レディ・マドンナ 東京バンドワゴン

著者 :
  • 集英社
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感想 : 198
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087754094

作品紹介・あらすじ

下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」を営むワケあり大家族・堀田家に、今回も謎に満ちた客がつぎつぎ来店。なんと一家の大黒柱に恋のうわさが舞い込む予感も...!?
大人気「東京バンドワゴン」シリーズ、第7弾!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ7作目。今回も新たな命の誕生や結ばれるカップルもあり、相変わらず堀田家の周辺は賑やかだった。
    一番素敵だと思ったシーンは、すずみちゃんが蔵から本を盗んでしまった親友の美登里に300万円をポーンと貸すと言って語りかけている場面。もし返さないで自分が逃げたらどうするんだと言う美登里に「美登里が私から逃げるってことは、私はあんたに嫌われたってことでしょ?友達に嫌われちゃったのならしょうがないもん。すっぱりあきらめる」と言ってのけるすずみちゃん、男前。。。!堀田家は男性陣も女性陣も全員男前で、読んでいて気持ちいい。

    1年間の季節をめぐる4章の、それぞれ最後にサチが語りかけるようにまとめるセリフが温かく深い。
    「心の細波が立ってこそ、凪のときのありがたみがわかるってもんですよ」
    「我儘を言っても、喧嘩をしても、嘘をついてもいいと私は思います。自分の歩く道がでこぼこになって初めて、後から歩く人のために、その穴を埋めることを覚えるんですからね」
    「どんなに辛い、忘れたいような過去でも、それを思い出にできるような未来に向かって歩いていく。そう信じて歩いていけば、きっと大丈夫」
    「若い人たちの明日への道筋を作ってあげるのは、あなたのような年寄りの仕事じゃありませんか。あなたが背中を押せば、誰かがその道を進んで、その誰かがまた道をつくってくれます。」

  • 第7弾。
    淑子さんが亡くなって、勘一の気持ちが心配だったけれど、曾孫の元気さに気が紛れている感じ。今回も人情が売りの東京バンドワゴン。丸く収まってよかった。
    最後、池沢さんに青が伝えたこと。素敵すぎた。

  • 毎年恒例の東京バンドワゴンです。年に一度のお楽しみなんです。ずうっと続けて欲しいと思っています。小路さんはまだまだ書くなんてこと言ってるみたいです。今回もおもしろいお話ばかりで、蔵の高価な古本盗まれたお話なんか、じーんときました。登場人物ますます増えてうれしい限りです。東京バンドワゴンは永遠に不滅です。

  • 毎日を大切に生きること。とても素敵なファミリーに日本の良き時代を感じる良い作品です。LOVEだよねぇ〜
    いつの季節にも色々な事が起きて大変そうだけどそれも楽しんで一生懸命考えて良い方向に進んで行く!
    こんな家族の中で育ったら、過ごしたら、さぞ幸せだろうなと思う。
    ほんとに素敵なファミリー。

  • 7作目
    お目出度いことが続々な東京バンドワゴン一家。
    新入学、結婚式、赤ちゃん誕生。
    カフェではライブを開催するようになって。

    それにしても亜美さん、そんな過去が。なんで紺さんと結婚したのかってちゃんと接点あったんだな。
    もうスーパーな人の集まりだから今更驚きもなくなってきたかも。
    研人くんが難しいお年頃になってきて、うちのチビちゃんもちょっと難しくなってきてるから、皆がどんな風に決着つけるのか興味津々。

    「大じいちゃんはいっつも怒ってるって、そしてくだらない奴はぶん殴るって君は言ってたけど、そのぶん殴るっていうのは今回君がしたことと同じかい?大じいちゃんが怒ることで、誰かが不幸になったりしたことあるのかい?」

    「湿っぽいことはやめましょう、良いと思ったことはすぐにやりましょう、人のためになることは進んでやりましょう。」

    子供が産まれてバタバタしてずいぶん友人たちと距離が出来てしまった。
    誰にでも気軽に寄ってもらえる家にしたかったのになと改めて思う。

  • 堀田家ヒストリー、7冊目。
    今回も四季にあわせて4つの物語が。

    冬には1冊ずつ売りにくる妙な客や
    棚の一角をごそっと買っていく妙な客の
    本当の目的が別にあることを知り
    春には我南人のロック仲間が
    生き別れの娘に「自分は成功者」とついた
    嘘から一騒動持ち上がり
    夏には古書組合に持ち込まれた本が
    バンドワゴンの盗品だったことがわかり
    秋には龍哉とくるみちゃんの結婚をさまたげる
    大きな壁を壊すべく奮闘し。

    そうやって毎年
    人の輪が広がってくものですから
    目次のとこについている人物相関図が
    もう、いっぱいいっぱいです(笑)

    奇しくも、また古書会と盗品のネタですね。
    やっぱり大変なんだろうな、古書店さん。
    他にも、秋実おばあちゃんの育った施設が
    取り壊されそうになったり
    研人君と花陽ちゃんがイギリスに出かけたり
    といった日々の事件もつながってます。

    定番の、じいちゃんの朝ご飯メニューが
    だんだんすごいことになってきている気が…。

  • 今回もほっこり(^^)新たな生命の誕生に、新たなカップルの誕生と堀田家のまわりは相変わらず幸せ( ´ ▽ ` )ノ そして研人くんがどんどんイイ男になっていく〜♡ 勘一さんの調味料上乗せは置いといて…堀田家の朝ご飯はいつも美味しそう!私も参考にしたくなっちゃう♪

  • 「ただいまぁ」
    久しぶりに 堀田家に 帰ってきました
    誰が?
    いえ、(読者)の私です。
    いつもと変わらぬ
    いつもの魅力的な面々が
    いつものように ご飯を食べて
    いつものように 家族の会話をして
    いつものように ささやかな事件があって
    いつものように えーどうなっていくのだろう
    と どきどきしながら ページを繰り
    いつものように あーっ 良かった
    と しばし(安堵の)遠い目になり
    満足 満足
    と 本を閉じる

    私にとっては
    一服の清涼剤のような
    「東京バンドワゴン」シリーズです

  • 子供たちもどんどん大きくなって、登場人物たちもどんどん増えてくけど、こんがらがらずにおもしろい!
    それぞれが、それぞれに思ってることがあって、誰かが背中おおしてくれて・・・。いいなぁ。

  • 前作からけっこう間が空いたせいか
    意外と細かい部分を覚えてなくて参りました(^_^;)
    とはいっても読んでくうちにおぼろげながら思い出せる
    サチさんの語り口は流石というべきか。

    今回は勘一じいちゃん大活躍の巻再び、といった趣。
    亜美さんが研人の先輩に詰め寄るシーンはかっこよかったっす。
    また更に人数が増えて、堀田家に関わる人の輪が広がった感じですね。
    というよりもう一重の輪ができた、という方が近いかな。感覚的に。
    ちびっこふたりを含む子供たちの成長、特に花陽ちゃんの大人っぷりが天晴れ。
    藤島さんもそろそろ幸せになるかな、と思ったら
    その前に龍哉さんとくるみちゃんだったのには驚いた。
    背景がよく判らないのが難だけど、どうやらこのふたりはスピンオフらしいので
    取り敢えずそっちも探して読もうと思います。

    読み始めの頃は先が気になってしょうがなかったんだけど
    ここへきてようやく待てるようになったというか、読み急がなくなりました。
    時系列通り、1年に1冊がむしろ安心な感じです。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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