いのちの森の台所

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087753943

作品紹介・あらすじ

「森のイスキア」佐藤初女さん、静かに問いかける「生きている意味」88歳、感動のメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • ブクログの中で偶然にお目にかかった本です。

    佐藤初女さんは弘前において「森のイスキア」を主宰されています。

    岩木山の豊かな森の懐で、様々な思いを抱いて訪れる人たちに寄り添い耳を傾ける、それぞれの気付きを得て戻っていかれる方のお話が語られており、後半は講演会での対話にもなっている。

    食材を慈しみ、丁寧に心を込めて作った料理を一緒に食べる。命をいただきながら自分の体が元気になっていくことを静かに語っています。

    子供たちも大きくなり一緒にご飯を食べながら、これおいしいねっとか、学校のこと、日常のことを話す機会も、すっかり少なくなった。
    子供と大きな塩むすびを作って、温かな味噌汁といっしょにおいしい、おいしいと言って食べたのも随分昔のような気がする。

  • この本は不思議な本だと思う。心が苦しい人、つらい悲しみを抱える人。。。いろいろな人が、著者佐藤初女さんの<森のイスキア>を訪ねる。はじめてでも、夜中でもいつでも、佐藤さんは迎えるという。

    おいしいご飯を心楽しく皆で一緒に食べたら、それは力になる。人間の存在そのものに深く関わる食は、心と直接的に結びついたものだから。一緒にご飯を食べられなくても丸いテーブルを囲む。。帰りには心が軽くなって帰路につくという。

    『地球交響曲 第2番』にも佐藤さんが登場している。「今を生きる」こう断言する著者の心の強さにはっとさせられる。

    『仕事の一番好きなのは、くるしむ事
    食べることはいのちをいただくこと
    人のために動く。その喜びが生きる力』

    この本、オススメします。
     

  • 食べることって大事だなと、改めて思う。
    「母の心」というのもや、おにぎりを「たなごころ」で握ると表現するところなども、なんというか、とてもじんわりと胸に響きました。

    丁寧に生きるって、実行しようとすると案外難しかったり、忙しさやしんどさを言い訳に適当に一日を過ごしてしまったりしてしまいます。
    けど、難しいからこそ実践していく価値があるのかなと思いました。

    「母の心」というものを意識して、家族や友人たちに接していきたいものです。

  • 食べものほどストレートに
    こころを伝えるものはありません。
     
    「大事にしていますよ」とか
    「あなたを好きです」と言葉にしなくても、
    その人の好きなものをつくって、
    一緒に食べるだけで通じるものです。

    (by 佐藤初女)

    * * *

    体調が悪いときには
    食べやすくて
    栄養があるものを

    がんばったときには
    精一杯のご馳走を

    どんなときにも
    わたしを元気づけてくれるのは

    家族がつくる愛情料理

    大切に味わいながら

    いのちをいただいて
    パワーに変えていく

    それを笑顔にして
    身近な人を照らすことが

    わたしの感謝の気持ち

    いつもありがとう!

  • ・手を使って食事を作ることの大切さ
    ・食べることを大事にすると元気が出る
    ・野菜も人間も透明がよい

  • なかなか機会がなく一度読んでみたいと思っていた亡き佐藤初女さんのご著書を拝読。

    著者がなぜ、弘前イスキア、森のイスキアを開設するにいたったか。病弱で病に臥していた若い時に身体に染み入った食べ物の思い出。病床で聴こえた鐘の音に導かれる様にして出逢った信仰の道。
     
    日本全国から抱えきれない迷いを抱え、初女さんのもとを訪ね歩いてくる。ただ話を傾聴し受け入れる。そこには信仰と共に生きる強い奉仕の覚悟がある。
    自分の生命をただ、誰かのために差し出すこと。


    私自身は特にこれといった信仰はないが、信仰のある人の言葉には実にぶれない深い愛があるなぁと、読み進めながら途中何度も涙が溢れた。

    あの初女さんのおむすびの作り方も知ることができたので、今度試しに作ってみたいと思う。

  • 食は力である。力となるのは、食材が自然の中で生きてきたものだから。したがって、食材を生かした料理をしなければ、力は失われるし、美味しい料理はできない。食の力と傾聴で、心の病む多くの人を救ってきた初女さん、本当に尊敬する人です。

  • 父が入院し、治療の甲斐なくあとは死を待つ状況です。
    家族として父をどのように精神的に支えたら良いか、この本から得たいに思い読みました。
    ただ、おむすびを握って食べさせた初女さん、私は父に何をしたら良いのか、考えています。

  • とても慈悲深い方。
    丁寧に誠実に目の前のことに向き合ってらっしゃいます。
    多くの方の相談に答えている内容も、一本芯が通っていて、その場限りの慰めを言ったりしない。
    おにぎりを作るのにも、こんなにも気持ちを注いで、意識を凝らして。そして、そのおにぎりが、人の命を救うこともあって。
    生き方をお手本にしたい女性です。

  • 心が軽くなった

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著者プロフィール

佐藤初女

一九二一年、青森県生まれ。小学校教員を経て、七九年に弘前染色工房を主宰。八三年から自宅を開放して「弘前イスキア」を開設し、苦しみを抱えた人を手料理で迎え入れ、話を聞くようになる。九二年、岩木山麓に「森のイスキア」を開く。九五年に公開された映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー) 第二番』(龍村仁監督)で活動が紹介されると、国内外で広く知られるようになり、各地で講演やおむすび講習会などの活動を続けた。二〇一六年、死去。『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』『「いのち」を養う食 森のイスキア』等、著書多数。

「2020年 『初女お母さんの愛の贈りもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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