蒲公英草紙―常野物語

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著者 : 恩田陸
  • 集英社 (2005年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747706

蒲公英草紙―常野物語の感想・レビュー・書評

  • 常野物語2作目。
    語り口調の文体。

  • 不思議な力を持つ常野一族の物語。戦前生まれの医者の娘峰子の丁寧な言葉で語られる文章が美しい。常野を主題に置かず、平凡な少女が見た不思議と昭和の激動期の現実、美しくも儚い聡子お嬢様との幸せな思い出をノスタルジックに描き出します。お屋敷に古くから伝わるしきたりを、弱い身体で懸命に守った聡子の姿は、涙なしには読めません。戦争という歪がなければ、里の一族の心意気は日本の確かな財産になったはず。多くの優秀な若者が命を落とした残念な歴史も、人の心と共に春田家は記録していくのでしょう。

  • 2000〜01年に「青春と読書」誌に掲載されたものの単行本化で、本屋大賞受賞作。

    『蒲公英(たんぽぽ)草紙』とはは語り手峰子が戦前の少女時代に書いた日記につけた名前で、お嬢様の話し相手として通ったお屋敷で起こった、不思議な物語が綴られている。

    常野とは、人々を「しまう」不思議な能力をもった一族のことで、お屋敷の当主を訪ねてきた旅する親子4人が、その能力で悲劇にあった人々の心に救いをもたらす。

  • 常野物語シリーズ第二弾。
    第二次世界大戦前の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、特殊能力を持つ常野一族の話。
    運命を受け入れ自分の役割を果たす人たち。
    切なく、奥深い話。
    (図書館)

  • 珍しく禍々しさの無い美しい作品だった。
    凄い好き。
    でも、最後、そこなんだ~。
    なんだか悲しいよ。諸行無常だ。

  • 峰子の最期の覚悟が痛々しくもあり、かっこよくもあり…それでも槇村のために自分が最大限にできることをしたことで峰子が後悔しなかったことは救いだった。

  • 常野物語シリーズの1冊。
    ノスタルジックな雰囲気が好き。

  • 他で読んだ読み切りの方が印象的だった。

  • 少女峰子が常野一族の一家と出会う。
    聡子の最期の気持ちがみんなの心に響いて、癒されるようで良かった。
    常野一族の役割って、こういう癒しの役割なのかな。

  • あいかわらず優しくてふんわりと、そして不思議な作品でした。貴子様のありがちな気位の高い態度に苦笑しつつ、対照的な聡子様の優しさ、賢さ、強さが滲み出ていて最後はほろっと涙が。峰子さんは苦労の最後を綴りながら何を常野に望んでいたのだろうかと考えました。その後日本は過ちもあるけれど、平和ではないけれど、でも復興しているんだと伝えてあげたくなりました。しまう、というのはそういう事なんですね。光の帝国で漠然とした理解だったのがクリアになりました。静かに、目立たなく過ごそうとする常野の人にまた少し癒された1冊でした。

  • 常野物語2作目。
    温かい気持ちになれるが淡々としていた気がする。

  • 短編集「光の帝国」で描かれていた常野の人々と一時一緒に過ごした女性の回想録。時代や舞台設定は好みなものの筋はすべてが予想通りというか。でも、最後の最後だけぐっときたなぁ。でもあの一文も現在視点じゃないと出ない言葉だよなと思うと、ちょっと違うんだよなあと感じたり。

  • 251ページ。装画図案/菊寿堂いせ辰 装幀/中島かほる

  • 恩田陸さんの常野物語の2作目です。前作である「光の帝国」は連作短編でしたが、この作品は長編でした。
    日露戦争前の時代、槙村という旧家に支えられた小さな村を舞台にした作品です。物語は悲劇の予感をはらみつつ進行して、やがてそれが現実になります。そして常野によってもたらされる救い。
    この作品を読んでいて、何度も生きること、死ぬことについて考えさせられました。この本を読んだことで、私も救われたような気がします。

  • 「光の帝国」に続く常野物語第二作。「光の帝国」ではいい人が無常に傷付いてしまうような胸が痛む場面が印象的だったが、今作は基本的に優しさと人情味溢れる内容で、物足りないといえば物足りない、けれどほっと優しい気持ちになれた読後感だった。

