- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087751642
作品紹介・あらすじ
ノートや画帖にかきつけられた詩、デッサン、水彩画、版画、手紙…。夭折した少年の魂のメッセージ。
感想・レビュー・書評
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生きることについて書かれた詩が、言いたいことを代弁してくれてすっきりしました。
少年らしさとどこか別の視点で見ているような感じ、
教室でひとり窓の外を眺めて何か考えているような感じ。それでいて心に強く燃えたぎるものを持っている感じ。
とても惹かれます。
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前2冊を見てきて、彼の表現のすべてが網羅されたかのやうに思つたが、今回、今までのものとは重複があまりなく、改めて、彼の描き続けてきたものゝ数に気づかされる。
十七歳、それはどこか特別な年齢であることに変りはない。サガンにしろ、デュラスにしろ、松村栄子にしろ、十七歳といふ瞬間は、彼女たちにとつてとても大きな何かを生み出すこととなつた。特別なまなざしをもつて彼女たちは17歳をいふ年齢を眺めてゐる。
確かに、かまちは17歳で亡くなつた。けれど、それだから17歳が特別な年齢だといふのではない。彼がその後生きてゐても、おそらく、17歳は彼にとつて大きな意味をもつ年齢だつたに違ひない。
溢れださずにはゐられない何かを描き続けたその姿は、粗削りといふことばが似合はずにはゐられない。俵万智が彼のことばから紡いだエピタフは、彼の原文と比較して良くも悪くも洗練されてゐる。その痛みは、リズムよく、さつくりと切り裂く、よく切れるナイフだ。しかし、それが彼の痛みだつたのだらうか。傷つけたくても傷つかない、ひつかき傷のやうな鈍い痛みがいくつもいくつも身体を引き裂く、そのやうなものではなかつたか。
スパつと切れない痛み、それこそ彼の表現ではなかつたか。
彼女が、もし彼が短歌といふ形式に出会つてゐたなら、といふのは彼が生きる時間の可能性の中にあつたものであつて、彼が17歳のその時に短歌で何かを表現してゐたとしたら、このやうな痛みを伴ふことはなかつたのではないかと思ふ。 -
同郷の人間なんだけども、話には聞きつつも、この人の本を読んだのは恐らく初めて。まぁ詩というのが苦手というのもあり。若いころはクールを気取っていたもので、こういう熱苦しいというか、情熱がほとばしるようなのはいらっとくる感じだったんだけども、でも年を取るにつれて、冷静に読めるようになったというか。読んでみて、こういう自分の中身を素直に外に出せるってすごいわー、結局ちょっと距離を取って読んでるな、まだまだ素直になれてないな、自分、と感じたのでした。
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「一日が24時間じゃ足りないよ」というのが口癖だった作者の山田かまち。
エレキギターの練習中に感電死し、17歳という若さでこの世を去ったのは実に惜しいことだとこの本を読むとわかります。
詩だけでなく、絵や好きな人に宛てた手紙なども収録されています。
どれも真っ直ぐで情熱的な言葉が書かれていて、私もこんな風に表現出来たら素敵なのになと思います。
一つ残念な事と言えば、美術館に飾られていた月夜の絵が収録されていないことでしょうか。
最近新たに発見されたようでまだどこにも載っていないそうです。
機会があれば美術館へもドウゾ。 -
高校の学級文庫にあったので、朝の読書のときによんだ
まず、高校浪人・感電死に驚いた
赤裸裸な内容も多く、同じ年頃の男子がこんな絵を描き文章を綴ったということは、当時女子高に通っていた私には衝撃的でもあった
今では、これらはある程度装われたナルシシズムと思うけれど、とうといものだとも感じる -
はじめて読んだのは小学生のとき。やっぱり今読むと感じることって違うよね。高崎の美術館でポストカードとか買ってもらったんだ。
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読むと胸がチリチリする。
青春の残像。 -
幼なかった私は何故だかどうしても手元に置いとけなかった
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幼なかった私は何故だかどうしても手元に置いとけなかった
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全部読んでないけど
読める気もしないけど
なんか自分の中の物全部吐き出してるだけのような
整えられてないし
美しくないし
作品とは言えないのかも
直後に中也読んだら、違いが歴然と・・・
でも、その荒っぽさで
余計に、その熱さが新鮮に
伝わる様な、そう感じるから
それが一番大事なのかなーって
才能はあるのかもしれない
けど、
生きてたら意外と普通の人間になちゃってたりして