さよならソルシエ (1) (フラワーコミックスアルファ)

著者 :
  • 小学館
3.94
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本棚登録 : 2705
感想 : 272
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091352026

作品紹介・あらすじ

画家と画商…ふたりの“ゴッホ”の伝記浪漫

19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!

【編集担当からのおすすめ情報】
デビューコミックス「式の前日」の穂積、初の長編。新境地に挑戦中です!

感想・レビュー・書評

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  • 「式の前日」からずっかりファンになった穂積さんの作品。
    絵がとにかく好き。
    そして、ゴッホの死についてこんなに謎があるなんて知らなかった。
    登場人物たちが生き生きしていて魅力的だった。
    2冊で終わってしまったのがもったいない。
    もっと読んでいなかった。

  • 「フィンセント・ヴァン・ゴッホと、画商として知られるその弟テオドルス・ファン・ゴッホをモデルにした漫画。美術アカデミーに認められたものだけが芸術であり、そうして認められた作品が上流階級にだけ受容される時代に、人々が生きる日常を描いた作品をどのように広めるかで苦闘するテオドルス。大きく史実から離れた作品なので好みはわかれるかもしれませんが、フィクションと割り切って読めば面白い!!」
    (『中高生のための本の読み方』大橋崇行 p.98 美術館のススメより)

  • 19世紀末、パリ。権威と保守に満ちた画壇会に一石を投じる天才画商がいた──その名はテオドルス・ファン・ゴッホ。後の天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホの弟だった。兄弟の絆と宿命を描く伝記ロマン!

    権威、品格、階級で縛られた美術の世界。それを窮屈だと切り捨てるテオは、本物の夜明けを見せると言い放つ。その表情、仕草、言葉──何をとっても色気が漂う。決め台詞のシーンは男からでも見惚れてしまうカッコよさ。品格ある題材に限らず、素晴らしいものをあるがまま描くことの魅力が伝わってくる。

    「生きて生きて 精一杯生き抜いて死んでいく人を僕は惨めだとは思わない…立派な人生だ 僕はそういうものを描きたいんだ」
    フィンセントの絵は生活の中にある美を鮮やかに思い出させてくれる。絵だから描ける人の美しさがある。実際に作品を見てみたくなったなあ。

    「体制は内側から壊すほうが面白い」
    テオがロートレックへかけた言葉と横顔に痺れるね。権威の真っただ中にいるジェロームと相まみえても、その野心は止まらない。芸術もその伝え方も型に縛られないところがいいよね。そんなテオがフィンセントのあの絵にだけは縛られ続けているというのが切ない。一生分の希望と絶望をその瞬間に受けてしまったような、そんなワンシーンだった。

  • そー言えば、家にこれあったなーと思って改めて読んだ。

    フィンセント・ファン・ゴッホの弟、テオが主人公の話。
    絵画に詳しくない私的には、難しいなぁと思いつつ、
    最後の一コマに、ヤラれたー!

  • 芸術にはうとい私でも知るいわゆるゴッホなイメージからはかけ離れたゴッホくん。
    このあとどう進んでいくのか楽しみです

  • 星4

  • 2巻に記入。

  • 19世紀の美術界の傾向が垣間見れる。古い既存の様式に縛られたアカデミズムにアンチテーゼを突きつけ、“新しい芸術”を興そうとする若い画家たち――後に印象派と呼ばれる――の活動を、画商の視点から描く。
    フィンセント・ファン・ゴッホの弟である、画商のテオドルス。
    それまでアカデミズムや貴族階級に限られていたイメージの芸術を、民衆(労働者)のための芸術の胎動に気づいた青年の、魔術師(ソルシエ)のような手腕が痛快。
    対抗意識を持つアカデミー画壇から展覧会に使うギャラリーを使えなくなる嫌がらせを逆手に取り、印刷を駆使して街に配布したり……

    その中で、今まで持っているゴッホのイメージと異なるゴッホが現れる。どこかぼんやりして(間抜けそうで)いながら洞察力に優れ、純粋に絵を描くことが好きな青年。
    彼は労働者の生き方、等身大の庶民的な人々の生き方を映し出す。
    それまでになかった、“新しい芸術”の黎明期にワクワクしながら、ただよう不穏な空気――アカデミー画壇との対立やゴッホ兄弟にある愛憎のようなもの――にハラハラさせられる。
    サスペンスのような雰囲気のある、伝記フィクション。

    2013年の『ゴッホ展』に因むのだろう。
    2019年にもまた、『ゴッホ展』( https://go-go-gogh.jp/ )がある。

  • (2019-06-16)(2020-12-10)

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