星へ落ちる

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 858
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748970

感想・レビュー・書評

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  • 引き続き再読中。

    4人の恋愛がそれぞれの視点から描かれる短編集。

    中心にある男性だけの視点がなく、いったいどんなこと考えて
    こんな生活おくっているんだろうって思うけど、
    それ以外はどの人の気持ちもよく伝わり、特に「左の夢」は
    幸せだった頃の回想が恐ろしくリアルで悲しくて、読んでいて泣いた。

    嫉妬、別離への恐怖、もう無理だとわかっていながら
    してしまう執着。たまらなく痛いけどどんどん読んでしまう。

  • なんとなく読み始めて一気に読んだ。恋する者の苦しさ、って感じ。追う側はいつも苦しい、あの手この手でみっともなかったり、格好付けたり、どうにもできなくて苦しい。相手も自分も同じ分量で好きになれたらいいのにね、でもだとしたらつまらないのかも。

  • 金原ひとみの文章はいつも読者の心を深く抉る。
    行き場のない愛と絶望がたまらなく悲しい。

  • 元彼の部屋を出て、「彼」と付き合い始めた「私」。「彼」が女と浮気をしていると知り、自殺を考える「僕」。突然去った「彼女」を待ち続ける「俺」。愛するほど孤独になる、三人の絶望と激情。

    紹介文がまさにあらすじなのですが、「星へ落ちる」は私が今まで読んだ金原ひとみの本の中でもっとも好きな作品です。物語の中で感情が描かれるのは「彼」を除いた三人。その三人が三人とも見えない影に怯えてなんとか息をしている、まさに絶望感漂う話。さっぱり読めるのに後味の悪さが拭えないところが好きです。

  • 恋愛している人たちについての連作短編集。読むのは2回目。
    恋していると(なんていう表現じゃあ軽すぎる気がするぐらいだ)相手のことを考えすぎて、ただ辛くて怖くて不安で、ってときがあるよね。金原ひとみの一人称は、浮かぶものを全部掬いあげようとするように饒舌なので、引き込まれて読んでると感情のスパイラルに巻き込まれてしまいます。
    そして、真ん中にいる人が最後まで本当に何を考えているのかわからない構成もすごくいいし、面白いと思う。まるで本当の恋愛みたいで。

    桜庭一樹を最近読むようになって、結構あらゆる登場人物を網羅して一人称語りの章があるので、新鮮だなぁと思ったんだけど、たぶんこの本の構成がすごくうまいなぁと思ったのを覚えていたからだな。

    で、この本を最初に読んだ後に江國さんの「きらきらひかる」を読んで、また別の愛の形で、泣きたくなった。というのが再読の経緯。

  • 金原ひとみさんの作品はケータイ小説だといわれることがあるけど、「恋へ落ちる」というような陳腐なタイトルをつけないところがそれとは全く異なっていると思う。多分金原さん自身はケータイ小説だと言われようとどうでも良いんだろうけど、この人が芥川賞を受賞したのは伊達じゃない。立場の違う3人の感情をここまで鮮やかに表現して尚且つ読者を惹きこむ力は圧倒的。

  • 今の私と少しリンクするところがあった。「左の夢」で、泣きそうになった。

  • 恋愛の切なさ。

  • こんな本をずっと探してた。

    探しても探しても巡り合えなかった本に
    やっと出会えました。

    だれも救われなくて
    だれも報われなくて
    最初から最後まで苦しい。

  • 凹むの覚悟で読んでください。でも是非読んでください。

著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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