| ブログで紹介する» |
|
Check |
|
|
この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
-
私はいつからこんな惨めな生き物になってしまったんだろう。(中略)彼が好きになってからだ。
― 134ページ -
いつか、私は彼に墜落した。そして今も炎上している。
― 33ページ -
本当に眠れなかったんじゃない。眠れない眠れないと思いながら、同僚にもらった入眠剤を飲みながら、寝るまい寝るまいとがんばって目を開けていた。手首を切るのも嫌だった。痛いのは嫌だったでも彼女がそれを望んでると思ったからがんばって切った。彼女に遠隔操作されてるみたいに、彼女が望むであろう事を実践してきた。でも俺は解放された。もう彼女に終演を命じられた。もうどうしたらいいのか分からない。率先して彼女に操られてきたのは、自分が何をしたいのか自分がどうありたいのか、俺自身には全く分からないからだった。
― 108ページ
みんなの感想・レビュー・書評
愛した人にのめりこむ男と女。
男女が人生を狂わされていく同じ一人の男。
この男の存在が最後までつかみ切れず、時系列的にも不可解な部分が多い。
後味が悪いのは作品のためというより、この男の存在自体なのでは?
とするならば、かなりの力作なのでは?
「私」と「彼」と、「彼の恋人」。 私が彼を好きになってから、私は惨めな生き物になってしまった。 私は三年間付き合っていた誠実な男を捨てて、彼を好きになった。 「彼」以外の目線から書かれる、墜落の模様。 私は彼に墜落して、今なお炎上し続けている。 ----- 会いたいどうして触れたい近くにねえどこ今すぐ触れたい触りたいねえ近くにそこに行きたい近くに感じて少しでも少しでもね... 続きを読む »
金原ひとみの文章の書き方にハマったキッカケの本でもある。
面白いのは、登場人物のうちの一人の「彼」からの心情描写がひとつもない点だと思う。それなのに、この人の文章の独特な「スピード感」が鈍らない所が好奇心を掻き立て、あっという間に読み終えてしまった。
「私」も「僕」も「俺」も、そして「彼」も一人ひとり違う状況や考え方を持っているのに、彼らには何かの共通点があるような気がする。
それを言い表せないもどかしさがなんとも言えない。
ただ、その共通点を軸に話がスッと伸びて、気が付いたら話が終わっていた。
そこには漠然とした何かが心に残るけれど、それは嫌なシコリとしては存在しない。
そういう所が金原ひとみの味なのではないかと思う。
捨てられた男が一番共感できた。やってる事がちょっと変態的だけど、感覚的な事では共感できましたね。バイの彼氏がもっとしかっかりしていれば彼女も変わっただろうし、ゲイの彼も違う選択を出来たんじゃないか、と思う。バイの彼氏がなにぶん優柔不断(ダメンズ?)だから悪いのだと思った。
いろんなところで書いた掌編がつながってるって面白いな!文体も好きでした。でもこの装丁はいただけない。特に著者名、このフォントでいいの?!