  • 美しい話を美しく書き上げる恩田氏の筆力は素晴らしい。
    でもシリーズ第2弾としては、常野の謎にもっと触れて欲しかった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/12410515.html

  • こちらも数度目の再読。
    常野物語の一作目『光の帝国』に出てきた春田一家の祖先が出てきます。

    時は戦前。
    峰子という女性の目線で語られていく物語は穏やかでどこか懐かしく、美しく、残酷。
    春田家の者が持つ力、「しまう」「響く」。
    そして「遠目」がどんなものなのかが良く分かると思います。
    人の紡ぐ想い。
    最後の言葉が、現代を生きる私の胸に突き刺さります。

  • まだ戦争が始まる前の新しい世界に胸を踊らせていた時代。その中で少女時代を過ごした主人公峰子が見ていた日々。その土地に古くから続く名家槙村家に出入りする人々と過ごした幸せな時間とその終わりが描かれてる。
    出てくる人々をとても好きになった。重い病気だけど聡明で勇気のある聡子様、峰子を「ねこ」と呼んでいつも意地悪をしていた廣隆様、小さいながらに自分の運命を当たり前に受け止め「常野」として生きる光比古、ちょっとだらしないけど絵のことから時代のこと国のことまで考えている椎名様...
    この時代を生きてこの村の景色を見たような気持ちになった。「常野」は、この先のこの国に役立てるためにみんなの思いを自分の中に「しまう」。「本当はみんな持ってる力」と光比古が言うのは、槙村の人々がしてきたようにみんなの思いを語り合って後世に伝えることができるということなのかな。
    最後の峰子の問いかけは今の私たちへの問いかけに思える。私たちの国は輝かしい未来に向かって漕ぎ出したはずだった。けれど、日本は負けた。残っているのは飢えた女子どもばかり。これからもこの日本は続くのか、新しい国になるのか、私たちがこれからこの国を作っていくことができるのか、それだけの価値がある国なのか。

  • 全編にわたって、人の優しさがあふれている。しかし、登場人物が落ち着いたいい人たちばかりのためか、人と人との葛藤がほとんどなく、全体的に平板なストーリーになってしまった。『光の帝国』が短編集だったので、長編の本作がよけい間延びしたように感じられた。

  • 2013.09.峰子は,身体が丈夫ではなく,なかなか外出することのできない槇村のお屋敷の聡子様の遊び相手としてお屋敷に出入りするようになる.その後,お屋敷に光比古と紀代子の姉弟とその両親の春田一家がやって来る.彼らは特殊な力を持っ常野の一族だった.ある日,峰子と聡子様が村の子供達の面倒を見ていると突然嵐となってしまう.山崩れのために峰子と聡子様は子供達を必死にお堂まで連れていく.しかし,最後に聡子様が鉄砲水に流されてしまう.嵐の後,聡子様の遺体が下流で見つかる.嘆き悲しむ奥様.その中で光比古は,奥様,旦那様,峰子達に対して,「しまってあった」聡子様を響かせる.聡子様が今まで見てきて感じてきたことが響いてくるのだ.その後,天聴館に住んでいた春田一家は,また旅に出た.不思議な力を持つ,常野一族の話.いつも不思議な感覚で面白い.

  • 20世紀初め頃の福島県が舞台のようですが、時代も場所もはっきりしなくても全く差支えがないような不思議なファンタジーの世界です。旅を続ける4人の家族「常野」に出会った「私」(峰子)と名門槙村家の令嬢・聡子さん。未来を予知する不思議な能力を持つ「常野」は風のような爽やかな存在ですが、実際に存在しても可笑しくないように思われてくるのが不思議です。景色の描写が美しいです。「稲村の火」を思い出させる大水害の場面は手に汗を握る迫力でしたが、全体としては印象が薄いことは否めません。

  • 常野物語、三部作のうちニ作目!
    他の二つは既に読んであったが、この作品は特別な常野のちからの話があまり強くなく、ラストはシンプルな心暖まる作品だったと思う。

    恩田陸さんの作品は、常野物語だけなので、他のも読んでみようかな。

  • 舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。

  • 宝石のような、静かな美しさがある物語。ただ全体的に印象が薄いです。聡子様が予想していたとおりの結末を迎えたのも、話が薄くなった原因かな。『光の帝国』で好きだった春田一家が出てきたのは嬉しかったです。

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