ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2006年9月8日発売)
3.99
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088653587

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めたら最後まで読むっきゃないよね!
    はっ!!!!
    もしかしてハチミツとクローバーってタイトル、この最終回のためだったの!?
    今まで数えきれず読んできて今更気付くとは…我ながらトホホだなぁ。
    でも大好き。

  • 「うまく行かなかった恋に 意味はあるのかって 消えて行ってしまうものは 無かったものと同じなのかなって…」
    竹本のこの疑問に答えが出た時のあのシーン。タイトルに加えて、彼が過ごしてきた5年間すべての伏線がここで回収されたようで鳥肌が立った。最後まで読んできてよかったと心から幸せになれたラストシーンだった。

    「今度はお前さんがあの子を救ってやる番だ それは自分を生かすのと同じなんだよ」
    丹下先生のこの言葉のあたたかさがしみる。
    はぐが考えるずっと前から、花本先生はすでにたくさんのものを与えてもらっていた。そして、竹本が言っていたように、人生や恩は返したりあげたりするものではないんだよね。与えられるのではなく、自分で見つけて選んだものだからこそ意味がある。

    「治らなくても何も残せなかったとしてもいいの わかったの 描きたいの これ以外の人生は 私にはないの」
    はぐのこの言葉の真っ直ぐな強さ、透明さが好き。こんなに絶望的な状況でも、自分で選んだ道を行くということは幸せなものなんだと教えてくれる。

    森田兄弟にも光が差した決着になってほっとした。はぐの「お兄さん見つかったら つかまえてちゃんと言うんだよ?」は「生きててくれればいい 一緒にいられればいい オレはもうそれだけでいい」にかかってるんだよね。ここまで見通すはぐの目はすごい。それだけ森田を見てきたんだね。

    山田と野宮のシーンも心があたたかくなった。
    「一緒にいよう ケンカしてもいいじゃない ちゃんと話をしよう?全部はそれからだ」
    手をつないだ二人が愛らしい。
    みんな自分のやりたいことを見つけ、道を選んだのがよかった。それが別れになったとしても。
    それぞれの道で、ペダルを踏んでいく。
    右左右左。ただ果てしなく。光に向かって。

  • 季節のなかの自分の記憶を呼び覚ます。

    桜並木を歩き、心もとない気持ちと新しい生活に期待をしながらくぐった校門、
    下駄で痛くなった足をひきずりながら聞いた、夏祭りの夜の祭囃子の音。
    金木犀の香りと、学園祭まえの夜の大学からもれる教室の灯り、
    マフラーに顔をうずめながら自転車で通った通学路、

    ああ自分にもこんな時があったような気がすると登場人物にシンクロし、せつなくなったりする。そんな描写が羽海野さんの漫画はピカイチだと思う。

  • 最後に向けてうなぎ上りに好きになっていく漫画は初めてです。ラストで鳥肌が立ちました。ここで「ハチミツとクローバー」が出てくるのか!なんという伏線。羽海野先生は、このラストをイメージして描き始めたんですね。

    「彼女の弱さが、全てが、僕に問いかけ続けた。あなたはだぁれ?って」
    「オレはずっと考えてたんだ うまくいかなかった恋に意味はあるのかって 消えていってしまうものは無かったものと同じなのかって 今なら分かる 意味はある あったんだよここに」

    恋愛や青春という題材を通して生きる意味を問う、素晴らしい漫画です。間を空けてから、また読みたいと思う。

  • ついに、ついに終わっちゃいました、ハチクロ。
    最後まで、独特のコミックでした。
    詩集か画集を見ているかのようなコミックだった。

    ラストのありかたは、終わりが始まり、と言っていいかのような…ここからまたみんな歩き出すんだなと思えた。

    はぐちゃんが選んだこたえは”生き方”としては想像内だったのだけれど、山田さんと同じく、私も「圏外」だとばかりおもていたこたえを選び抜いたので(笑)、かなりびっくりして。
    最後のページまで戸惑いっぱなしで読み終わってしまいました…。

