- Amazon.co.jp ・マンガ (154ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087827460
作品紹介・あらすじ
美大を卒業したあと、就職せずに宮崎に帰った明子。日高先生に再会し… 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ第三弾!
感想・レビュー・書評
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一気読みしたので感想は5巻に書いてます。
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海月姫の人なんだー
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故郷から遠く離れた美大に進学した明子。
野望は漫画家になること。だが、大学の日々の課題もこなせずに遊んでばかり。一方、漫画も1ページも描いていなかった。
卒業間近にして、明子はようやくその夢に向かい少しずつ動き出す。
とはいえ、実際漫画を描き始めるのではなく、とりあえず新古書店でのアルバイトを始めたのだ。ここでバイトをすれば漫画がただで読み放題というわけ。実際、このときいろいろなジャンルのものを読み漁ったことが現在でも貯金として生きているというから、経験は積むものである。
そしてそうして漫画に取り囲まれてみて、ようやくペンが動き始めた。交際中の大好きなイケメン彼氏をモデルとしたイラストなどなのだが。
卒業は迫る。故郷の親からも絵の先生・日高先生からも卒後の就職について心配して電話が来る。故郷に戻り、美術の先生になれ、という勧め。紆余曲折あったが、何とか日高先生が私立高校の美術教師の口を見つけてくれた。
彼氏とは別れたくない(彼は2学年下)。しかし、致し方ない。
彼は遠距離でも大丈夫と言ってくれた(けれども、大人になった今、もちろん、彼は隣にはいないのである。まぁそんなものだ・・・)。
そんなわけで故郷に帰ってきたが。
何と、日高先生が用意してくれたはずの就職口は、強いコネを持つ別の人物に奪われていた!
金もなければ友達もいない。明子は仕方なく、日高先生の絵画塾に再び通い、そして何となく先生の助手として働くことになる。
何はなくても実はこれが楽しい日々だったということに気が付くのは後になってからのこと。
一方、いつまでもまともな職に就かない娘に業を煮やした父は、自分の会社のコールセンターで働くよう命じる。
この仕事がむちゃくちゃ合わなかった。
夜は相変わらず、日高先生の塾での手伝いもある。
へとへとの日々。
・・・しかし、起死回生の一歩はここから。
何と明子は会社を辞めたい一心で、漫画を描いて投稿するのである。
夜中の数時間の自由時間しかない中。がむしゃらに、しゃかりきに。
漫画家になる道がうっすらと見え始めるこの巻。
明子はようやく漫画のことを先生に打ち明ける。しかし、先生は取り合わない。
これは落書きだ。そうか、金になるのか。それはいい。漫画でお金が入るなら、そのお金を使って絵を描けばいい。
そうではない、と言いたい明子だが、先生との間の壁はどうしようもなく高い。
反論もできない。説得もできない。なぜなら先生の存在は明子の中でものすごく大きいから。
大きすぎる存在とは袂を分かつしかないのか。 -
切羽詰まらないと、人は、動かないのかは?嫌々、人によるだろう。著者があけすけに事実を書ける心理状態になったのだろう。自分は、どうか?言えた方が明るく生きれる気がする。
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美大を無事に卒業したけど、就職先のなかった明子。
そうだよね。
氷河期だったもんな。。
でも、日高先生は、明子を見放さない。
暑苦しいくらいに暑いけれど、そして、とんでもなく不器用だけど、とっても良い先生。
それがわかっているから、明子も先生には逆らえなかったし、先生に漫画家になることを言えなかったんだろうな。。 -
美大を卒業した明子は宮崎へ帰郷。就職口がない明子は日高先生の教室で思わぬ才能を開花させる。その一方で、父にゴリ押されたコールセンターの仕事も始まる。あまりにも合わない仕事が、彼女に漫画を描くきっかけをもたらす?!
人は極限まで追い詰められた時こそ夢への第一歩を踏み出すことができる。ぼくもうつ病で動けなくなって死を意識した時、自分が好きなこと、したいことを見つけられた(それが読書と感想を書くこと)。自分にとって一番大切にしたいものは、きっと手の中に残るようになってるんだろうね。大切だと気づかなくても、ずっと握りしめて生きているから。でも、わざと自分を追い込んだり、病気になるのは絶対にお薦めできないので(1年半経ってもまだ回復できてない)、そこは気をつけてほしい。
今回は大学卒業、帰郷、教える能力覚醒、就職、投稿漫画デビューと展開盛りだくさん過ぎて楽しかった。波乱万丈だし、創作活動については迷いもあったりで苦労してる時代を描いているんだけど、抜群のユーモアセンスで毒ですらあたたかく描いているのがすごい。
「描きたいものなんてなくていいんや ただ描けばいいんや 目の前にあるものを 描きたいものなんか探しとるからダメになる 描けなくなる」
先生のこの言葉が突き刺さる。人生とか夢とか理想とか、そういうものにも言える言葉だと思う。目の前にあるものと向き合う。どうしてこんな単純なことが難しいのだろう。 -
東村アキコの自伝的コミック美大卒業編。
先生の親心が沁みる…。
絵はスポーツと一緒で、毎日続けなければやはり鈍るのだろうか。