からくりサーカス 32 (少年サンデーコミックス)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091270726

感想・レビュー・書評

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  • からくりサーカスの幕間に時々でてくる語り部のピエロが、この舞台の観客たるフーさんだったんだね。
    サーカスがらみでなんとなくピエロが出てるワケじゃなかったんだなー。

    フーさんはクローグ村の生き残りで、しろがねになるも、復讐とかなんか違うなあってリタイヤして研究とか発明とかをして、蒸気機関車や電話を発明したのも実はこの人らしいですよ!

    その発明やら特許やらで財をなし、しろがねの活動を色々バックアップしているそうです。
    ただ、この人情報提供とかもするけど基本的には自動人形と人間の戦いの行く末を見たい、観客なんだって。
    世界中のしろがねにも内緒で、しろがねに蟲目(アイセクト)という超小型機械蟲を一人につき5000匹もくっつけて、自動人形に関する内容だけに限り活動を監視していたんですって。趣味悪いよね~

    最初に作動させたのが1909年のギイさんにくっつけた時で、黒賀村でのアンジェリーナやフランシーヌの一件も音声のみフーさんは聞いていたそうです。

    それで、フランシーヌ人形が溶けた生命の水をエレオノールが飲んだから、エレオノールはフランシーヌ人形の意識を持っていると…まあ、確かに…。
    記憶、無意識のどっかに残っているのかな?

    でもそれならなんでナルミはしろがねにオートマータのくせに!っていうんでしょうね…
    心がフランシーヌ人形って意味でしょうか?
    赤ちゃん=エレオノールってわかってるはずだもんね。

    「赤ちゃんに興味を示すフランシーヌ、子供を産んでみたい発言・・・人間になりかわって子供を産もうとしているのか?」
    そうか、ギイにアイセクトがついていたから、フランシーヌの最期はわからないんだね;;

    そしてナルミとミンシアは黒幕がフェイスレスだということを知る!サハラで死んだ仲間の一人だと思っていたからそれはもうショックだよね。
    ナルミなんか自分を生かす為に彼が死んだと思ってたわけだから…
    あれ?サハラでは犬は最後どこに行ってたんだっけ…
    フェイスレスと一緒にいたような気がしたけど、フェイスレスが死亡(偽装)するときには見当たらなかったような…(レンタルで読んでてもう返しちゃったから確認できず)

    この長年の演目(戦い)の観客たるフーも、客席に火の粉が飛んで来れば座ってはいられない、ゾナハで人類が滅亡するのはフウにとってもおもしろいコトではないのだ、という。

    エレオノールに関することでは、ナルミをミスリードしてるようにも見えるけど、一応味方・・・のようですね。

    そしてゾナハ虫が世界じゅうを覆いつくすまであと2年…

    ナルミの壮絶な8か月を聞いたエレオノールは泣きたくなってもやはり涙が出ない。
    でもナルミの苦しみ悲しみを思って、何もしてやれない自分を嘆く。

    自分の出自も知らなかったんだよね?エレオノールは。
    今の私にフランシーヌ人形の記憶はないのです…
    でも
    たった一つ
    私の命はいつでもあなたのもの
    あなたのためなら。死ねる。

    ナルミの腕の聖ジョージの剣を自分に押し当てるエレオノール。
    戸惑うナルミ。

    何故だ!?

    何故?その答えは…私の心の奥に…

    その刃をつかみそっと口づけをするエレオノール…
    唇から流れる血…

    このシーンがとてもきれい!!

    はやく、元のナルミに戻って…
    勝としろがねとナルミで戦ったあの日を思い出して…

    「あんたとしろがねを張り合うのは命がけだからさ」
    ヴィルマ、やっぱりツロガネに惚れてるの?

    後半、阿紫花れんげちゃんと勝のお話。

  • 今更気づいたけど、「本編」だったのか。
    ともあれ、れんげ姉さん素敵です。勝もやはり強い。かっこいいなあ

  • ナルミの空白の時間の回想と勝の黒賀村での試練が描かれる巻。読者的にも急変してしまったナルミの空白の時間が明らかになるとあって非常に興味深い話である。ナルミが過去の事実を知ることによって、読者的に重要なところを復習できる上に、ナルミとしろがねの関係性を誤解や事実誤認はほとんど使わずに記憶喪失という要素にすることでかえって悲劇的にしている構成力が凄まじい。
    勝側の話は試練にからめてれんげとの交流を持ってくるのが良い。勝のこれまでの苦労を背景に他人に影響を与えていく展開は非常に心暖まる。作品全体の中でどう位置づけられるのかは先を読まないと分からないが、平馬との話と共通した路線のようで魅力的である。
    崩したギャグ顔をギイにやらせるのは面白いが少々残念な面もある。

  • 似合うよ。幸せが似合わない人なんて、いない。

  • もしかして、お話とお話の切れ目に出てきたピエロってフーだったのでしょうか?
    これ、はじめから考えていたのだとしたら、すごい無駄がない……。

    れんげさんも、大きく取り上げられることはないと思っていたのに、3姉妹の話が全部あるみたいで、すごいですねぇ。

    こわいというか、すごいところは、フーの話があながち嘘ではないところですね。
    てっきり、わたしは、フェイスレスあたりに嘘を教え込まれてナルミが動いているのだと思っていました。

  • タイトルそのままに、綿密なからくりと複雑な歯車が徐々にかみ合う様は壮観です!

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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