皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088770772

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  • 新城の率いる剣虎兵第十一大隊は、味方が転進する時間を稼ぐ決死の任務を託されていた。民を逃がした村を焼き、井戸に毒を投げ込み、帝国軍の物資補給を断つ作戦は成功したかに見えたが──。

    まさに劇薬級の作戦が功を奏し、帝国軍は想像以上の損害を受けた!大軍を率いる中、村は焼かれて徴発もできず、井戸も毒が入っていて馬に水も飲ませられない。雪を溶かして水を作ろうにも、空腹の兵に薪を拾わせるのも消耗がありすぎる。言われてみればなるほどと。大軍がゆえの弱点を突き、爆破準備を整えた小苗橋を挟んで皇国軍がにらみを利かせる。千里眼的な能力を持つ道術兵の存在を切り札に、壕に隠れつつ攻撃開始。追い風は確実に吹いていた。

    だが、強すぎる風が裏目に出てしまう。笹嶋にお願いしていた真室の食糧庫を砲撃できず!これが痛すぎる!「食糧がない」という状況を活かした戦術が一気に吹き飛ぶ悪夢。ここで撤退していた味方が海から回り込んで挟撃してくれたらどれほど助かるだろうか。新城は上官をそんな反撃をかける男じゃないと確信し、ユーリアはそこまで考えて進軍をかけるのが皮肉。皇国の上層部よ、なんとかしてくれ(笑)

    爆破された橋を横目に突進してくる敵をさばく漆原少尉の覚悟。それを冷静に分析する新城は相変わらずの怖さ。
    「つまりはこれが漆原の許容できる戦争ということだな それが任務とはいえ勇敢だ とりあえずは目出たい」

    ここまでは計画通り!しかし、真室から食糧を得た帝国軍は上苗橋から迂回して皇国軍へと迫る!騎馬隊を率いるカミンスキィ大佐とバルクホルン大尉の関係性も絶妙。美しい顔をしたカミンスキィの過去。落ちぶれた家を守るため、母に連れて行かれたのは皇帝の弟・マランツォフの屋敷だった。そこで男娼として生きることになったカミンスキィ。それでも金と権力を得るため、生き抜く覚悟はジョジョのディオを彷彿とさせる。すべてを手にした彼が家族から向けられた感情はやり切れなさすぎるね。ただ、どこまでも登り詰めようとする意志だけは彼を裏切らない。

    騎馬隊の渡河を知った新城は、隊長としての責任を果たすために何度目か分からない決死の作戦を立てる。それでも死にに行くわけではない。わずかな勝ち筋をつかみ取りに行くのだ──。

  • 真室砲撃、失敗。小苗橋死守するも、別働部隊から攻撃を受ける。

  • 皇弟という言い方を最初に思いついたひとは上手いこと言ったと思ったのだろうか

  • 腹が減っては戦はできぬ…

  • 風呂に持ち込んで読み出した。
    途中のぼせてしまって、心臓がドックドックしだしたけど、面白くてやめられなかった。

  • 帝国軍8000に対し、主人公が率いる皇国軍の殿部隊はわずか600足らず。
    10倍以上の兵力に対抗すべく、主人公は地の利を用いたり、敵の補給を狙ったりと知略の限りを尽くして抗戦する。
    絶望的な状況の中、なお踏みとどまる新城直江大尉(主人公)にしびれる。
    少年漫画のヒーロー像とは違う、戦争の英雄像がここにある・・・のかな?

  • あの新城が天に乞うほど…どんなことでも起こりうる戦いがつらい。
    カミンスキィの生い立ちもつらい。報われない…

    健気な導術兵に好感。

  • 敵方の美形将校カミンスキィの過去話もあり、こういうキャラクターのエピソードがあるのは創作物語ならではの面白さです。
    主人公新城の方は、この漫画では基本的に負け戦ばっかりなので、苦労続きです。ねこかわいいよねこ。

  • 2012.2月下旬 中古で購入。

  • すべてが上手くいっているとおもった最中の悪報。
    「真実とは時に恐ろしいものだ」とし、思わず天に乞うほど。
    とうとう追いつめられた状況で、しかし高揚する気分を不思議とする新城の心の機微が、紙面を通して伝わってくる。
    そして戦中とはいえ、はにかむように笑う漆原の表情は、年相応といった感でなにか切ない。

    今回は敵兵の生い立ちやら、バックグラウンドも多く描いていたので、個人それぞれに見た目はともかくいろんなものを抱えているのだとしみじみ思ったり。。

    人間臭い、当たり前の感情が素直に描かれていて、醜いなあ、と思う反面、当たり前だよねえ、なんてまたしみじみ思ったり。

    次はどうなるんだったかな。

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著者プロフィール

伊藤悠(いとう ゆう)
1977年、東京都生まれの漫画家。女性。夫はイラストレーター・漫画家の前嶋重機。代表作に『シュトヘル』。
大正大学出身。1999年『ウルトラジャンプ』27号第1回ウルトラコンペに入選し、29号掲載の「影猫」でデビュー。連載デビュー作は「面影丸」。短期連載や読み切りをいくつか執筆したのち、佐藤大輔原作『皇国の守護者』連載が人気を博し、2006年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推奨作品に。しかし諸般の事情により物語の完結前に連載終了。2008年から『シュトヘル』を連載し、2012年第16回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。

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