ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2002年8月19日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088650791

感想・レビュー・書評

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  • これはね、願を賭けてたの。

    かなり前に1巻から9巻まで読んでたの。

    10巻を読む前に、やらなきゃいけないことが一つだけあって、それをやり遂げたら、最後の巻を読もうって思ってたの。

    それをやっと、やり遂げて、今日その10巻を読んだ。

    長かった。でも、読めてよかった。やり遂げることができて、良かった。

    私のやり遂げたことは、この世の中に、そして、自分自身に、さして影響を及ぼすことではないかもしれない。それでも、やり遂げることができてよかった。

    そんな心持の中読んだ最終巻。

    ほんとはね、怖かったの。はぐちゃんの選択が。わたしは、この小さな主人公の選ぶことに、失望と絶望をしたくなかったから、そうなってもいいように、自分のすべきことをきちんとしてから、読みたかったの。

    でも、読んでよかったと思える結末だった。

    「ありったけの幸せを、あなたに」

    この世には、恋愛とは別に、人の幸せを願えることがあるのだと、わたしも思っていたいです。

    でも、恋愛をしなくては、なかなかその状況へ持っていくことができにくい世の中の風潮です。

    わたしはとかく、生きる上での恋愛の優先順位が、1番ではありません。だから、人の幸せを願いながらも、それを恋愛という人間関係の伏線に張ることがひどく苦手です。

    そんなこと言ってる年じゃないでしょって、
    世間の代弁者の「私」が、常に突っ込みを入れます。

    だから、私は焦ります。自分で自分をせかしています。

    なんの、解決にもなりませんが、
    ありったけの幸せを、あなたに。
    この言葉を、送りたい人がいます。

    ありったけの幸せを、あなたに。

  • 美大生の青春と恋愛模様を瑞々しく描いた作品。言葉にできない淡い感情まで、絵の中で形にして感じ取らせてくれる力がある。
    竹本がはぐを見る目線ひとつでも、そこに込められた思いがしっかりと伝わってくる。
    人が恋に落ちる瞬間、いいね。

    「『一度はぐになってはぐの目で世界を見てみたい』どんな風に見えるんだろうってね 他人をそういう気持ちにさせるそういうのを才能っていうんだろうね」
    でも、期待されるからこそのプレッシャーや嫉妬もある。竹本が感じた焦りもそうで。こういう痛みを絵にするのも羽海野先生は上手いと思う。

    「はぐの目で見た月と オレの見る月は違うのだろうか 『まるで同じ』でなくてかまわない 空にぽっかり浮かんだこの月が はぐの目にもきいろくまるくどうかやさしく映っていればいい」
    この言葉が才能の話と対比になっていて好きだな。

    「森田さんがモテるのは『他人の言葉に惑わされないから』
    けれど彼女が出来ないのは『他人の言葉に全く耳をかさないから』
    まさに『美点と欠点は紙一重』」って話もよかった。

    「もうオレを見んのやめろ」は、ぼくも読みながら「真山のバカッ」って口に出してた。山田がやっぱ好きだな。

  • 『美点と欠点は紙一重』

    森田先輩がモテるのは

    「他人の言葉に惑わされないから」

    けれど彼女が出来ないのは

    「他人の言葉に全く耳をかさないから」

    ハチクロの登場人物のそれぞれの性格にも美点と欠点が紙一重なとこがある


    私たち皆にもありますね。

  • 全10巻再読
    大学卒業して社会にでようかというあたりの青春もの
    自分探しと恋愛で最後は謎の感動がおおむね全読者をおそうが
    この作品の本体は山田さんである
    謎の人物でなく構えているわけでもないのに
    作品の主題に対して捉えどころなし
    絶妙の立ち位置が再読に耐えてまこと趣き深い
    キャラクターが立つって偉大だ

  • 大学生の青春!それぞれの葛藤や成長が垣間見れてよかった、恋する男子達がかわいい!
    竹本くん、うちのお婿さんに来てー笑。こんな純情な大学生はいるのだろうか?と思いながらも、がんばれーって応援したくなる。
    ほんのひと時の時間、誰にでもあった若い頃、思い出って大切だなぁ。全部ひっくるめて思い出の宝箱のような話だった。

