HUNTER X HUNTER30 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.37
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本棚登録 : 3054
感想 : 205
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088704500

作品紹介・あらすじ

失われた王の記憶を巡り、進められる王とプフの勝負。王は“円”に反応したウェルフィンの下へ。そして追い詰められたウェルフィンの一言が、王の記憶を呼び覚ます。一方パームが語る、王に使った爆弾の正体とは!?

完全オリジナルストーリーの劇場版の制作が決定。
バンダイナムコからPSP「HUNTER×HUNTER ワンダーアドベンチャー」が2012年秋発売予定。
3月19日発売の少年ジャンプに掲載されたNo.340話において、次号から休載することが発表された。

感想・レビュー・書評

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  • 「ハンター×ハンター キメラアント編」は「人が蟻を倒す物語」ではなく「蟻が人になる物語」だ。蟻、を悪だとか非人間、と言い換えてもいいかもしれない。
    冨樫作品における敵役には、一般的な「絶対悪」からスタートして、最終的には「人間」として生まれなおす、という運命を背負っているという共通点がある。
    どの作品においても、「善と悪が明確な区別なくたゆたっている」という状況が、非情なまでに徹底している。
    妖怪や蟻の王として生まれざるをえなかった「異質なものたち」が、善悪の明確な区別のない世界で、ただ己の価値観によってのみ懸命に生きていく。そして彼らはやがて敗れる。だがそれは「悪」だから敗れたのではなく、相手が「善」だったから敗れたのでもない。彼らは「人間の世界」に敗れるのである。
    時に美しく、時に醜く、根拠のない善悪に支配された、不平等な世界。異質でなく毒気もない凡人が大多数を占める世界。そのような世界に「異質なものたち」はいずれ敗れ去るしかないのだ。無知で、愚昧で、野蛮な大衆が最も強く「正しい」のだ。冨樫作品で一貫して描かれているのは、まさしくそのようなドラマである。

    • ogaさん
      フォローありがとうございます!
      冨樫義博が好きすぎて、大衆の正しさに傷ついたこともありましたが…、こんなに人のレビューをおもしろいと思ったの...
      フォローありがとうございます!
      冨樫義博が好きすぎて、大衆の正しさに傷ついたこともありましたが…、こんなに人のレビューをおもしろいと思ったのは久々です。これからも楽しみにしています。
      2012/06/16
    • ikunosuke33さん
      同じくハンタファンですが、あんまりレビューが素敵なのでおもわず、コメントしました。続きが楽しみですね。
      同じくハンタファンですが、あんまりレビューが素敵なのでおもわず、コメントしました。続きが楽しみですね。
      2012/07/16
  • 少年漫画と呼ぶには内容が深すぎた。いくら能力が強くても、科学の力には勝てなかったメルエム。そんなメルエムの最期が泣けた……

  • キメラアント編完結!メルエムとコムギのシーンはどうしようもなく泣いてしまう。蟻の王に生まれ、圧倒的な力を持ちながらも己の存在意義に疑問を持ち続けてきたメルエム。彼が見つけた“生まれた理由”が、とてもささやかで個人的なものだったというのが感慨深い。ハンターたちは結果として世界を救ったけど、みんな最後は個人的な誇りや価値観で戦っていたところにも通じるよね。

    種としては人と相容れず、人の覚悟と悪意という両面性によって残酷に排除されたものの、個としては幸せを築けたというのは希望だったように感じる。コムギは目が見えなくても大切なものを見逃さなかった。メルエムは目は見えていたけど、彼女に出会ったことで目が明いた。これを読んでいるぼくの目は明いているのだろうか。この瞬間のために生まれてきたのだと思えるほどの光を見てみたい。

    キメラアントたちのその後もほのぼのとしてよかった。レイナが帰郷し、変わり果てた姿でも理解して迎えてくれるあたたかさ。立ち去ろうとしたブロヴーダを引き留めるシーンも素敵だったね。コルトともいつか再会してほしいな。みんな、死ぬまで死ぬなよと言葉を贈りたい。

    キメラアントとの戦いという大事件が終わったかと思えば、ゴンは瀕死のままで、ハンター協会は会長選挙で大荒れ。副会長のパリストンが相当の食わせ者な予感。ジンの機転で選挙は上手くいくのだろうか。

  • ヒ、ヒソカさまぁーーー!!

    ちらっとしか出てこないけど相変わらず素敵☆

    コムギとメルエムの軍儀に泣いた。

  • 「余には過ぎた者達だ…」

    相変わらず面白い。ひとまずキメラアント編完結ということで。

    蟻編序盤の戦力差はなかなかの絶望感でしたね。これ、今更ヒソカや旅団とか他のキャラ出てきてもこれ以上の念能力者同士での戦闘シーンは無いのでは…とか余計な心配したりしてました。この作品の前で“誰が最強”とか安い響きなのでいらぬ心配ですが。
    終盤のゴンは凄く驚いたけど、ブレなさすぎて今後も扱いが難しそうですね、主人公なのに(笑)。
    最期の締め括り方も見事でした。確かにピトーもコムギも最終的に可愛くなり過ぎて最初と描写が違うじゃねぇか!となるのも解りますが、より成長して感情豊かになった結果と解釈したいです。まぁ本人が本気でタッチを忘れるとおっしゃっているのでフォローしたところでアレなんですが。

    ともあれタッチの表現域が豊かで魅入る漫画だなぁと。ネテロ会長とか老人を描かせると他の作者との画力の差が露骨に出ますね。最近は同じ顔しか描けない方が多くて残念です。イケメン、美少女ばっか、お腹いっぱいです。

    現在、富樫先生は休載中ですが、ゆっくり休んで下さい。あれだけのストーリー展開とプロットを組んでおいて、物語を破綻させない作業はとんでもない時間と労力を要すると思います。ジャンプで最新章新大陸編に突入して休載発表があったのは、編集担当者が富樫先生の作品を尊重して、且つ逃がさない様に図ったのでしょう(笑)。楽しみに待ってますぜ。や、まず31、32巻や!

