月光条例 (1) (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091214201

作品紹介・あらすじ

▼第1条【本条例の目的】/[1]月打(ムーンストラック)/[2]月光/[3]3匹のこぶた/[4]執行▼第2条【一寸法師】/[1]一寸法師、不吉なことを口ばしる

●主な登場人物/岩崎月光(「月光条例」の執行者に選ばれた少年。本心を話すのが何よりも苦手)、演劇部(月光の同級生。演劇部所属。明るく活発な性格で、月光とは昔なじみ)、鉢かづき(「月光条例」の執行者に仕える、使者にして武器。呑み込んだ武器に変化する)
●あらすじ/ある月の青い夜。月光と演劇部の前に、おとぎばなしの住人・鉢かづき姫が、いきなり本の中から現れた。彼女は、不思議な月光でねじれてしまった「おとぎばなし」の世界をもとに戻すべく、「月光条例」を執行する人間を求めてやって来た使者だった。偶然、条例の〈極印〉を授かり執行者になってしまった月光は…!?(第1条・1)
●本巻の特徴/真っ青な月の光に照らされておかしくなった「おとぎばなし」の世界は、〈読み手〉の世界に助けを求める。鉢かづき姫を使者にたて、託すは条例。そして少年・月光と出会い、執行者の〈極印〉を授ける! 新しいものがたりが今、扉をひらく!!

感想・レビュー・書評

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  • うしおととら、からくりサーカスの藤田先生の新作です。
    青い月の光により何十年かに一度、おとぎばなしの世界がねじれてしまいます。
    そのおとぎばなしは、猛き月光によって正されねばならない、という条例がタイトルである「月光条例」です。
    主人公の月光、ヒロインの演劇部、おとぎばなしの住人・鉢かつぎを中心に読み手の世界に流れ込む、ねじれたおとぎばなしを正していく展開です。

    この作者の作品は直球なので、今回もすごく好感が持てますね。
    まず、おとぎばなしというテーマです。
    子供の頃、おとぎばなしから学ぶことって実は多いんじゃないかと思います。
    大人になってみると、単純なお話に感じてしまうこともあるかと思うんですが、子供が一番に善悪について考える機会ってもしかしたら、おとぎばなしかもしれません。
    そういったテーマって、扱い方間違えると陳腐になってしまったり、難しいと思うんですよ。
    でも、藤田作品の善悪描写についての真摯さはおとぎばなしに通じると思うんですよね。
    そういう意味でもいいテーマじゃないかと思います。
    主人公の月光も過去作品同様、そういう作品にふさわしい正しさを持ったキャラですよ。
    各作品とも主人公を魅力的に描いているのは本当に見事だと思います。
    最近は、こういう真っ直ぐな主人公も珍しくなりましたよね。

    社会的にもそうなんですが、物語及び表現の世界でも善悪に対する迷いが表れてる作品がすごく多くなったように思います。
    勿論、善悪ってそう簡単なものではなくて、個人の価値観の数だけ存在するともいえると思うんです。
    ただ思うのは、例えば漫画などのレビューで勧善懲悪じゃない部分を評価しているものが未だに目に付くんですね。
    でも、今そういう作品は腐るほどあると思うんです。
    なんで、そんな今時珍しくもなんともない要素をあえて評価するのか疑問なんですが、もしかすると、逆説的な表現を無条件に良しとする風潮が若干あるのかもしれません。

    作品において善悪を言及するって行為は非常に難しいと思います。
    多くの物事は善悪二元論では論ずることができないということは、おそらく生きていれば感じることです。
    しかし、そこで思考停止してしまう思うんですよ。
    善悪なんて個人の価値観によるものだから考えても無駄…とか。
    物事の善悪は決められないとしても、それについて考えることは無駄ではないと自分は思っています。
    子供に人気のある作品でもそういった部分について、深く触れないものって最近多いように感じますね。
    スタイリッシュだったり、萌えを追求するのは悪いことだと思いませんけど、単にそれだけの作品に感じるものは無いです。

    繰り返しますが表現において、正しさを主張することは、読者にその答えを暗に委ねる何倍もエネルギーを使います。
    善悪について読者の解釈に委ねるという行為は、問題提起といえますが、それが正しいかどうかを主張する場合、作者はその解答を持っていないことにはできないということです。
    藤田作品はそういう点において、全力で取り組んでいるように感じます。

