レインレイン・ボウ

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 378
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746754

作品紹介・あらすじ

高校卒業から7年。7人の仲間が集まった。7つの物語が交錯する、爽やかな青春群像。

感想・レビュー・書評

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  • この人の文章はすんなり読める。この人の世界に抵抗なく入っていける。
    読んでいくうちになんとなく晴々とした気持ちになっていくのは、彼女たちひとりひとりが生き生きと困難に立ち向かっているからだろう。

  •  高校の弱小ソフトボール部のメンバーたちの成人後を描く群像劇。

     7話からなり、各話のタイトルに虹の7色の1つがつけられている。

         * * * * *

     物語はメンバーの1人で心臓に先天的な疾患を持つ知寿子(チーズ)の突然死に絡むプチミステリーの体裁で進んでいきます。

     1話目はプロローグで2話目は知寿子の死に絡む謎を提示する役割です。
     知寿子の死と里穂の失踪の真相を明かしていく3話目以後に、加納さんの作品らしいよく考えられた人間模様が展開されていました。

     大小はあれ、それぞれ自分なりの試練や困難を抱えており、くじけることなく対処していく(里穂を除いてだが)姿が読んでいて心地よい。やはり上手いと思います。
     それとは別に、悲壮感どころか困難上等とばかりに問題に取り組み解決していく由美子のしたたかさが爽快で、実によかった。

     そして最終話での種明かし。
     説得力のある現実的なものだったのが何よりでした。(個人的には「理論的には可能だが……」というのがあまり好きでないので。)

  • 昔のチームメイトの通夜で久しぶりに集まった陶子たち7人。来なかったのは一人だけ…。7人の視点を通して語られる、それぞれの人生。女たちの友情と成長を描き爽やかな読後感を残す青春ストーリー。(出版社/著者からの内容紹介)

    サマー・オレンジ・ピール
    スカーレット・ルージュ
    ひよこ色の天使
    緑の森の夜鳴き鳥
    紫の雲路
    雨上がりの藍の色
    青い空と小鳥

    最後のお話の途中に萩くんが出てくるまで、この陶子さんがあの陶子さんだということに、まったく気付いていなかった私。
    そっか、「月曜日の水玉模様」の陶子さんなんだ~、納得。
    7つのお話からなっているところもいっしょ。

    加納朋子氏らしさ、魅力がたっぷり詰まった作品でした。
    もう一気に読みきりました。
    それぞれのお話が、最後に当たり前のようにつながる見事さ。
    さすがです。

    それぞれの人生の中で、彼女たちみんなが幸せになるといいなあと思いました。

  • 高校時代のソフト部の同級生の一人が亡くなって。。。あまり加納さんの本という感じがしませんでした。

  • 高校のソフトボール部のメンバーの7年後の短編集。それぞれの個性と人生が絡み合って‥やはり陽子の章がズバ抜けて面白かった!

  • 想定外の展開でした
    それぞれで・・・
    それぞれに・・・
    面白かった

  • 【あらすじ】
    高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した、七人の女性たち。二十五歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦…。彼女たちは、傷つき、迷いながら自分だけの答えを見つけていく―。ミステリのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた、爽やかな青春群像劇。

    【感想】

  • 納朋子の目線、優しい。なんか泣きたくなっちゃうなあ。読み始めるまではすごくめんどくさいんだけど。月曜日のなんちゃらも読んでみよ。

  • 久々に読んだ、加納朋子の連作短編。
    都合よすぎーとか、こんないい人ばっかりじゃないだろ、とか色々思うところはあるけど、それでもやっぱりミステリとしての面白さがしっかりあるし、暗く終わらないとこが好き。

  • 高校のときのソフト部のチームメイト、牧知寿子”チーズ”が亡くなった。
    専業主婦や編集者、保育士や看護師などそれぞれの人生を歩んでいるチームメイトたちの日々を、”チーズ”の死を絡めながら描いていく連作短編集。

    それぞれのお仕事状況は面白く、それだけでそれぞれ一本の小説として成り立ちそう。特に保育士の佳寿美の話と管理栄養士の由美子の話はひとつの話としてまとまっていてよかった。
    ベースに牧知寿子の死があり、それぞれの話に知寿子とのエピソードが絡み、最終的に知寿子の死の謎に迫っていく、という構成。なのだけど、それぞれの話が独立している分、まとまりがなくて、いっそ謎としてまとめなくてもよかったのではないかと思う。その謎も、兄がいろいろ調べまわってたり、別の友人を殺して入れ替わったのではないかとかの説が出てきたりとか不穏な空気だけは濃厚だったのに、結局たいしたことなくて肩透かしをくらったようだった。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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