    恋の純粋さ、切なさ、痛々しさ、しあわせがたくさんつまった作品でした。
    羽海野先生、お疲れ様でした。

  • はぐちゃん、あゆちゃん、真山、竹本、森田…みんながそれぞれに、居場所や、向かうべき道を探して前に進んでいけて良かったと思う。私は体は小さくても創作にかける器の大きいはぐちゃんと、派手さは無いけどコツコツ積み上げていく強さを持った竹本君が好きでした。最後のシーン泣けました。うまくいかなかった恋にも意味はある。いや、むしろ、うまくいかなかった恋の方が意味があったりするのかもしれないですね。大切な宝をもらえた気持ちになりました。
    『 3月のライオン』の14巻がきっかけでこちらのハチクロを読み始めたのですが、なるほど、こうなって、ああなるのか…と、順序が逆でしたがあゆちゃんも真山君も幸せそうで良かったです。

  • 読むまでは、はぐみちゃんと竹本君中心の話かと思い込んでいたけど、読んでみたら全く違っていて、どんな本も最後まで読まないとわからないものだなと改めて思った一冊。恋愛と人間の再生を描いた話。胸キュンでした。読んでよかった!(総評)

  • 絵が苦手だったので今まで読むのを躊躇っていましたが、私自身が美大出身なこともあって「学生時代はハチクロみたいだった?」と聞かれことがしばしば。
    「読んでない」と答えるのも疲れてきたので頑張って読みました。

    正直な感想、とても面白かったです。
    いや、悲しいです。悲しいですけど、話がよく練られていて面白かったです。

    私が大学生の頃に好きだった人が真山そっくりで、私は山田さんに似ていると言われ続け(あそこまで美人ではないが)とても胸が痛くなりました。
    学生のころに読んでいたら、絶対に真山がタイプなんだろうけど、少し大人になった今読むと、一番のタイプは竹本くんの新しいお父さんかな。
    結婚するなら、あれくらいまっすぐで男らしくて明るい人がいいです。
    ご飯とかおいしいおいしいって言いながら食べてくれそうですし(笑)

    先生もかっこいいです。
    森田は私には難しすぎます。
    竹本くんはこれからいい男になるだろう。

    個人的には、全巻読んでも絵が好きになれなかったり、読みづらいコマ割りや文だったので★は4つ。
    でも映画化・アニメ化される理由が理解できるくらいには面白いと思います。
    竹本くんとはぐちゃんがカップルになるであろう王道にはならず、真山はなんだかんだでいい感じになりやがって。
    結局は世の中金なんだよって言ってくる感じがプンプンとする漫画でもあり。
    いろいろとベタな少女漫画とは違う展開が楽しめると思います。


    んで…竹本くんが主人公ってことでいいんですよね?笑

  • ずっと、ひとりで絵を描いていたはぐちゃんが友情を知って、恋を知って、挫折を知って、大きく成長した最終巻。

    彼女が一緒に生きることを選んだのが先生だったことには驚きましたが、真山の台詞でふに落ちました。

    花本先生は、はぐちゃんの親でも友達でもなく、ましてや恋人でもない。ただただ温かく見守り、支える唯一無二のパートナー。彼にとってのはぐちゃんは、彼女そのものが四つ葉のクローバーのように、幸せを運んでくれる存在なのだと感じました。

    森田さんは、はぐちゃんに勝るとも劣らない才能の持ち主で、彼もまた多くの人びとに求められる作品をこれからも創りだしていく気がします。
    お互いを高め合う仲は、第三者の入る隙が無い。これが二人にとっての最高の結末だったのかもしれません。

    そして、この物語のもう1人の主人公である竹本くん。はぐちゃんへの恋が、彼にもたらしたものはきっと、将来の夢だけではないのでしょう。
    ラスト、自分は何者なのか、という考えに答えを見つける事が出来たようで、本当に良かったです。

    楽しいだけじゃない、辛いだけじゃないキャンパスライフは、読んでいる私にもきっと、生きる強さを与えてくれました。

    片想いを叶える事が出来なかったすべての人に。

    2014/04/07

  • ハチミツとクローバーという作品も、今巻で最終巻。
    賛否両論のラストではなかったのかな~とは思われるが、私はこのラスト、素敵なものだったのではないかと思える。

    はぐみを取り巻く、竹中君、森田、先生の関係性に決着がつく。
    私的にははぐみとくっついたのが彼だった事は、納得のいくものだったのではないかな?と思う。

    そして最終話、就職の為東京を後にする竹中君とはぐみの別れのシーン。
    自転車に2人乗りをする夜のシーンと、ホームでの別れの場面があるが、二つともとても丁寧に描かれていて、あぁ、この物語は竹中君とはぐみの物語だったと思える。

    竹中君がはぐみに恋をして、その恋に一つの結末が訪れる。
    とてもよい作品でした。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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