さよならソルシエ (1) (フラワーコミックスアルファ)

著者 :
  • 小学館
3.94
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091352026

作品紹介・あらすじ

画家と画商…ふたりの“ゴッホ”の伝記浪漫

19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!

【編集担当からのおすすめ情報】
デビューコミックス「式の前日」の穂積、初の長編。新境地に挑戦中です!

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末、パリ。権威と保守に満ちた画壇会に一石を投じる天才画商がいた──その名はテオドルス・ファン・ゴッホ。後の天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホの弟だった。兄弟の絆と宿命を描く伝記ロマン!

    権威、品格、階級で縛られた美術の世界。それを窮屈だと切り捨てるテオは、本物の夜明けを見せると言い放つ。その表情、仕草、言葉──何をとっても色気が漂う。決め台詞のシーンは男からでも見惚れてしまうカッコよさ。品格ある題材に限らず、素晴らしいものをあるがまま描くことの魅力が伝わってくる。

    「生きて生きて 精一杯生き抜いて死んでいく人を僕は惨めだとは思わない…立派な人生だ 僕はそういうものを描きたいんだ」
    フィンセントの絵は生活の中にある美を鮮やかに思い出させてくれる。絵だから描ける人の美しさがある。実際に作品を見てみたくなったなあ。

    「体制は内側から壊すほうが面白い」
    テオがロートレックへかけた言葉と横顔に痺れるね。権威の真っただ中にいるジェロームと相まみえても、その野心は止まらない。芸術もその伝え方も型に縛られないところがいいよね。そんなテオがフィンセントのあの絵にだけは縛られ続けているというのが切ない。一生分の希望と絶望をその瞬間に受けてしまったような、そんなワンシーンだった。

  • ソルシエとは、魔法使いのことらしい。
    ゴッホの弟、画商のテオが主人公のおはなし。波乱万丈な人生を生きた気難しいゴッホをけなげに支えた優しい弟のイメージがあったので、
    この話に出てくる気弱そうな優男のゴッホと、美術の革新をねらうミステリアスなテオの描き方に少し驚いた。
    頭脳派な弟が、純粋に絵を愛する兄を美術の革新へとどう導くのか
    今後の展開が気になります。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「兄を美術の革新へとどう導くのか」
      ナルホド、、、だから最初のシーンがあるのかも。。。
      「兄を美術の革新へとどう導くのか」
      ナルホド、、、だから最初のシーンがあるのかも。。。
      2013/05/20
  • ゴッホも弟のテオもイケメンすぎる!どうしても、狂気の画家・ゴッホ、その兄を支えた心優しい弟のテオという先入観が邪魔をして、すぐにストーリーに入り込めなかったけれど…。
    大胆な解釈には圧倒された。賛否両論あるだろうけど、19世紀の旧態依然としたパリの画壇をぶち壊そうとする画商・テオの革新的な行いが、ひとつひとつかっこいい。兄のフィンセントの才能に惚れこみ、彼の飛躍を望みながらも、その才能に猛烈に嫉妬する。「あんたと一緒にいたことは俺の人生の一番の幸福で一番の不幸だったと思う」という言葉が重い。
    2巻で完結だけど、できることならせめて3~4巻くらいまで引っ張って欲しかったな~。怜悧冷徹なテオがパリ画壇を引っ掻き回すところをもっと見たかった。若かりし頃のロートレックも出てくるけど、他にも同時代の画家を出してほしかったかも。
    フィクションの部分は多いけれど、ゴッホの絵をこれまでとは違う角度から見ることが出来そうだ。

  • ふんぎゃーーーーーーーーっ!!!!!!!
    おもしろーーーーーーい!
    かっこいい!!!!!!!

    穂積さんの作品は、ショート・ショートの技法である『新鮮なアイディア、完全なすじがき、意外な結末』が一話一話にぎゅっと濃縮されていると、個人的には感じます。
    本当に凄い!凄いよ!面白いよ!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぎゅっと濃縮されていると」
      仰言る通りですねぇ~この先どーなるか、とっても楽しみです!
      「ぎゅっと濃縮されていると」
      仰言る通りですねぇ~この先どーなるか、とっても楽しみです!
      2013/05/22
  • 全2巻読みました。
    画家フィンセント・ファン・ゴッホの弟テオを主人公にした、兄弟の物語です。
    しかしながら、あまりに大胆なストーリーにびっくりよ。
    こんなの少女漫画カテゴリーに入れないでよ。

