- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088905457
作品紹介・あらすじ
東京出身の蘭は何でもある生活を送ってきた。だが、彼氏の巴の転勤に合わせて結婚と移住をすることに。そこは紀伊半島の田舎の港町。お店もなくて日々の買い物もままならない。しかしまわりの山々や海は新鮮極旨食材の宝庫だった! 今回は温泉旅行にクリスマスパーティに年越しとイベント盛りだくさん! そろそろ移住してきて1年、田舎暮らしにも慣れてきて…。
本日のスペシャリテ
畑野菜のローストチキン/バターナッツのオーブン焼き/大将の生マグロ丼/メバチマグロのレアカツ粒マスタードソース/イセエビのグラタン風パエリア鍋仕込み/イセエビのタルタルサラダ/ブリしゃぶ/ブリのべっこう寿司/ブリのカルパッチョ/しし肉の豚汁風/めはり寿司/カツオの竜田揚げ/カツオ茶漬け
感想・レビュー・書評
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元町先生、ごちそうさまでしたっ
心と腹を満たしてくれる、イイ食漫画をありがとうございます
この(4)で終わってしまうのは、実に残念。また、どこかの雑誌で、蘭・巴夫婦の騒がしくも楽しい、紀伊ライフを描いてくれると嬉しいです。できりゃ、YJあたりで一本、お願いしたいんですがね
大竹利朋先生の『もぐささんは食欲と闘う』とコラボして欲しいですねぇ。きっと、百草さんなら、蘭さんのアイディアが光り、紀伊半島の食材の魅力を引き出した料理をたらふく食べてくれそうじゃないですか。料理人修行真っ最中の彼氏、小口も腕を揮ってくれたら嬉しいです
そんな好き勝手な妄想を膨らませてくれるくらい、良い完結巻でした、この(4)は
ほんと、今更かもしれないですけど、ストーリーと元町先生の絵柄、明るくて元気なモノが合ってますよね。食材や料理をより良く見せるだけでなく、それを食べた人の反応に、全く嘘くささがなく、本気で美味しい、と全身で感じているのが伝わってきます
紀伊半島の料理の良さを、ここまで引き出したのは、元町先生の絵柄があってこそでしょう。『すしいち!』の小川悦司先生、『鉄牌のジャン!』の西条真二先生、『ミスター味っ子 幕末編』の寺沢大介先生だって、ここまでは無理ですよ、きっと。まぁ、食べた人間が艶めかしいリアクションを取ったり、美味さ中毒になっちゃったり、「美味いぞぉぉぉ」って口から光を吐いちゃう展開も見てみたいっちゃ見てみたいですが(笑)
そんな絵柄に良さを引き出されている、ストーリーも質が高いです
個人的にグッとくる点は、単に食材の良さや、料理の美味しさを伝えるだけではなく、農家や漁師の苦労込みの日常を読み手にしっかり伝えているトコです
誰かの為に頑張ってくれている人がいるからこそ、私たちは毎日、美味しいモノを食べられるのでしょう。元町先生が、この『南紀の台所』を描いたのは、そういう人らや食材そのものに感謝の意を示したかったからでしょうか
蘭さん達と現地の人々の笑顔溢れる交流も、最後まで見所でしたが、この(4)では、あるく君とさやちゃんの関係にも、ちょっと進展があり、ニヤッとしてしまいました。楽しい夫婦を近くで見ているこの二人、もしかして?
どの回も楽しい気分になり、紀伊半島に遊びに行きたいってキモチを駆り立てる危険な(笑)モノばかりでした。個人的に、もっとも食べたい、と思ったのは第22話「氷爆ほかほか山ごはん♪の巻」でした。猪肉の豚汁風、絶対に作ってみせるぞ!!って気合が湧いてきました
ストーリーが特に印象的だったのは、何と言っても、最終話「この町で。の巻」でした。一時的に離れてこそ、見えるモノが良くも悪くもあります。帰りたい場所、自分を迎えてくれる場所を見つける、それは一度きりの人生で掴んでおきたい幸せの一つ
この台詞を引用に選んだのは、蘭さんがこの港町の住人になっている、と感じたので。先にも書いてしまったが、「おかえりなさい」と言ってくれる人、場所があるってのは、何にも代えがたい幸せ。今、自分がいる場所に不満がある人は多いかも知れないけど、「おかえりなさい」を言って貰えない場所に行った時、自分が大切なモノを手放しかけている、と気付くかも知れませんよ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まあ普通ですね。心に残るエピソードも特になかったです。