    藤田作品の場合、どんなにかっこ悪くても人間として大切な部分を貫くっていうのが、逆にかっこいいんですよ。
    たとえ、かっこいい名前の横文字の技やキャラが出てこなくても、登場人物が美男美女じゃなくても、すごくかっこいいんです。
    この作品もそういう作品です。

    余談的な部分の比率が多くなったのはご容赦ください…。

  • 月打ムーンストラック 拝命致しました 嫁比べ 鉢かづき姫 薙刀 読み手 岩崎月光 金閣鹿苑寺を粉々に 演劇部 三匹の子豚 鼻息で家屋を壊す サンシャイン60 某=自分 一寸法師 御伽草子 精神衛生的によろしいかと思われます

  • 川崎dice
    鉢かづき姫、三匹の子豚

  • 何十年かに一度、青い月光に照らされて、おかしくなってしまう「おとぎばなし」の世界。それを元に戻す「月光条例」の執行者に選ばれた高校生・岩崎月光が、ねじれた物語の住人たちと戦うことに!

    ある月の青い夜。月光と演劇部の前に、おとぎばなしの住人・鉢かづき姫が、いきなり本の中から現れた。彼女は、不思議な月光でねじれてしまった「おとぎばなし」の世界をもとに戻すべく、「月光条例」を執行する人間を求めてやって来た使者だった。偶然、条例の〈極印〉を授かり執行者になってしまった月光は…!?

    真っ青な月の光に照らされておかしくなった「おとぎばなし」の世界は、〈読み手〉の世界に助けを求める。鉢かづき姫を使者にたて、託すは条例。そして少年・月光と出会い、執行者の〈極印〉を授ける! 新しいものがたりが今、扉をひらく!!

  • おとぎばなしの世界が青い月の光で狂ってしまいキャラクター達が暴れだす。この設定が面白いです。特にアラビアンナイト編に突入してからが凄い勢いでイイ!熱い作品です。

  • 話の筋としてはまあまあ、
    しかしノリがBLEACH……。どうなの?これ。
    あと、少年誌特有の絵の荒さ……これは評価分かれるだろうね。

    さて、あらすじ。
    何年かに一度の異変の為に、御伽噺の世界からとびだして、読み手側の世界でドタバタやるわけです。
    さすがにベースがおなじみの御伽噺なんで、下手な破綻はないのだけど、なんか物足りないんだよな……なんだろ?

  • おとぎ話モチーフ、サポートキャラの全身変形による武器化。
    うーん、「仮面ライダー電王」「仮面ライダーディケイド」と大きなネタが類似していることが気になりました。
    時系列的には、電王<月光条例<ディケイド ですね。
    いや、全く偶然でインスパイヤの領域ですらないとは思いますが。

    長期連載になっている本作ですが、何と言っても作者のおとぎ話への愛情(時には歪んだ)あふれる新解釈なのではないでしょうか。
    バトル場面やらグロイ表現も、上手く全年齢対象に落ち着かせているようです。
    人死にが原則キャンセルされるのも好印象です。
    でも、これだけ連載が続いてもアニメ化の話がないのは、おとぎ話を弄ることが業界としては冒険なのでしょうか…。

    本作のヒロインは序盤では、完全に「はっちゃん」が「演劇部」を押さえてますね。
    働き者、プチ異形、顔が見えないのにかわいい、「はいてないようではいていた」など、新発想の萌え属性を装備しています。
    いまどきJKだけの「演劇部」の活躍はこれからなのでしょうか。

  • 青い月の光でおとぎばなしの世界がおかしくなってしまうというお話。
    いろいろなおとぎばなしの登場人物が出てきてたのしい。
    次巻に期待!

  • うしおととら読み終わった(何度目…笑)時に連載開始していたので読み始めた本。

    なかなかに深みがあって面白い…
    けど、だんだん難しくなってきて14巻で止まってる…

  • 第1条1〜4話、第2条1話収録。「青き月光でねじれた『おとぎばなし』は猛き月光で正さなければならない。」お伽話の世界の長老たちが定めた月光条例に基づき、何十年かに一度起こる月打によって捻れたお伽話を正すことになった執行者・岩崎月光と、幼なじみエンゲキブのお話。
    まだ物語は序章に過ぎないので、面白くなるのはこれからって感じかな?藤田さんらしく、戦闘シーンは迫力満点です。月光のひねくれ具合も徹底されているなあ。鉢かづき姫可愛いです。

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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