    ゴッホのイメージとまるで違う。
    いやいやむしろこっちのほうが魅力的で、テオドルスがやたらかっこいいではないか。

    この人「式の前日」もよかったけど、こんなの書くんだー。
    次も楽しみになりますな。

  • 2016/8/8 舞台DVDを見たので再読。
    2013/12/13 全2巻読了。
    画家ゴッホとテオ(両方ゴッホなので正確にはフィンセントとテオですが)の物語。いせひでこさんの本で初めてゴッホとテオの物語を知りましたが、これは史実をもとにした創作のようですね。絵がキレイ。好きな絵です。ニヒルなテオと、対照的に純粋でかわいらしいフィンセント、どちらも魅力的。結末は若干ムリヤリ感がなきにしもあらずですが、ふたりの兄弟愛が痛くて切ない、美しいお話でした。
    第2巻はこちら→http://booklog.jp/edit/1/409135579X#select_tab2

  • 大好きなゴッホ兄弟の話と書いてあったので手に取りました。前コミックスの「式の前日」もとてもよかったので、間違いないだろうと…。

    主人公は、画家・ヴィンセントではなく、弟のテオ。
    自画像の印象からはかけ離れたヴィンセントが出てきます、そして“兄を支えた優しい弟”の印象とかけ離れたものすごくトンガってるテオドルスが出てきます…が、「アリだな!」と思わされてしまいました!!

    筆まめだったゴッホの残した手紙から世に知られている史実があるけれど、その通りに進むのか、はたまた違う世界に行くのか。
    続きが楽しみです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「印象とかけ離れたものすごくトンガってる」
      これがミソですよね。。。知っている(と言う程のコトもないが)コトと違うと、と~っても気になります...
      「印象とかけ離れたものすごくトンガってる」
      これがミソですよね。。。知っている(と言う程のコトもないが)コトと違うと、と~っても気になります!
      2013/05/21
    • 伊万里さん
      >nyancomaruさん
      トンガってますよね(笑)
      美術史の中ではヴィンセントがちょっと依存してるっぽ感じに見えちゃいますが、こっちでは真...
      >nyancomaruさん
      トンガってますよね(笑)
      美術史の中ではヴィンセントがちょっと依存してるっぽ感じに見えちゃいますが、こっちでは真逆!
      続きがすごく気になります!!
      2013/05/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「続きがすごく気になります!!」
      ホント!
      事実がどうであったか判りませんが、よく知られている風聞に、どのような味付けをされるか作家(穂積)...
      「続きがすごく気になります!!」
      ホント!
      事実がどうであったか判りませんが、よく知られている風聞に、どのような味付けをされるか作家(穂積)の腕の見せ所ですね!
      2013/07/12
  • 表紙買い。序章という感じで次巻からに期待大だけど長くなりそうな気配。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「長くなりそうな気配。 」
      とっても密度が濃そうだから、長くなるでしょうね!
      でもテオは、1891年にヴィンセントの後を追うように亡くなるの...
      「長くなりそうな気配。 」
      とっても密度が濃そうだから、長くなるでしょうね!
      でもテオは、1891年にヴィンセントの後を追うように亡くなるので、時間で言うと5年程なんですよね(ちょっと溜息)。。。
      2013/05/22
    • riritaさん
      密度濃いままじっくり読みたいです!どんな風に描いてくれるのか楽しみですね。
      密度濃いままじっくり読みたいです!どんな風に描いてくれるのか楽しみですね。
      2013/05/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「密度濃いままじっくり」
      進むと良いですよね、、、ちょっと期待度高過ぎて、完結してから纏めて読もうかと思っている(実は待つのが苦手)。
      「密度濃いままじっくり」
      進むと良いですよね、、、ちょっと期待度高過ぎて、完結してから纏めて読もうかと思っている(実は待つのが苦手)。
      2013/05/30
  • 画力があるってすばらしい。
    それだけで読ませる勢いがある。

    兄弟って常にライバルで片割れのようなものだから
    互いに抱く喪失感のような嫉妬のような感情は
    ずっと埋まることはないだろう。

    自分の叶えたい夢に既に到達しようとしている兄を
    清濁の感情の渦に呑まれそうになりながら見守る弟。

    兄よりも手に入れたものは多いかもしれないけれど
    本当に欲しいものは手に入らない弟。

    姉妹にはない、兄弟独特の関係性。
    いつの世も、いちばん心強くて、いちばんやっかいな「家族」というくくり。

    感情がある限り、命ある限り、この波に体を浮かべて漂うしかない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いちばんやっかいな「家族」というくくり。」
      この関係の中、テオの奥さんが、どんな風に扱われるか?とっても気になります。。。
      「いちばんやっかいな「家族」というくくり。」
      この関係の中、テオの奥さんが、どんな風に扱われるか?とっても気になります。。。
      2013/05/20
  • きっとこの作者は、面白い、引き込まれる漫画の描き方というものを知っているんだろうなと思った。人物がカッコいい作品は数多あれど、人間関係がカッコいい作品はとても珍しい。そんな珍しい素晴らしい作品の一つ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人間関係がカッコいい」
      誰が、どんな風に現れるのか考えるだけで、ワクワクします。
      「人間関係がカッコいい」
      誰が、どんな風に現れるのか考えるだけで、ワクワクします。
      2013/05/20
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