- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087748949
感想・レビュー・書評
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最初、かなり読みにくい。
彼女と女ということで語られるからか?
最後まで読んで、あぁ、最初の場面に戻ってくるのかと納得すると、もう一度最初を読んで、あぁ、そういうことだったのかと思えるのだけれど……。
最初がわかりやすいともっとおもしろいんじゃないかと思えるのだけれど、これもテクニックなのかもね。
事件がゆっくりと解明されていく過程を楽しむということか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まわりくどい。
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時効成立、殺人事件
交換殺人
検察官が偵察される
悪夢
売春
香水
はちみつ
巡り合わせを感じる
もし隣りに引っ越して来なかったら人生は変わっていただろう -
こんなにも、あーだこーだとこねくり回してるので、他に何かどんでん返しが?と深読みしてたら何もなく。登場人物全員に少しずつイライラした。
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直木賞作家の佐藤正午さんによる長編小説(発売が2007年なのでかなり前の作品)。本作は検察事務官の主人公・古堀徹が、15年前に発生した隣人の父親が殺された事件についての真相についてひたすら妄想を続けていく作品、ラストまで展開はどんどん変わっていくので、どこまでが妄想なのかわからなくなってくる(がそこが面白い)。佐藤さんの本は、佐藤節みたいなものがあり文章を読んだだけで佐藤さんの作品だとわかる、(少しくどい説明も多いので)好き嫌いが分かれると思うが、個人的にはすごく好きだ。
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展開の遅さに少々いらいらした。じっくり味わうというほどの文章でもないしなあ。
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小さな?が
少しずつ膨らんで
ふ~~ん
面白かったです -
佐藤正午著作2冊目。わかったことは、この人の文章はすぐわかる。そして苦手。
15年前におき、まもなく時効を迎えるあるいは迎えた殺人事件について、犯人が身近な人物で、しかも交換殺人なのではないか、という主人公の妄想がつらつらと書かれている。
ぜんぜん核心には触れないし、結論は出ない。
思考がまどろっこしいし、個々が疑心暗鬼でいらいらする。
旭の方は外国にいたのだから、時効がずれるのではないか。 -
一気読み。
佐藤さんは人物の性格設定が緻密でお見事すぎて毎回読み終えてため息かでるほどてす。
15年前の事件には疑問を持ち自分の記憶を手繰り寄せ真実と思えるものに行き着く検察事務官の古堀。
運命論的なことを登場人物たちは語るが、すべて主人公の古堀の思慮の無い軽はずみな行動が出発点に思えて仕方がない。
なのにこの男、時効を迎えるというのに真実を暴こうなどと思い立ってしまう。
もとはといえばお隣の奥さんと簡単に関わりを持ったことにより事件となったと感じるのだが。
当時の彼女の美由起の不安と苛立ちにとても共感できる。
時系列順に過去を思いだし謎を解いて行く課程はすべての言葉と行動がひとつに集まってくるので読んでいてすっきりする。
結末はスッキリしないけど.....。今後を想い余韻を残すラストはなかなかのものてす。
書く力に圧倒される作品でした!! -
『どのようなニュースも私を動揺させることはなかった。それは選ばれた特別な人々の物語であって、私にかかわりのある物語ではない。私自身の平凡な物語はほとんど完結している。読み残した伏線はひとつもないし、謎もすべて解きあかした。クライマックスらしいクライマックスもなく穏やかに終焉にむかっている。』
『もし戒める力がどこにも見つからなければ、いまあなたがやろうとしていることは、あやまちではない。』
「人と人とが出会うところに犯罪がある。新しい出会いのたびに、かならず不幸の種がひとつ蒔かれる」
「血のめぐりの悪い男ね、ほんとうに。美由起はあなたに惚れてるのよ。それだけの話よ。若い女が悩むのにほかに何か理由があると思う?」
「人生の行きづまりをどうにかして突き破るには、他人のことなんかかまっていられない。自分の人生なんだから。世間の目にどんなに突飛にうつることでも、自分で血路をひらく、そうしなきゃいけないときがある」
「はっきり言うけどね、もしその必要があれば、セックスのあとベッドで眠ってる男はわりあいあっさりと殺せると思う。」
「考えてみて。犯罪者はなぜつかまるのかわかる? 不注意で、軽率で、意志が弱いからよ。」
『いま自分がやろうとしていることは間違っていない。戒めのサインはどこにも見つからない。あと一時間かそこら。それですべてかたがつく。だいじょうぶ。怖れてなどいない。わたしにはできる。』
「交換殺人が現実に起きたなんてニュースは聞いたことがないでしょ? ということは要するに、現実には誰も交換殺人なんてやったことがないか、それとも、映画とは違って、現実には誰も交換殺人に失敗していないか、二つのうちどちらかだと思う。失敗しないかぎり誰にもばれないし、ニュースになることもない。そうでしょ?」