星へ落ちる

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748970

感想・レビュー・書評

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  • 15/09/10
    ・帰宅したら私は泣くんだろうけど、それは帰宅してからだ。私は彼の前で取り乱してはいけないし、泣いてもいけないし、一緒にいたいと言ってもいけない。辛いとも、悲しいとも、寂しいとも、愛してるとも、言ってはいけない。重いからだ。(P25 星へ落ちる)

    重いわ。重苦しいわ。

    ・彼のいないこの国は、なんて無意味なんだろう。私はその時、生きてる意味が見えなくなった。(P84 サンドストーム)

  • メンヘラで片付けてしまえばその通り。
    でも、金原さん特有の罵詈雑言とも言わんばかりな汚い言葉の多用無しに全面に出る異常具合がいい。

  • 今はもう結婚して子供も産まれて落ち着いたけど、独身の頃は恋をするとこの主人公のようにネガティブでどうしようもなく不安になって1人で泣いて…苦しい恋愛ばかりしていました。
    ここまで狂ってはいませんでしたが(笑)
    凄く共感できて感情移入しちゃいました。

  • 金原ひとみにしては珍しい普通のメンヘラ本

  • 恋した時のリアル?な心情。わかるーって思うところは少しあるが。例えばメールの返信が気になって仕方が無いとか、些細なことで浮気を疑ったりとか、浮気の確信があるけど築き上げたものが壊れてしまいそうで怖くて聞けないこととか。最終的にはやっぱり鬱になるんだな。作者の作品って絶対、鬱が出てくる。杞憂の凄まじさとか、良い面しか見ないでいようとするところとか。気の紛らわしさとか本当にリアルでやっぱり作者自身の姿が現れてるなとおもった。絶対リスカと抗鬱剤は出てくるよな。ちょっと他の憂鬱たちとかオートフィクションとかと似てる。

  • 【内容】

    元彼の部屋を出て、「彼」と付き合い始めた「私」。
    「彼」が女と浮気をしていると知り、自殺を考える「僕」。
    突然去った「彼女」を待ち続ける「俺」。
    愛するほど孤独になる、三人の絶望と激情。

    アマゾンより

    金原ひとみさんの作品の中で一番好きかもしれないです。

  • 金原ひとみを読むのは『蛇にピアス』が芥川賞を受賞した当時に文芸誌で読んで以来。『蛇にピアス』の痛い描写が合わないなーと思って避けてきたけど、薄い本だったので読んでみた。この人の作品は恋愛に重きを置いていて、登場人物が危うくて恋愛依存な体質にある気がする。彼女が小説家として売れていく男のエピソードなんか本人の実体験じゃないかと思う。恋愛に怖いくらいに依存する男女の話はちょっと苦手。堕ちるところまで堕ちきっていれば逆にいいんだけど。2012/327

  • 装丁とタイトルに弾かれて思わず手にとった一冊。

    主人公は恋人のいる男と浮気をしている女、なのだけれど
    その恋人というのが「彼氏」だということが判明して、
    ぐぐっとひきこまれた。
    そして彼女の携帯電話には、えんえんと鳴り響くモトカレからの電話。

    この小説の薄気味の悪さは、
    「私」「彼」「恋人」等の表現をつかって、いちども誰の名前も
    出さないことにも起因している、はずだ。
    じゃなければ、こんなにも切迫して、やるせない思いが胸に迫ってきたりなんかしない、はずだ。

    「彼」を奪おうとしている「私」の思い、
    「彼」を奪われまいとしながらくるっていく「彼氏」の思い、
    「私」を思いながら生きる元彼の思い、
    「彼」を手に入れたはずが奪われる恐怖におののく「私」。

    非常に美しい構成です。
    まあ、物語としては予定調和的と言うか、もっともおさまるべきところに
    おさまるという感じがあるんですが
    それが心地よいのですね。

    本気で人を好きになったことのある人なら、
    この小説の語り手たちのうちの誰も嘲笑うことができないはずだと、
    そう思います。

    手首を切るだの自殺をほのめかすだの
    帰りを待ってずっとゲームするだのごはん抜かすだの
    一日に何十通メール送るだの

    傍から見てると「そんなのっておかしいぜ」と思うようなことを、
    彼ら自身も「こんなのはおかしい、どうして自分はこんなことになってしまったんだろう」と思いながら、してしまう。
    そこには悲哀すら感じられます。
    理性と相反するほどの衝動を、どこか滑稽に書いている冷徹な眼。

    「彼のことが好きだからだ」

    というフレーズをこんなにも絶望的な文脈で書くとは。
    意外、好きです。

    しかし職業:作家で無名さんだとどうしても
    本人の話なのかなあ、とちらちら考えたりしてしまいますね。

  • 苦手な文章

  • ずっと一つの星を見上げていると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金原ひとみの作品

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