ハチミツとクローバー 3 (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2003年1月17日発売)
3.67
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088651071

感想・レビュー・書評

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  • 『この観覧車という乗り物は
    好きな人と一緒にゆっくりと
    空を横切ってゆくためにあるのだ

    多分

    「少しこわいね」

    なんて言いながら・・・』


    恋する竹本のココロのポエムは
    なかなか良い!

  • 竹本、森田、はぐの間に吹き荒れる春の嵐。それぞれの心をかき乱して季節は進んでいく。
    「そうやって少しずつ一緒に積み上げてきた信頼とかさ そーゆー一番大事なモノまで『戦うのがイヤだから』とか言って全部放り出そうとしてないか?」

    ずっと傍で見てきた真山だからこそ響く言葉だよね。ブローチのことは切なかったな。
    「オレばっかり恋してたんだな」と思った背中も見ててつらかった。竹本は自分の気持ちと向き合う前に、周りのことに気づいてしまったのがね…。伝えるべきは森田の気持ちじゃなく、自分の気持ちなのにね。

    マフラーのシーンは静かであたたかいのに、嵐のような一コマでもあって印象的。
    あと「いつの日かボクらも もっと大人になって まるで子供時代なんてなかった様に思われる そんな日が来るのだ」という言葉が好き。初めてハチクロを読んで10年以上経つわけで、振り返る時はいつでもあっという間だ。

  • 最初に読んだ時はこんな切ない話だとは思ってなかったなぁ。
    本当に恋愛音痴である。

  • わざと用を作って会えそうな場所を何度も通って
    少しでも姿が見たくて、声がきけたらと思って
    というあゆの片思い、気持ちがよくわかるし
    読んでいてひりひりする。
    社会人だからと奢ってくれる真山はさらっと恰好良いが
    みんなのように普通に「大好き!」と言えないあゆ。
    問題のあるフォローの仕方ではあるものの、
    察してその場を有耶無耶にしてくれる森田さん。
    はぐちゃんがはぐノートに欲しいと落書きしていた
    小鳥のブローチを木片で彫って、
    こっそりマグカップに入れておいてくれるところが心憎い。
    月面を思わせる白く眩しい日差しに照らされた銀色の世界。
    光景が浮かんでくる。

    山田さんの商店街のエピソードは、
    若者たちが頑張っていてどれも好きだ。
    サカモト薬局のわんちゃんイソジンちゃんも
    おばあちゃんを励ましていて可愛過ぎる。
    バルーンアート制作に借り出されている竹本くんも
    相変わらずお人好しだ。
    クリスマスが、お前は今幸せか、居場所はあるのか
    と問い詰められているような気がして
    苦手だった竹本くんが、今年は寂しいと一度も思わなくて済んだ。
    ケーキとチキンがあるからとみんなを呼んでくれるような仲間がいるのは本当に素敵。
    みんなで出掛けられるのも微笑ましいし、
    竹本くんに対しては真山が、花本先生が言っていたような印象の
    立ち回りのうまい先輩という感じ。
    しっかりして見えて船酔いしてしまったり、
    それをフォローするあゆも”カッコワルイ”と言い、
    みんながぐるぐる悩んでいる一生懸命さがたまらない。

    観覧車は好きな人と一緒にゆっくりと空を横切ってゆくためにある
    というのがとても素敵な言葉だ。
    あの森田さんも、錯乱したり謝ったりしてしまうほど
    不安というのもなんだか良い。
    何年か前まではお互いに顔も知らなかったのに
    当り前みたいに一緒に過ごしている。

    花本先生がモンゴルから帰ってくる。
    徳大寺先生がモンゴル相撲の衣装を資料として欲しくて
    ”正規の手続きをふんで入手”するところが好きだ。
    徳大寺先生といると花本先生が子供っぽく見えて
    先生も昔はここの学生だったんだなと気がつく竹本くんたち。
    不安になって手を繋ごうとするところが可愛いけれど
    大人になって、子供たちからまるで大人は最初からずっと大人だったみたいに思われる時って
    確かにくるものだ。

    森田さんがはぐちゃんの買い物につきあって、
    2人でお茶までするなんてちょっと意外。
    修ちゃんの方がいい、というはぐちゃんに、何も言わないであげる先生はやっぱり大人なのだ。

