る。

    この黒騎兵と遊撃隊の中には重要人物である史進、索超、馬麟、扈三娘、徐寧、そして楊令いた。戦の中心はこの騎馬隊になってくるので、それぞれに思い入れは強いが、北方水滸伝が他の作品と違うのはすべての登場人物がタイトルロールであってそれぞれにドラマがある。

    例えば軍の人選に当たっても細かな角度からそれぞれを眺め適材適所に振り分けられる。ただ指示がでてるのではなく、なぜかということまで書かれ読者を納得させてくれる。騎馬隊の華やかさに比べ歩兵の地味さはラグビーで言えばFWのように思える。彼らがいるから戦える。そんな思いを誰もが忘れず戦っているシーンはなんともいえない。本当に泣けるのだ、しかも人物に記憶がないと遡ってまた読んだりとそれを流して前に進むことの出来ない名作に感じる。

    武人の物語、文人の物語、女性の物語もあれば、凄いのは職人の物語もある。それぞれに命を懸けた壮大な物語です。男なら読め!といった感じです。まさに北方ワールドの集大成のように感じられます!

  • 梁山泊が確実に一歩踏み出し、賊徒から叛乱軍へ格上げされたが、宋江、晁蓋に次ぐ楊志が青蓮寺に討たれる。梁山泊は官軍から勝利をもぎ取っているが、人材を失っていく。楊志の生き様かっこいい。

    あらすじ
    宋江が、江州に入るが、青蓮寺の黄文炳に戴宗との関係を見破られ、長江の中洲に閉じこもることになる。それを助けるべく、李俊と穆弘が3千の兵を、梁山泊から晁蓋や林冲が3千を率いて、宋江を助けにくる。二万の兵と対峙したが、なんとか打ち破り、黄文炳を倒して宋江を救出する。

    その後、呉用は梁山泊の北に新たな拠点を作るべく、魯智深が訪れた鄧飛が治める山塞を訪れる。魯智深は女真族に捕えられているところを鄧飛に救われ、一命を取り留める。

    李富が仕込んだ馬桂が梁山泊を裏切り、楊志の居場所を青蓮寺に教えることで楊志が堕ちる。青蓮寺は続いて二竜山と桃花山を攻めるが、石秀と周通の活躍で勝利する。

  • 宋江「こういう時は、天を信じよう。」晁蓋「ひとつの経験から、なにを汲み取ることができるかだ」袁明「そこで耐えられなければ、そこまでの男だったと思い定めればいい」。人にふさわしいセリフを吐かせる手腕!

  • 【所蔵館】
    りんくう図書室

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000951706

  • 楊志が死んでしまった。
    わかってたけど、辛いなあ。
    その後の二竜山の戦いは、呆然と読んだけど、かなり読み応えがあったのでは。
    林冲の心の傷が何とも言えない。

  • 楊志斃れるも、第二部中心の楊令が林冲のもと、成長していく。脈々と続く営み、物語。

  • 第5巻読了
    なんと、まだ5巻なのにあの楊志が戦死してしまった。
    逃げきれるんじゃないかと思っていたが、仇討ちはできるのかが、今一番気になる・・・

    先は長いので、他の本も読みながらゆっくり読み進めていこう。
    楊志が早くも赤札になったので今回は★★★★★5つ

  • 宋江が旅先の江州で官軍に包囲される。
    なんとしても宋江を捕らえたい官軍は総勢2万の大軍で押し寄せる。
    対する宋江側は、李俊と穆弘が駆けつけ、梁山泊からも援軍が派遣される。梁山泊も官軍と本格的に対戦する事になる。

    続いて官軍による、二竜山攻略戦が開始される。
    大激戦の末、官軍を撃退した梁山泊の同志達は、この戦争の中で初めての死者を出し、結果3人の同志を失う事になる。

    北へ向かっていた魯智深が、片腕を失って帰還して滄州の柴進の屋敷に身を寄せる。
    名前を魯達と改める。

    この巻で第一部完となる。

    まだ5巻なのに、もう死んでしまったヽ(´o`;
    息子を護りながら壮絶な戦死を遂げてしまう。

    志は、息子へと受け継がれていくのでしょうが、あまりにも早い退場に非常に残念に思う。

    まだあと14巻も、あるのになぁって思ってしまうが、死んでしまったのは仕方がないので、息子の成長を楽しみ読み続けて行こうと思う。
    物語が気になって、1日で読んでしまった。

  • 楊志の最期は壮絶…引き込まれます 本当に

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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