マラス 暴力に支配される少年たち

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087816211

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  • ホンジュラスの暴力組織「マラス」への取材。
    筆者の危険な中での行動力の賜物で、現場のインタビューに成功する。

    少年たちの極貧社会において、暴力で支配されている地域で、マラスに入っても、入らなくてもどちらも過酷な状況が待ち構えている。

    その中で、本誌に登場するアンジェロは元ギャングリーダーで刑務所で改心し牧師となる。
    キリスト教という救いが、極貧の最悪の状況にも礎となる、宗教の力を見た気がする。

    筆者の渾身のルポであることは十分わかるのだが、もう一歩踏み込んで記載してほしいとも思った。
    インタビューを正確に、時系列に記載するスタイルだが、何かもう一味、他の国の状況だとか、ストリートチルドレンとの比較とか、別の観点が加わると厚みが出たと思う。

著者プロフィール

スペイン語圏を中心に、貧困や格差といった社会問題、歴史や文化を取材している。
著書に、『仲間と誇りと夢と』(JULA出版局)、『ストリートチルドレン』(岩波ジュニア新書)、『マフィア国家』(岩波書店)など。『マラス 暴力に支配される少年たち』(集英社)で第14回開高健ノンフィクション賞受賞。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表。

「2018年 『ギャングを抜けて。 僕は誰も殺さない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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