舞台は昭和初期。ロマッチック・コメディの完結編。
第十話
突然いなくなった三五がいつか自分に会いにきてくれることを期待して黒マントの怪盗を追いかけていたつもりが田舎からでてきたじいさまと遭遇して都一が先に三五を見つけるの巻。
ぐるぐる思い悩むイワだけど、まだ恋の自覚はなくて、時計を動かしたいという動機で三五を探しにいくことに。じいさまの時計屋にいけ、には笑ったw
第十一話
三五に会いにいく決意をしたものの、都一に居場所を教えてもらえず、喜久ばあさんと一緒に鎌倉まで三五の祖母の家に行くイワだったけど、家にいったら偶然都一と三五に出くわして隠れているところが見つかって、祖母に三五をいじめるなといっているところに三五が現れて木の下で眠ってしまった三五にキスをしてしまったの巻。
都一のドSっぷりには惚れ惚れするね。これでイワが好きだったとしたらどんなやなやつなんだよ…それにしても三五もなんで一人で聞きにいこうとしたんだろうか。心配かけまいと思ったのなら、もっとイワが来たことに喜んでも良さそうなのに。イワが三五にほっぺチューも意外だった。木から落ちたのはお約束だとして。イワの自覚がきた。話が一気に進んだ感がある。
第十二話
木から落ちたイワが大けがしたと間違って伝わったためタワ子とじいさまが病院に来るがイワはぴんぴんしていて、三五は寝込んでいるところに祖母が袖に隠していた時計は父親が婚約指輪代わりに母親に贈ったとイワにしては珍しく誘導尋問で知りつつ、何か感じたじいさまに結婚を反対されつつ時計を取り戻して時計に隠された宝を見つけたの巻。
秘宝はいただいた!は三五らしい物言いで、じいさまに宣戦布告といったところか。三五もまさかイワがほっぺちゅーしてくるとは思わなかって動揺しているのが微笑ましい。じいさまもタワ子とイワの心配をしているからこそ、反対しているわけで...。でも長い目でみたらやっぱりイワは寂しい思いをしそうだな。
第十三話
入院することになった三五だけれど、偶然タワ子のダンナが同じ病院に入院していて、退屈しのぎにどちらの想い人が素敵な贈り物を持ってくるかの勝負をすることになって、雪のリクエストにアイスで応えタワ子に負けるイワの巻。
雪の香水は素敵だった。でもちくたくぼんぼんなんだから、時間についてのお題がよかったなあと思ったり。イワが食べ物を持ってくるのはだいたい予想がついただろうし。三五は愛されているなあ。その想いにあぐらをかいているみたいでなんだかもやもやするけど。
第十四話
お隣のゆうほう先生が映写機を貸してくれて、三五のために面白いものをとろうとして都一が監督をしだして、操の想いは都一に伝わらないものの、都一は自分の夢を自覚するの巻。
都一は何で斜に構えた感じなんだろうと思っていたら、軽々しく口に出したくないとの想いからだったらしい。必死の思いで口にしていたのかもなあ、とちょっとは操のことを認めたんだろうか。まあ操もうざい女だがw、健気ではあるな。
第十五話
入院が長引いている三五の店の手伝いに朔という少年が来て、イワが店番中に隕石が落ちてきて、それを見に病院を三五が抜け出してきて、屋根の上で会話して、うわあああん最終回の巻。
正直もう終わるの?もっと二人を見たい!て思わされた。三五は終始死の陰がついて回っていて、彼がいう言葉がすべて意味深に聞こえる。一番最後のページなんて、三五が亡くなっていてもあんまり違和感がないくらいだ。三五がイワに魅かれる理由は、二巻の「三五は動かせる」が根底にありそうだけれど、逆がいまいちよくわからない。イワにとって三五と一緒に月が見たかった、そう感じるようになった根本的な原因がなんだったのか。恋愛することによって変わっていくのが怖いといっていたイワが少しずつ変化を受け入れていったその理由もじっくりと知りたかった。というかもっとらぶらぶしているところが見たかった。でも何でも腹八分目がいいのだろう。あったかい気持ちになれる話だった。