T.V.eye (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 646
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088481371

感想・レビュー・書評

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  • ブラウン管テレビの電源を入れた瞬間のキーンって脳に直接響く高い音とか、映像を受信してない深夜に画面上にラスターが現れるところ、結構好きだった。虚ろな鏡が映し出す遠い悲劇にいちいち心を痛める必要はないけれど、冷蔵庫を適度に冷やしておかないと正気が腐って常軌を逸するのは確かだ。
    (秘密基地はもう燃やして)
    火葬される遺体だか機械だかわからないものをひどく残酷な気持ちで意識が灰になるまで眺める夜もある。
    (火曜を殺してしまったから炎はモノクローム)
    重要なのは、ラスターの後に何かが必ずはじまる目を持ってるってこと。

  • 楠本まき連読み、その2は三編の短編集。
    『T.V.eye』タイトルはIGGY(ストゥージズ)、ラストの「あとがき」的な部分読むと、ノイバウテンが作者の頭の中で鳴ってたようだが、BGMはデッド・ボーイズ『ヤンガー・ラウダー・アンド・スノッティアー』かな。
    『カメラ・オブスキュラ』のBGMはスージー&ザ・バンシーズ『香港庭園』はいかが。
    『Ch-11』のBGMはテレヴィジョン『マーキームーン』で。
    あくまで、個人的見解のセレクトです。
    三編、どの作品も方向性異なっていて、どれが好きとは言いがたい。ラストは『カメラ・オブスキュラ』が好き。世界観はパンキッシュで暴力的な『T.V.eye』が好き。『Ch-11 』はマスター、ドロレスのサブ・キャラがイイ味なのよ。

  • これ以上ない程、芸術的な作品。「カメラ・オブスキュラ」が一番好き。こちらの音楽ジャンルにはまったくの無知なので、BGMには坂本龍一の「ballet mecanique」で。

  • 「T.V.eye」巻末のコメンタリーで作者いわく、もともとはカノンと灰二の話だったらしい。なるほど。 KISS内で過去編としてやるならここまで暴力的にはできないだろうから、独立させて正解。

    「canera obscura」逃亡中の謎の女を匿った少年。イエスノーでポジティブなラストも選択可能。

    「Ch-11」双子のアイデンティティ確立もの。自分の死体というのは一種のドッペルゲンガー的なものか。

  • http://xx6655321xx.blog86.fc2.com/blog-entry-45.html
    「帰らざる夏」について調べててでてきた。
    「閉鎖空間における極限状態の少年達」が描きたくて、描いたのが「T・V・eye」という作品だった」

  • 双子の白髪少年が
    グリーナウェイ映画のソプラノ少年に見えてにこにこ。

  • 楠本まきの短編作品集。
    彼女の作品でも上位に食い込む好きな作品。

    タイトルは言わずもがなな、Iggyの曲名から、だろうなぁ。

  • 前衛文学が好きな方にオススメです。あるいはゴダールの映画が好きな方。
    三部の作品が収録されているのですが、閉鎖感、無機質、日常のやるせなさ、惰性、そんなものがどことなく非日常的な生活感なく描かれる登場人物(殺人を夢見る空箱のような部屋に住む少年や、同じ名の同じ顔の双子など・・・)
    たちから伝わってきます。しかし、その先に行こうとする前向きな意思のようなものも感じられる。比喩的に言えば(特に後の二編は)何らかの(TVに象徴されるような)「ハコ」に閉じ込められた人々(人生飲む意味性という箱、他者と自分の境界の曖昧さという箱…)の脱出までを独特の乾いた視点で描いているという感じです。最後になりましたが、言うまでもなく絵が素晴らしい。本当に素敵な一冊です。

  • 1話目(0話目じゃなく)以外は なんとなく希望があって好き。

    深読みしようと思えばいくらでもできそうな気がするし、
    表面的に軽く読む事も出来る。
    読み手の状態によって違うかな。

    退屈でもあり、意味深でもあり。

  • 楠本まきの漫画の一冊。

    短編を集めた1冊。

    T.V. eyeだけに、

    パンクです。

    パンクです。

    双子ナジの話がとても好き。

    大好きな一冊。

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著者プロフィール

16歳の時に『週刊マーガレット』でデビュー。その後、「KISSxxxx」(集英社)、「Kの葬列」(集英社)、「致死量ドーリス」(祥伝社)などの作品で熱狂的な人気を博した。2020年には最新作『赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いのだ』(集英社)を刊行。フランス、イタリア、アメリカ、韓国など、海外でも翻訳本が出版されている。イギリス在住。

「2021年 『線と言葉 楠本まきの仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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