主人公と彼、彼の彼氏、主人公の元彼の四人の物語。
彼以外の人物の相手への執着の粘っこさが怖い。恋愛にのめり込むパワー、それ以外は眼中に無いような生活、どれも怖かった。
彼視点の話が無かったのが物足りない感かな。
主人公が元彼を捨てたのも、彼の彼氏が狂ったように自殺願望を持ち始めたのもすべての原因が彼にある。
魔性の男ってやつですか、これ。
私たちが東京タワーのふもとに着いたのは、散歩を始めから三十分ほどが経った頃だった。もう電気の消えているタワーを見上げていると、彼はさっさと背を向けて私の手を引いた。もっと見たかったのに。と、特に嘘でも本心でもない言葉を呟いてみる。
恋の狂気。
これはちょっとあり得ないわと思いながら、
惹かれて読む。
少なからずも思い当たる狂気がある。
「恋は盲目」とはよく言ったものだ。オムニバス形式でそれぞれの恋の「第三者」へと主人公がシフトし、最後には最初の主人公の視点へと戻る。その時に面白く恐ろしいのが、彼女が最初とは全く別の位置で全く別の不安にかられて小説が終わるということだ。
どの相手にも、字の如く「狂おしく」想う相手がおり、同時にその恋を邪魔する第三者がいる。その第三者が死ぬまでは息が出来ないとでも言うように、彼らはその第三者の動きにただひたすら怯え、抗い、隠れ、目を光らせる。
どれも酷く歪み狂乱した恋愛ではあるが、その真ん中にあるものがとても純粋で、それ故に救いがない。主人公たちは最後まで第三者の存在に苦しめられる訳だが、その第三者とは実は、「恋をしている自分」の姿であり、もちろんどれだけ目をこらしても見ることは出来ない。そしてその顔が、現実の第三者のそれとよく似ていることに彼女らは一向に気付かない。
殺伐としたラブストーリー好きだな。
やっぱり恋愛→依存→薬か酒→でも結構→でも不安
って同じ流れのような。
元彼の部屋を出て、「彼」と付き合い始めた「私」。「彼」が女と浮気をしていると知り、自殺を考える「僕」。突然去った「彼女」を待ち続ける「俺」。愛するほど孤独になる、三人の絶望と激情。
紹介文がまさにあらすじなのですが、「星へ落ちる」は私が今まで読んだ金原ひとみの本の中でもっとも好きな作品です。物語の中で感情が描かれるのは「彼」を除いた三人。その三人が三人とも見えない影に怯えてなんとか息をしている、まさに絶望感漂う話。さっぱり読めるのに後味の悪さが拭えないところが好きです。
恋愛と依存ってすごくよく似てて、違いがよくわかんないや。
でもきっと結局、相手を愛してるのか、それとも相手を通して自分を愛してるのかってことだよね。
ものすごーーく苦しくて、後味までつらくなるほど苦いのは、いい小説だっていうしるしかも。
装丁と構成に感服。
好き過ぎて不安だという気持ちを
相手に言えずにモンモンとするのと、
相手に言い過ぎてウンザリされるのと、
どっちが痛いものか。
自分が依存を嫌う性質からか、相手に依存しまくってる登場人物たちの心情がいまいち理解できませんでした。…依存したらこうなるのかなぁ、怖いなーとは思いましたが。
「彼」の話も読んでみたかったです。「彼女」と「俺」はひと段落ついていますが、この元恋人たちがどうなったのかは不透明なままなので。
恋愛している人たちについての連作短編集。読むのは2回目。
恋していると(なんていう表現じゃあ軽すぎる気がするぐらいだ)相手のことを考えすぎて、ただ辛くて怖くて不安で、ってときがあるよね。金原ひとみの一人称は、浮かぶものを全部掬いあげようとするように饒舌なので、引き込まれて読んでると感情のスパイラルに巻き込まれてしまいます。
そして、真ん中にいる人が最後まで本当に何を考えているのかわからない構成もすごくいいし、面白いと思う。まるで本当の恋愛みたいで。
桜庭一樹を最近読むようになって、結構あらゆる登場人物を網羅して一人称語りの章があるので、新鮮だなぁと思ったんだけど、たぶんこの本の構成がすごくうまいなぁと思ったのを覚えていたからだな。
で、この本を最初に読んだ後に江國さんの「きらきらひかる」を読んで、また別の愛の形で、泣きたくなった。というのが再読の経緯。
久しぶりに金原ひとみ。恋愛って恐ろしくて、あたしはこうゆうことってないけど、でも、何となくわからなくもないような。そんな感じ。
恋愛ってこんなに苦しくて辛くてどうしようもない感情もあるのか、と少し怖くなった。
相手に依存しすぎたらこうなるよ、って教訓みたいだった。
自分の中心が自分で無くなったら終わりかもしれない。

前までの作品に比べてスロートーン。長い一段落の連想ゲームみたいな気持ちの綴りがないから。どっちつかずの男に振り回される男と女の話





