クロザクロ 7 (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 68
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091201089

感想・レビュー・書評

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  • 「そうか。あれは、オレのための花か。」

     Jコミにて全七巻読了。
    「これ七巻で本当に終わんの?」と思いながら読み進めていたら、案の定終盤は少々駆け足にも感じたものの、それでも語るべきことは全て語られた印象。
     バトルのエンタメ性よりも物語のメッセージ性のほうが強く残る読後感だった。

     タイトルからなんとなく「ドロヘドロ」を連想してしまい、グロっぽいかと思って敬遠していたのだが、読んでみたら全然違った。
     超ストレートな、人間愛に満ちた少年誌らしいバトルもの。主人公・幹人が抱く「人間であり続けること」へのダイレクトな責任感は、あまり他では見ないもののような気がして魅力的だった。

     こういった、「人間の愚かさと可能性」を問う作品は世に多いが、読むたびにいろいろ考えさせられる。
     本作のメインストーリーはざっとまとめると、
    「地球全体の生命のバランスを取っていた自称調停者たちが、世界に行き詰まりを感じ、ザクロという存在の力を得て世界の命運を決めるために争う。それに巻き込まれ、ザクロの触媒にされてしまった少年は、人間を超えるものとしての力を与えられながらも、人間であり続けるために戦う」
     といった感じの闘争の物語である。
     ラストは調停者たちとザクロが、主人公・幹人を筆頭に、「守るために戦う」ことのできる人間の姿に希望を見出し、己の生命や歴史を人類に継承させて滅びる…という展開なのだが、これが泣けること泣けること。
     あとラストの大人ザクロが女に見えるんだが気のせいなのだろうか。

     調停者たちに「この世界をよろしくね」された幹人は、「自分ひとりでどうにかなる問題じゃない」的な返事をする。
     これは、人類が、彼らに「肯定してもらえるような存在にならなければいけない」というメッセージだろう。
     人間は、ぶっちゃけワルい。「守る」ことで確かに強くなるし奇跡を起こすこともできるが、人間が守りたいものは、どこまでいっても「(自分の大切な)人間」だ。それ以外には、余裕がなければないほどに、恐ろしく冷酷になれるのが現実だろう。
     ザクロの言うように、あるいは思うように、「つながっているすべて」を、「人間というものを成り立たせるすべて」を、敬意をもって愛するだけの力が、人類には存在するのだろうか?
     こういう作品を読むと、そんなふうにモヤモヤぐるぐるしてしまう。
     考えさせられる作品だった。

     それはともかく九蓋さんカッコいい。
     御形との関係性がまたカッコいい。
     あと菘・蘿蔔の双子カワイイ。
     必ず再登場するであろうと思っていた薊さんがあそこでああ出てくるとは驚きだった。九蓋さんと末永くお幸せに…。

  • 夏目義徳


  • ボロ泣きした。

  • もっと続けて欲しかった1冊。2人の妙な友情が大好きでした。

  • これはWJ系好きな人にはとてもオススメな一品です。打ち切り早かったなぁ・・・もったいない

  •  連載中にポツポツと見てました。
     ネタ的には全7巻で終わらなくてもよかったと思います。ちょっと展開早かったかも。
    大人版のザクロが好きでした。

  • 主人公の苦悩と葛藤が上手く描かれています。絶望の中で懸命に希望を捨てずに自らの運命に立ち向かおうとしている主人公の姿が、読者を惹きつけている要因になっていると思います。

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