妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) 夢見村にて (ヤングジャンプコミックス)

著者 : 諸星大二郎

• 集英社 (2014年2月19日発売)

作品紹介・あらすじ

稗田の生徒たちと共に常世を超えた世界へ──。ウルトラジャンプに掲載された2シリーズを収録!
夢を信奉し、吉夢を売買する奇妙な風習が残る夢見村を民俗学の調査で訪れた薫は死者と夢を交換することに? 表題作「夢見村にて」に加え、大島と渚の2人が小さな集落に伝わる海女漁の闇を目撃する「悪魚の海」を収録!

感想・レビュー・書評

[深川夏眠さんの感想 · 2014年3月16日]

『闇の鶯』での「浴衣に丹前」ショックに続いて今度は秘湯！
もう、やり過ぎです、勘弁してください、
梨汁ならぬ鼻血ブシャーですよ！！

……という戯言はさておいて。

表紙を見て、こりゃ懐かしの「トコイー、トコイー」か！？
と、戦々恐々。
でも、そんな呪術系の話ではありませんでした。
だからって怖くないわけじゃなくて、
ページを捲るごとに独特の気色悪さが襲い掛かってきます。
妖怪ハンターシリーズに登場した子供たちが少し成長した姿で、
稗田先生の弟子らしい頑張りを見せる２話、
かつて航空機墜落事故から生還した天木兄妹編「夢見村にて」と
海辺の町・粟木に住む潮くんと渚ちゃん編「悪魚の海」。
前者は夢を売買する慣習がある山奥の村、
後者は粟木と地続きの集落における漁の話で、
どちらも、
覗いてはいけない、触れてはならないものに接するストーリー。
もしかしたらどこかでこんな事件が起きているかもしれないと
思わされるだけのリアリティが感じられるところが凄い、
そこが好き。
でも、何が一番怖いって、
そりゃ、全っ然年を取らない稗田先生でしょ。

ちなみに、今回は「秘湯」のポイントは無効です、
加点しません☆４つ（笑）

[chabu-daiさんの感想 · 2014年4月25日]

久しぶりの妖怪ハンターシリーズは、「稗田の生徒たち」とスピンオフな作品。
「天孫降臨」の薫と美加の兄妹の「夢見村にて」、「六福神」の大島と渚のコンビによる「悪魚の海」の二本立て。

「この世でないモノ」を自分の利益のために利用する人間のエゴ、利用されるモノの悲しさ、そしてそれを元の場所に返すやさしさ、という「妖怪ハンター」の
パターンは相変わらず。
でも、毎回楽しませてくれるのがすごい。
相変わらず線が雑なのもすごい。

「夢見村にて」は諸星版「インセプション」？いや「エルム街の悪夢」？
温泉に入ってのぼせてぼーっとしたような物語である。
人々が祭の中で作り上げた「夢取り男」が現実となって襲ってくるという「キャンディマン」的なホラーでもある。
稗田先生の女体化というサービスカット（誰にたいして！）もあり。

「悪魚の海」は、「あまちゃん」ブームに便乗した（嘘）海女もの。そういえば、妖怪ハンターには、人魚って登場していないんだっけ？

決して絵が上達したわけじゃないが、描く女性が妙に艶っぽくなっているのが気になるところ。

[hamagurisさんの感想 · 2014年7月27日]

安心のクオリティ。超人ロックと一緒に買って読んで思ったのが、主人公不在でも面白い話書けるんですよね、この方達。話作りの上手さでしょう。

[nさんの感想 · 2014年3月31日]

面白かった～(о´∀`о)
妖怪ハンター関連の新作がイキのいいシリーズ展開で読めて幸せ。続刊が楽しみ！

以下どうでもよいことだが、大島くんと渚ちゃん二人合わせて大島渚なのはなにか意味があるんでしょうか。
あと美加ちゃんのBL発言だけでも「諸星作品にBLという単語がww」的衝撃があったが、稗田先生が聞き返しもせずに会話成立させていて二度目の衝撃でした。さすが先生博識～

[奈奈さんの感想 · 2014年3月19日]

初期に比べて絵の凄みは減ったけれど、やっぱりどことなく震えているような、動きのある有機的な線が魅力的。
その分、途中にあったCGの一枚絵は、やめてー！って感じ。
なんとか手描きを続けてほしい。
夢を売り買いする村って設定大好き。
夢か現かどんどんわからなくなる不安定さがいい。
稗田の生徒たち、とあるように、今回稗田先生は出番少なめ。
先生、BLが何かご存じなんですか……。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2014/03/20]

｢動きのある有機的な線が魅力的。｣
陰影と揺らぎが素敵ですよね、、、

[奈奈さん · 2014/03/21]

＞nyancomaruさん
諸星先生にしか出せない味ですね。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2014/03/24]

画集｢不熟｣を購入しようと思って後回しにしていたのを思い出した。。。

[7do8bu1991さんの感想 · 2020年10月20日]

諸星大二郎氏の作品『妖怪ハンター 稗田の生徒たち（1） 夢見村にて』を読了。

[morimotoseiichiさんの感想 · 2019年1月22日]

まちライブラリー@大阪府立大学でたまたま見つけて読んでみた。おもしろい。

[takasekiさんの感想 · 2016年7月6日]

そーか、ジャンボ機墜落で生き残ったあの子ももう大学生なのか……。などと親戚のおじさんのように目を細める私。

「古事記」などが絡まないのでいささか物足りないものの、非常に読みやすい（しかも面白い）２編の怪異譚。
「夢見村にて」は筒井康隆チックで好み。
そして今日７月６日は大二郎先生お誕生日。おめでとうございます。これからも面白い作品をどんどん発表してくださいね！

[ロカさんの感想 · 2014年7月16日]

久しぶりの稗田さん登場と云うか、お弟子の出番でしたね(^^♪
美加ちゃんも渚ちゃんも美人になって、気分はおかん♪
タイトル通りで今回は先生の出番はほとんどありませんでしたが、薫君、先生の胸に触るのはセクハラだから^^;

[kleiberさんの感想 · 2014年7月6日]

「夢見村にて」と「悪魚の海」の2作品。

著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、ＳＦ等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ　』 で使われていた紹介文から引用しています。」