    お花見のエピソードで、商店街の三代目たちが
    真山をあんなやつどこがいいんだ、だけではなくて
    あゆにこんなに思われているのに見る目なさすぎ、
    とまで思う上、一平さんが「オレは買うねヤツの心意気」
    からのみんなで真山に乾杯しだすところが最高に楽しい。
    森田さんが小さい頃動物をかわいがりすぎてノイローゼにさせていたのが発覚するのも笑ってしまう。
    動物の方はたまったものではないと思うが。
    しばらく会えないと寂しくて、会えたら嬉しくて構いすぎて、
    元気がないのを勝手に寒いからだと思ってマフラーをあげて、
    良い人ではあるのだ。
    自分でもはぐちゃんへの気持ちをちゃんと自覚していないみたいでそこも可愛いが
    はぐちゃんの立場だとちょっと複雑な気持ちになってしまいそう。

    桜は好きだけれど、散るとホッとするというのが非常に共感する。
    散ってしまえば、散ってしまうな、という切なさから解放される。

    花本先生から、森田さんと買い物に行った時のはぐちゃんの話を聞いて、
    「好きだからに決まってるじゃないか」という先生も、
    自分の前で自由にしてくれているのが嬉しかったという竹本くんもとても切ない。
    森田さんが仕事でロスへ行くとかオルから聞いて
    竹本くんにしては珍しく車に無理矢理乗りこんで
    空港で飛び立つ飛行機に「バカヤロウ」と叫ぶのが青春だ。
    森田さんが友達名簿に知能犯の真山、柴犬の竹本
    と書いているのも面白いし、それを見た兄が
    すぐこのひとが竹本くんだと確信を持つ辺りも
    兄弟故なのだろう。
    「帰って来て欲しい?帰って来て欲しくない?」と訊いてくるカオルが食えない大人という感じだ。

    番外編のプックンのエピソードも好きだし、
    本編でもちゃんと被られているのが面白い。
    けれど、ちゃんとティーコゼーとして使ってあげて欲しい。笑

  • それぞれの気持ちに気づき始めた巻。
    はぐに思わずキスして焦る森田さん可愛い。

  • 正直なところ、やはりこの青すぎる漫画は心から好きにはなれないのだけれど、ところどころグッとくる台詞がある

    何かとても不思議だ
    何年か前まではボクら
    お互いに顔も知らなかったのに
    今はこうやって
    まるで当たり前みたいに一緒に過ごして
    夕暮れの空を見上げて「きれいね」なんて言っている

    にしても、いとこの娘の名前を泣きながら旅先で連呼するおっさんは絶対いないだろ。。。

  • あなたのことが好き
    本当はそれは 胸が熱くなるような
    幸福なことなのだけれど

    好きという感情と それを向けられた人によって
    いくらでも 痛みにも悲しみにもなるなんて

    知らなかった

    はっきりとしていく感情に振り回されるように
    重なったものが 落ち着かない

    近づいた分だけ どうしていいか分からなくて
    進むたびに 遠ざかってしまう なんでかな

    ぼくの持っている好き
    そしてきみの持っている好き

    同じ好きでも 受け取れるのは
    一つ

    戦いなんて 思いたくない
    勝負なんて したくない

    君は大切な友達
    それでも

    それでも
    ぼくはただ見ているだけなんて 嫌なんだ

    近づいて 遠ざかっていく距離感を
    黙ってみていられるほど この感情は甘くなかった

    少しずつ開いて 手に入れてきた
    この確かな距離を 一緒に失ってしまうのは

    どうしてこんなに苦しい

    ばかだな
    どうしてもっと早く

    気づかなかったんだろう
    気づいて あげられなかったんだろう

    そんなの
    好きだからに決まっているじゃないか

  • バカだなそんなの 好きだからにきまってるじゃないか

  • 一緒にいると胸がつまって ものを飲み込むのも苦しいような…… そんなキモチを恋というのなら ―――ほんとに オレばっかり恋してたんだな

  • 竹本の苦しい恋ライフがずっと続く。
    回想シーンがシリアスで物悲しい。
    でも、その中に「わかる」という部分がいくつも存在していて、
    話の中に何人もの自分を見つける。

    厄介な三角関係多いー。
    不毛というにはきれいすぎる三角形。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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