- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088653525
感想・レビュー・書評
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前巻までのほわわーんとした雰囲気から一変、ちょっと苦しいなぁ。
真山くんだけよ、ちょっとホッとしたところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ついに森田兄弟の過去とこれまでの行動の謎が明かされる。
「コイツを呪うのも恨むのもオレの役目だ ゆずんねーよ? だからお前らは前へ進め」
父親の言葉をもってしても、止められなかった復讐。持たざる者の思い。それぞれが懸命に生きているだけなのに、どうしてすれ違ってしまうのか。
はぐの身に起きた事故に言葉を失う。
持つ者と持たざる者の話は、野宮と山田の会話にもあらわれてるよね。
「山田さん 君は残りなさい 残んなきゃダメだ 友だちなんだろ?」
背中を押す一言が素敵だった。才能とか世界が違うとかじゃなく、友だちだからって理由でもう充分なんだよね。
「救けたいとか言って ホントはただオレが彼女から離れたくないだけ」
「今 つらいのは彼女 苦しんでるのは彼女」
「間違えない 間違いたくない そのくらいは男でいたい」
自分の不安を消すために相手を助けてはいけない。それは自分のためでしかないから。間違わない、成長した竹本は見ていて気持ちがいい。
「側にいる人間が揺らいだら 溺れてる人間が掴まるものが無くなってしまうだろ?」
花本先生の覚悟。そして、感情的な自己犠牲では解決させないという信念を感じた。自分を切り捨てて誰かを救っても、それは本当の解決にはならない。
ラストシーン、溺れてる者同士の再会。なんて過酷な運命なんだろう。
最後にこの表紙。3月のライオンでまさかの伏線回収とは! -
怒涛の展開である。まさかこの漫画がこんな悲しい展開になるなんて思わなかった。思えば、一巻からは大きく様変わりしている。妙にテンションの高いキャラクターたちのドタバタ恋愛劇から、「自分はどう生きるべきなのか?」と、キャラ自身の悩みを通して読み手に生きる意味を考えさせる話に昇華されている。素直に、見事だと思う。
相手に側にいることだけを求める森田と、
相手が好きなことを支えたい先生と、
相手に自分が思うだけ尽くしてあげたい竹本。
誰も間違っていない。誰も悪くない。
みんなそれぞれに、一生懸命生きてるだけなのだ。 -
「3月のライオン」新刊でハチクロにまさかの再会。しかもそれが、ああみんなうまくいってるんだと思わせてくれるもので、じーんと嬉しかった。それにしてもハチクロの連載中からライオンの方の構想があたためられていて、この9巻の表紙絵が伏線だったとは。思わず全10巻をまた読み返してしまった。
そう思って読むと、表紙絵以外にもちらっと将棋が出てくるし、番外篇に至っては花本先生と真山が徹夜で対局したりしてて、いやあすっかり忘れてました。記憶力と勘のいい人はライオンの連載開始時点でわかっていたんだろうな。
しかしまあ、ハチクロは何度読み返しても最後に泣かされる。途中の展開やギャグ部分のなかには、ついていけないなあと思うところも結構あるのに、そんなことみんなどっかへとんでいって、気持ちを持って行かれてしまう。この漫画には、何か過剰なような、それでいて何か足りないような、不思議なアンバランスさがあると思うのだ。たくさんの人がハチクロについてあれこれ語っているけど、本当に語りたくなる作品だと思う。
描かれる恋愛はどれも片想いで、そこに切なく共感する人は多いだろう。自分も、登場人物たちと同じような年齢の頃読んでいたら、そこに一番目が向いたに違いない。しかし、オバサンも板についてきた年になると(はっ!それってもうバーサン?)、一番しみてくるのは一回きりの若さの輝きだ。
学生時代、そこに行けば誰かしら仲間がいる場所があって、まあたいていはどうでもいいことをしてウダウダしているのだが、時には熱くなったりすることもあって、そして心のどこかでは、これはいずれ失われてしまうのだ、これはごく限られた特別な時間なのだとわかっている、そんな切なさが感じられて胸がいっぱいになってしまう。
自分にとってそうした時代はずいぶん昔で、はぐちゃんたちのように才能があるわけでなし、ビンボーで全然ステキじゃなかったけど、共有できるものはあると思うのだ。ゆるやかな仲間の集まりのなかで、カップルができたり、片思いやら三角関係やらもいろいろあり、当時は当然それが大きく心を占めていたわけだけど、今しみじみと思い返されるのは、そうしてドタバタとすごした「時間」のかけがえのなさだ。ハチクロは私の記憶にきれいな色をつけてくれた。やっぱり漫画ってすごい。 -
“金儲けに奔走してきた森田兄弟。その理由と彼らの過去が明らかになる。そして、はぐみの身に起こる衝撃の出来事とは一体…!?終わりの始まりの幕が上がる最高潮☆第9巻!!”―裏表紙より。
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はぐちゃんの怪我。そして終わりの始まり。既にみんなが別々の方向を向きつつあるのがちょっと寂しい。
感想記事→http://utsuyama27.com/hachikuro9/