  • キメラアント編、完結。傑作。会長選開始。

  • 気になってたキメラアント編を読破。
    メルエムの純粋でぶれない性格にこころが洗われた。

  • キメラアント完結。本当に素晴らしい回でした。他の巻は売ってしまったけれど、30巻だけは大切にもっています。
    王とコムギの二人の関係性に注目です。

  • ハンターとなったゴンの冒険 30巻。

    キメラアント後始末。
    長かったキメラアント編もやっと終わり。
    30巻のうちで、10巻以上も費やしている。
    1エピソードとしては、随分な長さだ。
    大勢死んだし、取り返しのつかないことにもなった。
    話の展開を考えると、グリードアイランド編で、始まりの島からの手がかりが一旦途切れて、では一度ハンターのお仕事をやって成長を見せよう、という構成にとれなくもないのだが、その結果が会長が死ぬぐらいの大仕事で、ゴンは完治の怪しい半死半生。
    書きさえすれば、冨樫さんは面白い話を作ってくれるとは思うのだが、私が漫画を読めるあいだに、本当に着地してくれるのか。
    それが気がかりになってくるのですよ。

    キメラアント編も、
    ハンター×ハンターの1エピソードとしては正直行き過ぎだろうと思うのだけど、ああ、やはり、面白かったのですよ。
    あんな生まれのキメラアントが、あのような形で進化して、圧倒的に強大な敵になって、風呂敷を広げすぎたのでないかと思ったら、予想外に叙情的に畳む。
    なかなかできることでは無いです。とは思うのですが、やはり不安なのです。
    ちゃんとした結末が、見たいと思うと。

  •  なんというか、蟻の話のラストが衝撃的過ぎて、うまく言葉になりません。
     ……そういうオチなんだ……と。

     何の疑問も持たず、あんなにたくさんの人を虐殺して、あんなに大勢の人を殺したのに。
     最後の最後が、そんなオチだとは思わなかった……。

     なななななななんで、あたし、これ読んで泣きそうになってるのー!!
     びっくりした。

     もうすぐ自分が死ぬかもしれないってプフの能力もユピーの能力も同時に手に入れた最強の王様が最後の最後に向かった先は、たった一人の少女の下で。
     たった一人の少女もまた、その王様と共に殉ずることを厭わなくて……

     何で、何で、最後だけそんなに簡単に綺麗に終わってしまったのだろうか……。
     結局一番ひどいやつだったのは誰だったんだろうね……。

     蟻は、人間の能力を手に入れたことで、殺戮能力と知能を得て。
     知能を得た蟻は、すべてをわが手中に収めようとした。
     自分の分だけではなく、他人の分まで。

     でもそんな大それたことをしようと考えたのは、人間の知能を手に入れたから。
     そして、その人間の知能を使って、人間を選別にかけて、より強い能力を手に入れようとした。

     けれど、すべての能力を手に入れ、最強の蟻となった王が向かった先は、たった一人の少女の下で。
     自分が先が長くないと知ったら、その少女の下で死ぬことを選んだ。

     なんでかなー、なんでかなー。
     蟻が人間を食して最初に手に入れたのは、人間のもっとも醜い部分で。
     その蟻が、人間と接したり、仲間同士で接したりするうちに最後に手に入れたのは。
     人間の醜くない部分だったんだ……つらい。

     結局のところこれって、どういう育てられ方をするかによって善悪の判断ってすべて決まってしまうってことなのかしら? なんて難しいことも考えちゃったりして。
     冨樫せんせーにいいように手玉に取られてる気がして、「ギリリ」。

     でもこの結末を迎えるまでには、何もかも失われるモノの方が多すぎたとは思う。

     でさ。
     もう一つ言うんだったら、何もの中途半端放置の謎とか放ったらかしで、ここで終わったら綺麗だったのに……ってちょっと思っちゃった。
     後日談的に始まった流れに、元気になったゴンが映って、それでサヨナラでもよかったんだと思ってしまったのに、新しい話が始まるんですね。
     また長い旅になりそうです。
     これっていつ終わるんですか……?(言っちゃダメ)

     なんか、イルミが物騒なこと言い出してて、お姉さんは気が気ではありません。
     でも、あんまりにも綺麗な終わりすぎて、ゾルディック家のもう一人の兄弟のことなんか忘れてたわー。
     ていうか、やっぱり弟なのねー。
     いよいよ「アルカ」が出てくるのかー……と思ったら、楽しみなような出てきてくれなくてもいいような……。
     悩みどころですね。

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