隣の彼方 (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社
3.93
  • (55)
  • (65)
  • (47)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 593
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088465975

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  思春期の女性を主人公にした四作品が収録された短編集。この作者の特徴として身近な少女たちを主人公に据えていることが挙げられる。いわゆる「少女漫画」的な「ドジだけど明るい」とか「引っ込み思案だけど可愛い」といった「記号的」なキャラクターではなく、その辺りにいそうな、ちょっと弱くて、汚いところも持っていて、傲慢さもあり我が儘でもあるけれど、それでも愛しさを感じられるような、そんな少女たちを描くことが多い、そんな風に感じる。
     そして、この作品集におけるもう一つの特徴は失われた——あるいは失われそうになる何かを巡る話が綴られているということだ。一話目は世界の終わりを告げられた少女の物語。二話目は三人の少女たちのバレンタインを巡る友情の物語。三話目は幼なじみだった男の子を巡るお話。そして、最終話は交換日記をしていた二人の少女のお話。
     或いは失われ、或いは取り戻される何かを描くそのペンは細く、繊細そのものだ。
     収録作の中にはいささか予定調和的なものもあって、もう少し突き抜けてくれてもと思う部分がないではなかったが、下手に触れると壊れそうな素材をきっちりと描ききったという点は十分に評価して良いと思う。

  • シャボン玉みたいに、透明でふわふわしてて、すぐ消えてしまう。

    そんな絵と物語。

    あからさまな涙はでないけど、何故か泣きたくなる。

    重みがないところが、想像を張り巡らせることができて好きです。

    何度でも読み直してしまう。

    そのたびに別のとらえかたができて、切なくなります。

    重量感のある話は安定してるけど、一つの視点に囚われてしまうので。


    一つ一つの作品の、彼女たちに会いたい。

  • マーガレットのレベル高い

  • 綺麗な表紙に思わず買ってしまった少女漫画。読み切りです!幼馴染の話では切なさがいっぱいだったけど、いい感じな関係がこれから築けるんだろうなと思ったところで終わってしまったので少し残念でした。女の子がとても可愛い

  • SF風だったり、サイコホラーだったり、話の構成がしっかりしていて、少女漫画が苦手な人も読みやすいと思います。
    女友達の微妙な面倒臭い心理を描くのが上手。
    でも、それに比べると男のキャラが類型的で魅力に欠けるかも。
    ダークな話のハッピーエンドな終わらせ方も、心理描写にリアルさがあるだけに少し安易かなと感じました。

  • 四話目の話が特によかった。
    テーマに特異性はないけど、話の魅せ方がうまいと思った。すごい。

  • ひとの体に傷つけるくらいなら
    わたしを傷つければよかったんだ

    って帯にあって、うっかり購入。
    どうしたいとか、これは嫌だとか、はっきりとわかっても、うまく行動に移せないのも、素直になれなくて傷つくのも青春だなっていとしくなるな。

  • 透き通るような絵と、儚く切ない話が非常によく合っていると思います。
    表題作の、隣の彼方で、主人公のあやは幼馴染の好きなものをいまだに覚えているこの気持ちを彼はきっと知らないと言っていましたが、それでも幼馴染というのは、そこに思慕の情がなくともお互いを大切に思いあってるものなのだなと最後のシーンを見たときに思いました。個人的に、ひみつみっつも良かったです。

  • 再読。
    短編集第2弾。表紙の透き通る色と中身の黒々としたギャップが本当に堪らない。中毒性を実感します。

    ノストラダムスと榊くん
    カラー収録が嬉しい。榊くんの世界が終わるという予言は切ないな。短いながらも好き。

    ひみつみっつ
    女子特有のドロドロ、こういうの大好物です!複雑だけどリアルで、思わず自分の内面を振り返って、少し自己嫌悪。

    隣の彼方
    不器用な人だからこそ愛しい。年を重ねた分、異性の幼馴染みとの距離感の難しさが伝わる。

    keep a diary
    交換日記をする中で徐々に明らかになる異常性に裏切られた。後半はスプラッタ入ってたから、初読時は驚いた覚えがある。

  • この本も表紙の透明さと線の細さに惹かれて衝動購入でした
    今回は比較的読みやすかったような気がします
    ノストラダムスと榊くんで、榊くんがいう「この世の終わり」が、実は「自分の世界の終わり」だったというのは、少しさみしい事実だなって思ったり
    気づかされた榊くんも、そうなるまで気づくことができなかった「私」も
    このはなしが一番好きかなぁ・・・

    表題作の隣の彼方の幼馴染にも是非幸せになっていただきたい・・・!
    個人的に今後が気になる作品が多かったです

全36件中 1 - 10件を表示

香魚子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×