ラブ・ジャンキー: 日本発タイ行性の直行便

著者 :
  • 集英社
3.10
  • (0)
  • (2)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 25
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087801705

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の目的がわからないけれど兎も角勇敢な人であるらしい
    アメリカ人と結婚し女の子がいながらも
    東京で暮らしてドキュメント本を書くという厳しい暮らしを
    あえて選択している人でもある

    内容は中立的立場を貫こうとしているようで
    読みやすい上に誰のことも避難せずに存在を認めて観察している
    それにしても
    この悲しい状態の歓楽街に迷い込んでいる人々の
    誰もが被害者にしか見えない
    だとすれば加害者はどこにいるのだろうか?

    大きなウネリが心に沸き上がってくる

    勿論そこにはあまりにも醜く暴力的に破壊された地域と
    奪い続けなければ生きていけない国とのせめぎあいがある
    そこだけを見れば破壊者が悪者で破壊されている側が被害者だといえる
    しかし一歩引いてみると共に依存で生き延びているに過ぎない
    悲しく哀れな状態である

    この依存の渦巻からどこに抜け出す道を見いだせるのか?
    支配と従属という依存関係である底無しにしか見えない蟻地獄を
    誰が創りだしてしまったのか?
    欲という概念を強くしたのは栽培なのか貨幣なのか金融なのか
    貯蔵技術と並行して損得感も大きくなり法を操る騙し合いが育つ
    長い時間をへた過去を振り返っても堂々巡りであるが

    この競争社会は相対世界であるこの世に
    支配という絶対の一成る答えを持ち込んだことから
    始まっているようにしか私には思えない

    「旅の恥はかき捨て」だけでもない
    自分の足を食べているような得体のしれない追いやられた開き直りと
    そのいらだたしさから逃げ出したい心の逆相乗効果による
    爆発なのかもしれない
    そこには弱いものがより弱いものをイジメルという
    泥沼があり
    その大元は共食いであり共倒れであり自爆という
    マイナス思考に陥っている暗闇が有りそうだ

  • 2010/3/25売却

  • タイが嫌いという彼女。「嫌い」なのはもしかしたら、彼女の中のダブルスタンダードにあるのかもしれない。
    本人は明言していないが、明らかに男と女には違う基準を使っている。(2006.11.26)

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

愛知県に生まれる。作家。僧侶。高野山本山布教師。行者。日本大学芸術学部を卒業し、女優など10以上の職業に就いたあと、作家に転身。
1991年『私を抱いてそしてキスして――エイズ患者と過した一年の壮絶記録』(文藝春秋)で、第22回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2007年、高野山大学で伝法灌頂を受け僧侶となり、同大学大学院修士課程を修了する。高野山高校特任講師。
著書には映画化された『極道の妻たち®』(青志社)、『少女犯罪』(ポプラ新書)、『四国八十八ヵ所つなぎ遍路』(ベストセラーズ)、『女性のための般若心経』(サンマーク出版)、『熟年婚活』(角川新書)、『孤独という名の生き方』『大人の女といわれる生き方』(以上、さくら舎)などがある。
現在も執筆と取材の他、山行、水行、歩き遍路を欠かさない。高野山奥之院または総本山金剛峯寺に駐在し(不定期)、法話をおこなっている。

「2020年 『別れる勇気 男と女のいい関係のカタチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

家田荘子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×