スナーク狩り

  • 集英社
3.28
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本棚登録 : 518
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087815573

作品紹介・あらすじ

謎の怪物スナークをつかまえろ! その正体とは? 『不思議の国のアリス』の著者の、奇想天外な冒険物語に、「ムーミン」のトーベ・ヤンソンが挿絵を描いた! 気鋭の歌人・穂村弘の新訳でお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • ルイス・キャロルの詩にトーベ・ヤンソンが絵を添えた詩画集ですね。

    誰も見たことがない怪物スナークを捕まえようと
      船長ベルマンのもとに集まった八人と一匹
       まっ白な海図を持って出航したが・・・
            噂が想像を増幅させ、
    極限の恐怖に支配されるなかで起こった驚くべき結末!?

    ルイス・キャロルのノンセンスな詩にトーベ・ヤンソンが挿し絵を描いて、穂村弘さんが五七調で訳されています。
    穂村さんはかなり苦戦されたとのことでしたが、日本的なリズムに乗って、奇想天外な物語が船出します。
    とても奇妙な話の展開ですが、詩人の言葉が五七調の詩の調べでヤンソンの奇抜な絵にも乗せられて、どうなることかと、ついつい完読してしまいます。
    たまには、こういう作品で頭をリセットするのも良いですね。

  • ルイス・キャロル×トーベ・ヤンソン×穂村弘という、私にとっては豪華コラボ。
    「スナーク狩り」を知らない方は、後書きを先に読むといいかも。
    ルイス・キャロルの韻文詩を訳すのはかなり大変だったと思うけど、トーベ・ヤンソンのイラストもあってなんだかかわいい感じに面白かった。
    意味はわからないんですけど。

  • 読書会の選書をしていて、参考文献として手に取った。帯を見れば、昨年のトーベ・ヤンソン生誕100年に合わせた企画ものらしい。挿絵がヤンソン、訳は「ほむほむ」でおなじみの歌人・穂村弘さん、南條竹則さんがサポートという布陣も面白く、早速読んでみた。

    この詩は、ベルマンを船長とする人々が船を仕立て、謎の生き物「スナーク」を狩りに行くという体裁を取っているが、言葉遊び先行のナンセンス詩だということを聞いていたので、正直なところ、内容にはそんなに期待していなかった。でも、開いてみると意外なことに、メンバーや道具立て、冒険のディテールははボケボケにボケ倒しているものの、立派に冒険物語になっている。ギリシャ神話に出てくる、黄金の羊の毛皮を求めてイアソンが率いたアルゴー船隊っぽく、ストーリー性のある叙事詩だと思う。

    訳については穂村さんのあとがきに詳しいが、この形式を取ることができるのは歌人/詩人ならではのものだ!と鮮やかさに素直に嘆息してしまう。外国語の韻文の訳というのは翻訳では最上級に難しいもの(だと思う)なので、きわめて個人的には、韻文の心得のある…というか本職のかたが、外国語とその文学を専門に扱う人のサポートを得て自分の土俵に引きずり込むほうがいいように思う。この訳文の形式は、おそらく、長文の文芸翻訳だけを手掛ける人には思いつかないだろうし、思いついてもなかなか実行に移せないものだろう。特に、この形式は最後の締めが洒落ているし…とかえらそうに書いてしまったが、高校古文の時間に聞いた覚えがあるのをうっすら思いだしただけです、はい。

    『スナーク狩り』はヘンリー・ホリデイの少々おどろおどろしい挿絵がついた邦訳が出回っているのは知っていたが、こんなチャーミングな版が出ていたことは知らなかった。集英社さん、宣伝が甘かったんではないか(笑)。さすがにムーミンは出てこないけど、挿絵にはヘムレンさんみたいなキャラクターがわらわら出てくるので、なんだかそれだけでも面白いのではないかと。

  • 前情報はない状態で初読。
    本編は謎だらけ。そして本は3分の2以上が考察。それがなければハテナだらけの作品でした。
    アリスの世界からルイス・キャロルが積み重ねた物や表現したかった事。
    言葉・思考・意味・無意味。
    考察はする人がする、言葉は紡ぐ人がする。
    それはそれできっと人の理だ。

  • マザーグースみたいな、謎と遊びに(たぶん)満ちたルイス・キャロルの詩。一応物語仕立てではあるものの、意味とか内容とかじゃないんだろうな、、と。
    挿し絵はトーベ・ヤンソン。私は持ってるだけで幸せ。

  • スナーク狩り 作者のルイス・キャロルの作品です。

  • おー!ルイス・キャロル ×トーべ・ヤンソン

    集英社のPR(版元ドットコム)
    http://www.hanmoto.com/jpokinkan/bd/9784087815573.html

  • R5/5/10

  • 文『アリス』シリーズのルイス・キャロル×絵『ムーミン』シリーズのトーベ・ヤンソン、訳穂村弘という豪華な布陣。キャロルの文章の面白味は原典の韻を踏んだ文体にあると思うので、翻訳は難しいんだろうね。原典で読める日がきたら楽しさは倍増かも。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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