  • 自由過ぎる藝大生と
    掛け違うボタンのようなすれ違う指先のような恋の行方を
    辿るように 物語は始まる

    悩んで
    自分はどうするんだろう て落ち込んだり

    焦ったりしても
    前向きな答えは出なくて

    そういう時に一緒にいる人が
    なんて優しくて暖かいんだろう

    大好きな人たちと 好きな人が入り混じる

    そうなんだ
    そういうことじゃない
    分からない 教えてよ

    その距離感が 切なくて
    なんだか泣けてしまう

    私だけの道
    私だけの生き方

    迷いながら 毎日
    少しずつ作っていく
    目の前のことに 答えを出しながら
    それでもなお 迷いながら

    「好き」

    どうしようもなく
    抗いようもなく
    けれども それを分かったうえで

    どうやって触れればいいだろう
    扱い方なんて 誰もしない

    不器用なんだけど
    器用がきっと 良いことでもない

    「好き」

    でも離れたい

    でも一緒にいる時間が
    嬉しくて 泣きたくなってしまう

    私の好きと あなたの好きが重なる瞬間は
    きっとこないことが 分かってしまうから

    抗ってどうするの
    でも 抗わないで 生きている意味なんて
    あるの


    悲しみを帯びながら
    でもそれは なんて 幸福な日々

  • 5人の「大事なのに行き違う」恋愛模様が取り上げられがちだけど、才能ゆえに凡人とは全く違うものと孤独な戦いを続けていくはぐちゃんと、そんな彼女を見守るしかない者たちの苦悩と愛の形がとても重く…だけれど最後は切に温かく響く。ずっと心に残る作品。

  • 音楽学部と美術学部しかない大学に通っていたので、美大の、あの独特の空気感をすごく自然に描けていて、すごいと思う!

    登場人物すべてを抱きしめたくなるような、思い入れの深い作品です。

    10巻めに収録されている、ドラえもんの道具をテーマにした短編も泣けます!

    • 円軌道の外さん

      自分も大好きな作品です(^O^)

      自分は大学には
      行ってないんで、
      あの自由を謳歌する空気感に
      憧れたなぁ〜(笑)

      ...

      自分も大好きな作品です(^O^)

      自分は大学には
      行ってないんで、
      あの自由を謳歌する空気感に
      憧れたなぁ〜(笑)


      あと竹本くんや真山さんや忍くんが住んでた
      あの下宿アパートも、
      昔住んでた築50年の
      学生アパートに似てたので
      懐かしかったです(^O^)


      羽海野さんの作品は
      短編もすごく味があって
      きゅい〜んと胸を打ちますよね〜(≧∇≦)

      自分もあのドラえもんのやつ
      お気に入りです!!


      てか、まろんさんは
      学生時代から
      芸術家って感じやったんスね〜(^_^)


      2012/05/18
    • まろんさん
      ハチクロについては、円軌道の外さんが心にしみわたるような
      素敵なレビューを書かれてたので、はずかしいです(>_<)

      うんうん、みんなが住ん...
      ハチクロについては、円軌道の外さんが心にしみわたるような
      素敵なレビューを書かれてたので、はずかしいです(>_<)

      うんうん、みんなが住んでたあのアパート、
      森田さんが大量にコロッケとか買ってくると
      アパート中の窓からみんなが顔出して
      わらわら集まってきたり、
      外にお手製のシャワーを作ったり、
      青春!って感じでしたよね!

      ハチクロのラストって、竹本くんが
      はぐちゃんが全力疾走して届けてくれた
      はちみつとクローバー入りの特大サンドイッチを
      泣きながらほおばるシーンだったでしょう?

      で、あのドラえもんがテーマの短編でも
      使われたひみつ道具が、パンだったので
      ハチクロ最終巻を読んでしばらくは
      食パンを見ただけで、感動がこみあげて、
      ほろっとしてました。
      スーパーのパン売り場で、変な人と思われていなかったか、
      今思うと超不安です(笑)
      2012/05/18
  • 初読。美大に通う若者たちの日常と2つの三角関係を描く。
    はぐみが18に見えない…そして横顔が美しい。森田先輩もいいキャラしてるなあ。
    キャラが常識人であるほどそのキャラはこの物語に対して読者と同じ目線に近づいていく、とみていいのだろうか。
    羽海野チカ的心情描写に毎度吸い込まれる。見えている風景と自分の心情を結びつける業は見事。

    3月のライオン14巻を読み、愈々この作品を読むときが来たかと思った人間の稚拙な感想です。次巻も楽しみ。

    • 大野弘紀さん
      全巻読了した者です。

      とても素敵な物語です。

      楽しんで。
      全巻読了した者です。

      とても素敵な物語です。

      楽しんで。
      2019/06/19
  • きっと一生、一番大好きな少女漫画です。

    "登場人物、全員片思い!”
    のキャッチコピーがほんとうにぴったりなくらい
    四方八方にみんなの気持ちがとびかっています。

    恋をしたことがあるひとの今まで言葉に出来なかった気持ち、
    全てがここに詰まっているといっても過言ではありません。

    恋愛要素だけでなく
    可愛い服や小物や、おいしそうなごはんもいっぱいでてきます。


    人気作品だから、定番だからと敬遠している人がいたら
    人生損してますよ!
    (私がそうでしたから。笑)

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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