激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087815276

作品紹介・あらすじ

2012年8月に開催された日本一過酷な山岳レース。富山湾から3千m級の日本アルプスを縦断し駿河湾までを8日以内に走る。賞金など一切ないこのレースに挑む超人28名に密着した驚愕ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • NHKで放映された、トランスジャパンアルプスレース(TJAR)のドキュメンタリーでは扱えなかった部分も書かれている。

    TJARは、富山湾をスタートし、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを縦断し、駿河湾に至る415km、累積標高差27,000mを8日間以内に自分の脚だけで踏破するレース。
    賞金や賞品もなければ、知名度が高いわけでもない。

    例えば参加者の1人である湯川さん(45歳、広告代理店部長職)は、勤務先のビルの非常階段を使ってトレーニングしている。
    45階から地下5階までを約9kgの荷物を背負って時には3往復すると。

    部長職という多忙な人までも惹きつけるこのレース。
    人はなぜ走るのだろうか?
    レース中のインタビューなどから各参加者の答えの一端が垣間見えた。

  • すごく面白くて一気に読み!エキサイティングなレース展開はもちろん、選手一人一人のキャラが漫画のように個性豊かで、このレースをめぐるそれぞれの人生ドラマがこの闘いをより興味深いものにしている。

    読む前はフィジカルエリートたちが颯爽と山を走り抜けるレースを想像していたが、実際は全然違っていた。参加者は、もともと驚くほど『普通の人』である。メタボ対策に40過ぎてから走り始めたサラリーマンだったりとか、学生時代は帰宅部でリレーのお荷物だった青年だったりとか。とても意外であった。(もちろんスポーツエリートもいる)。

    そして、走り抜くために必要なのは、(走力は基本条件として、)不屈の精神力なんじゃないかと思った。疲労や眠気や怪我、幻聴・幻覚、高山病、豪雨や突風や雷、野生動物…困難のフルコースの中を満身創痍でゆく姿は、読んでいるだけでも辛く、全く楽しそうじゃない。

    それでも、なぜ走り続けるのか?その理由は選手それぞれ違う。勝利やタイムにこだわるものもいれば、マイペースに冒険を楽しむ者もいる。仲間との出会いや連帯を求める者もいれば、自己の内面との対話を求める者もいる。共通しているのは、山が好き、走るのが好き、そして胸にとても熱いものをもっているということだ。放映後、『選手全員が特定の宗教団体に属しているのではないか?』という視聴者からの声もあったというのは、とても面白いエピソード。

  • 報告書では書ききれないエピソードが多く面白い、知ってる人にしか興味は持たれないマニアック本だと思うけど

  • 最近トレランを始めた。最も過酷なレースとはどのようなものか興味があり読む。参加権を得るのも相当な技術、経験が必要、リタイア人でも1人1人にドラマがある。とてもそこまで行けないと思うが、レースではなくいつの日か同じルートをたどりたいと思う。バゲットリストを追加しておく。

    日本一過酷な山岳レース「トランス(横断) ジャパン アルプ スレース」、富山湾から日本アルプスを縦断し静岡の駿河湾まで415kmを8日以内で走るレース。2012年8月に行われたレースを書くノンフィクション。

  • 超人的なレースの記録(2012年)。選手たちの奮闘だけでなくテレビ番組の撮影側の大変さも垣間見えて興味深かった。
    日本海から太平洋へ日本アルプスを走るという壮大なコースにはロマンがあり、順位やタイムにこだわるランナーばかりではないのもいい。大会の手作り感も感じられるドキュメンタリー。

  • 2018年版がすこぶる面白かったので、急ぎ前作を読了。次作に比べると軸が強く、群像劇の側面よりドキュメント感が出ている。
    結果だけを見れば、レースとしてはまさしく『順当』。TV番組としてはともかく、一冊の本としてテンションを切らさず通すのは至難の業だったのではないだろうか。こうなったら番組も見てみたいなぁ。

  • TVも見たけど面白かった。DVDも買うかなぁ

  • 日本アルプス縦断するトランスジャパンアルプスレースのドキュメンタリー。
    走る人達も錚々たるドラマがあるが、撮影クルーも去年の優勝者とかそんな錚々たるメンバー。
    あるのは栄誉と自己との対話だけ。千日回峰の世界。

  • 2016年、レースのドキュメンタリーを観た。
    本書は2012年のもの。(レースは2年毎)

    幻覚・幻聴。
    タイムオーバーでレース終了後もひとり完走した走者。
    撮影スタッフも含め、負傷者が出なくて本当に良かった。

    自分には何がどうひっくり返っても、この人達と同じことはできるはずもないが、一度きりの人生を、かくも濃厚に生きる人々の姿がひたすら眩しい。

  • 日本海側を出発して太平洋岸へ向かう日本アルプス縦断レースに挑む人々のドキュメント。普通のサラリーマンなんてとんでもない!超人(超変人)!人間の限界に挑む人々。幻聴幻覚怪我嘔吐に襲われながらも前へ進む。自らを追い込む姿は窺い知れない世界。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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