マラス 暴力に支配される少年たち

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著者 : 工藤律子
  • 集英社 (2016年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087816211

マラス 暴力に支配される少年たちの感想・レビュー・書評

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  • 道新の書評で取り上げられていて気になってた本。
    大切なのはお金じゃない~なんて、所詮先進国のキレイごと…。最低限の生活が保障されてない貧困国で生き延びるためには殺人さえも厭わないギャングになるしかない、そんな現実の重さ…。
    でもそんな状況から更生に向かえたのは、NGOなどの地道な活動の力と、国民に当り前のように根付いているキリスト教信仰があってこそなのかなと。最後に縋れる信仰心があることの尊さを感じずにいられない一冊だった。

  • ホンジュラスの暴力組織「マラス」への取材。
    筆者の危険な中での行動力の賜物で、現場のインタビューに成功する。

    少年たちの極貧社会において、暴力で支配されている地域で、マラスに入っても、入らなくてもどちらも過酷な状況が待ち構えている。

    その中で、本誌に登場するアンジェロは元ギャングリーダーで刑務所で改心し牧師となる。
    キリスト教という救いが、極貧の最悪の状況にも礎となる、宗教の力を見た気がする。

    筆者の渾身のルポであることは十分わかるのだが、もう一歩踏み込んで記載してほしいとも思った。
    インタビューを正確に、時系列に記載するスタイルだが、何かもう一味、他の国の状況だとか、ストリートチルドレンとの比較とか、別の観点が加わると厚みが出たと思う。

  • 東2法経図・開架 367.6A/Ku17m//K

  • 「マラス」を知っている人は少ないのではないだろうか?
    「マラス」とは、ざっくり言うと、中米の「凶悪な若者ギャング団」なのだけれど、その成り立ちや流派などはかなり複雑で、一言では説明できない。
    貧困、家庭問題、ネグレクト、人種差別、地域柄…様々な問題が複雑に絡み合って誕生したのが「マラス」なのだ。

    ホンジュラスというと珈琲の産地ぐらいの認識だった私だが、この本を読んでこの国の人々が抱える深刻な問題を初めて知った。
    そこで誕生した「マラス」とは一体どんな存在なのか?

    この本は、ジャーナリスト・工藤律子さんとフォトジャーナリスト・篠田有史さんが自分たちの目で見て感じた「マラス」のドキュメンタリー。

    殺人、強盗、強奪…そんな事件が普通に起こる街で人々が生きていく術は結局自分たちもそこに染まることなのか…。

    そんな「マラス」のリーダー的な存在だったアンジェロの話は特に印象深い。
    ギャングリーダーから、ある出来事をきっかけに牧師になったという男・アンジェロは地獄を見たからこそ人々の心を救うことができるのかもしれない。

    彼を救ったのは宗教と信仰だった。

    自分の中に信じるものがあるということは何よりも強い。揺るがない自分を持っているものは何よりも強い。

    宗教を持つこととは…自分の中にある善と悪を神によって感じることなのかもしれない。

  • 宇治さんの読書評を読み、手に取りました。警察さえも信じられない社会を想像出来ませんが、劣悪な社会環境でも健気に生きている人々の存在を知ることができました。

  • 題名のマラスは、中南米のギャング団だというが初耳だった。本書はそのマラスを題材にしたルポ。
    絶望的なまでの貧富の格差、政府の腐敗。そんな中南米の社会にギャング団がはびこり、スラム街で育った青年、少年までもが取り込まれ、社会そのものを蝕んでいく。
    悲惨以外の何物でもないが、マラスから抜け出そうとする少年、救いの手を差し伸べるNGOやキリスト教の神父・牧師にわずかながらも光明を感じた。
    「 開高健ノンフィクション賞」受賞作ということで読んでみた。ギャング団や刑務所にまで乗り込んで取材する著者の取材力に、この受賞も納得。

  • 殺人事件発生率世界一の中米ホンジュラスには凶悪な若者ギャング団「マラス」がはびこる。マラスの一員になる条件は、誰か人を殺すこと。そして、組織から抜けるときは、死を覚悟しなければならない。なぜ少年たちは、死と隣り合わせの道を進むのか。元マラスや現役マラス、軍警察、そして若者ギャングの人生を変えようと奮闘する人々を取材していくなかで、暴力と貧困のなかに生きる少年たちの驚くべき現実を明らかにしていくルポルタージュ。

  • 一気に読了。
    読み応えのある本で、全く知らない世界だったので新鮮だった。
    必ずしもホンジュラス全体がギャングに染まっているわけではなく、マトモに育った人たちはギャングから離れたところで、ギャングを敵視しているということが分かり、一安心。
    もっとも、この本は、ギャングにならざるを得なかった人や奇跡的に抜け出せた人たちに焦点を当てているので、ギャングを掃討するという政府の方針がむしろギャングを凶悪化したと批判。

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マラス 暴力に支配される少年たちの作品紹介

第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。中米ホンジュラス、世界一凶悪と言われる若者ギャング団「マラス」に身を投じる少年たちと彼らを救おうとする人々の姿を追った衝撃のルポルタージュ!

マラス 暴力に支配される少年たちのKindle版

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