楊令伝 1 玄旗の章

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 558
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748581

作品紹介・あらすじ

梁山泊炎上より三年、敗れし好漢、各地に健たり。渇求するはただ一人あの男、青面獣・楊令。

感想・レビュー・書評

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  • 新しい年の幕開けとともに北方謙三アニキの『大水滸伝シリーズ』第二部とも言える『楊令伝』のスタートです!

    はい、まずは前作『北方水滸伝』の簡単なおさらいから

    時は北宋末期、役人たちの腐敗により苦しめられる民たち
    そんな現状を憂い、不満を持った漢たちが「じゃあ俺たちでいい感じの国つくっちゃおうぜ!」と集まった梁山泊ですが、天才作家北方謙三アニキが、半端なリアリティを持ち込み、敵方にも魅力的な人物を描き過ぎたためにボコボコにされてしまいます
    もう容赦なく

    そして最後は頭領である宋江も倒れる結末が見えてきたところで、北方謙三アニキは禁じ手を使ってしまいます
    そうスーパーオリジナルキャラ楊令を生み出してしまったのです

    全能力値MAX、いやところどころMAX値超えてるスーパー全能の上にめっちゃいい子
    年上には可愛がられ、年下には慕われる
    そして最後は宋江から「志」を託される
    もうゲームバランスぶち壊しです

    そんな楊令の物語がついに始まったのです!

    ただし、楊令は梁山泊が落ちたときに姿を消しており物語冒頭ではどこにいるかもわかりません

    生き残った好漢や第二世代の若者たちが徐々に集結していく中で、みんなが感じているのはやはり頭領になるものが必要で、口には出しませんが全員がそれは楊令しかいないと思っています

    そして武松、燕青と侯健の息子侯真が楊令を探す旅に出ます

    果たして楊令は今どこでなにを?

    というのが本作『玄旗の章』でした
    長いシリーズの幕開けとしてふさわしい第一巻でした
    もうワクワクしかないのよ
    これからどうなっちゃうの?どんな物語を見せてくれるの?って期待がもう!

    よーし!気合い入れて行くぞ!

    • 1Q84O1さん
      新たなシリーズの幕開け!
      突っ走てくださーいε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
      新たなシリーズの幕開け!
      突っ走てくださーいε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
      2024/01/13
    • ひまわりめろんさん
      おうとも!おうとも!大友康平!あ〜いがすべ〜てさ〜♪
      おうとも!おうとも!大友康平!あ〜いがすべ〜てさ〜♪
      2024/01/13
    • 1Q84O1さん
      いま〜こそちか〜うよ♪
      なんとか知ってます!
      ってか、コレしか知りません…
      いま〜こそちか〜うよ♪
      なんとか知ってます!
      ってか、コレしか知りません…
      2024/01/14
  • 前作水滸伝→梁山泊壊滅から3年。

    想像以上にすきなキャラが継続的に残り
    嬉しい限り。

    今回の主人公、楊令の変容が大きく見え、
    この3年で何があったのか少し気になる。。。
    これから少しづつ、わかってくるのかな!

    触りとして、ありかと思いつつ、少し
    スローな進みかと感じる。

  • 「水滸伝」の続編の本作。
    あの梁山泊の生き残りメンバーと共にその“二世”達も登場しています。
    まだ序盤ですが、今後の展開に期待です。

  • 武松のことを機嫌の悪い馬やと思って接する段景住に笑ってしまった。
    日本も出てきた!びっくり
    呉用、処断されちゃうかな〜?心配。

    公叔は楊令も秦容も育てたんだなぁ。母は強し。水滸伝では親子っていうと父と子がよく目立っていたけど、楊令伝では母と子も読めるのかな?楽しみ。扈三娘と白寿の関係も気になる。

    花栄も花飛麟も何かが少し足りなくて、それを周りの人が気付かせてくれる親子なのがとても良いな。種だけでは花が咲かないようで。

    パッとせんなぁと思っていた息子が強くなりそうだったり(候健ごめんね)、呂牛の息子が出てきたり本当に楽しい。

    楊令は子午山で育ち戦も上手くできたけど、梁山泊が陥ちて、宋江に手をかけなければならなかったことがショックやったんやろうな。要するにはじめての大きな挫折を味わって捻くれたというか、夢の意味を考えすぎてしまったのかなぁ。阿骨打の夢に加担することで自分が引き継いだ志をどう全うするかを迷っているように見えた。黒騎馬を引き継いでいるから少し安心した。

  • やはり北方ワールドに引き込まれた!前にのめり込むように本を貪り、そして号泣。男ならと言いたいのかもしれないが女性でも共感は得られそうな気がする。日本にも多くの中国人がいてこの本を手にとっていると思う。どんな思いで見ているんだろうか?

    誰もいじれない禁断の書とも言える「水滸伝」を北方流に解釈して書き上げて続編

    水滸伝のエンディングで梁山泊にこもる全ての人の命ともいえよう「替天行道」の旗を宋江から渡された青面獣楊志の子、楊令。

    序盤戦はいくつもの愛を受け育った楊令が幻王と名を変え、水滸伝とは異なる人格を見せる。生き残った史進、呼延灼、張清らが残存勢力を維持して楊令を首領として迎えると同時に再建を果たす!ここからが悲劇の連続だった。

    水滸伝の中で地方軍の将から梁山泊入りした呼延灼将軍。梁山泊では常に本隊を率い全面の敵と向かい合っていた楊令伝においても役割は同じなのだが、老いに加え息子の凌が梁山泊入りをしていた禁軍の童貫将軍との決戦の折に宿敵趙安将軍を打ち破るが、一安心もつかの間で息子の凌の背後へ5000の騎馬隊が襲いかかろうとしていた。

    初めて父が息子の背中を守った。息子は父が背中を守ってくれてるとは知らずに…「行くな!」読みながら呟いていた。呼延灼はただ1騎!5000の騎馬隊を止め散っていった。凌に双鞭をあずけて……涙止まんないから!これを書こうと頭の中で考えているだけでもこのシーンは泣けてくる。

    激しい戦の中で父親としての優しい顔を見せた張清。

    前作で片足を失うも片足での騎乗で禁軍を悩ませた馬麟。

    元盗人上がりの鮑旭は部下の損害が最も少ないとされる名将であったが、呼延灼と同じように部下を守り仁王立ちの末に散っていく。

    呉用に公孫勝や戴宗などは憎まれ役をかいながらも若者を育てるそんな役回りの末にやはり身を挺していく。

    張橫の息子で楊令を影から支える青騎兵の張平や、弓の名人であった花栄の息子の花飛麟

    この幾多の勇士のひとりひとりの生き様を描ききった作品に言葉はいらない。ただ読むたびに思い出すたびに涙がこぼれてくる。エンディングで楊令が死に、ひとり残された史進…彼の苦悩は岳飛伝に続く……

    生涯でこれだけ泣けた小説はきっとあとにも先にもないことだろう!

  • 巻末の方になってようやく楊令登場です。早く見たかったけど、いわゆるグレたような感じでおや?と思いました。
    燕青達に会って前の口調になりましたが、これからどうなるのか楽しみです。

  • 図書館で借りた。
    水滸伝に続き、一気に読むことに。
    自分の中では水滸伝の登場人物が印象深いので、さらに魅力的な人物が出てくるのか不安はあるけど、楽しもうと思う。

    しばらくレビューは雑になります。

  • 新たな物語の始まり。

  • 水滸伝の振り返り。

  • 水滸伝が良かったので読んだが、この続きは読みたいと思わなかった

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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