雨の塔

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 575
感想 : 132
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748963

感想・レビュー・書評

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  • 文庫化するのをずっと待って、やっと購入(笑)
    思っていた以上に濃い女の子同士の関係が描かれていてとても読み応えがありました。私は好きです。そもそも百合が好きなので(笑)

  • 誰かの心の中で一番必要な人になるのは、どうしてこんなにも困難なのだろうか。
    何もかも、世の中のせいなの。全部世の中のせいにするの、そうすると楽になれる。

  • 高校を卒業した裕福な家庭の美少女ばかりが生活する全寮制の女子校。外界と完全に遮断され、電話も事務局に盗聴されている。授業には暇つぶしに出る程度で、欲しい物は親の金で欲しいだけ手に入る。望む大学の卒業証書さえも。そこへ入学した、ある4人の少女の物語。

    設定や空気感が、萩尾望都『トーマの心臓』や、映画『わたしを離さないで』に似ている。
    社交界、外国たばこ、螺旋階段、所有欲と依存、嫉妬、無関心、執着、脆さ、儚さ、自分の存在する意味。
    久しぶりに耽美な世界を堪能した。
    映画化するなら岩井俊二監督かな。

    それにしても彼女たち、授業にも出ないで毎日お菓子を食べたり雑誌を読んだりして暮らしてて、いじめも派閥も無いところを見ると他の生徒に興味もないようだし、インターネットもできないし新聞も読めないし、退屈じゃないんだろうか。私がこんな無刺激な環境で暮らしたら、1年で認知症になりそう。

  • 雨の日にぴったりな、静かで、美しい、でも、息が少し苦しくなるような話だった。

    閉塞感があるのに、艶やかで、一気に読んでしまった。登場人物達が皆苗字を呼び捨てし合っているのがまた良かった。傘の中の青空のような世界観だった。ラストに向かう疾走感もまた良かった。

    文章の美しさも、心地いいおもみがあり、とても引き込まれた。装丁の美しさも大変良かった。



    雨の日の読書に、おすすめします。
    なんとなく、BGMには松下優也の「ふたり」が思いつきました。

    2013.06.19

  • 自分の心の中にある悲しいものをそのまま引きだされたような言葉がたくさん。
    六年前から何度も読み返してる、綺麗で哀しい、大好きな小説。

  • 天野月子さんの青紫って曲がとても良く似合う世界観。

  • 陰鬱なのに、どこか優雅で美しい。作中に出てくる傘を実際に買ってしまった。

  • 読了。初宮木作品でしたが、すっかりはまりました…!独特の綺麗な文章が、女の子の美しさや耽美さ、儚さを表現していて個人的にツボ。最後の展開には驚いたけど…矢咲と小津もいいけど、都岡と三島の関係も可愛らしくて和む。

    では最後に。少女小説みたいな雰囲気の百合好きはオススメです!

    ───────────────

    花宵道中を読みたかったけど、貸出中のためこっちを。少女の閉鎖的な学園生活。すごく好きなシチュエーション…

  • 重たい雨。
    外に出ることが許されない学校。
    隔離。
    抗う事の出来ない絡みつく枷。
    駒。
    奴隷。

    小津、矢吹、三島、都岡。
    4人の少女。


    小津の喪失が悲しい。
    都岡が一番好きかな。

  • 寄宿学校ものフリークとしては大満足な一冊でした。
    女の子の脆い繊細さが丁寧に描かれていて、少女漫画が好きな人は絶対波長が合うと思います。
    映像で見たい気もします。
    特に螺旋階段の校舎。

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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