- Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091377739
作品紹介・あらすじ
遂に女将さんとマツウラの過去が明かされる
少女のような姿の「女将さん」こと松浦紗季と、宿の案内人「マツウラ」こと、松浦篤志。幼い頃に出会い、その後再会した二人は、やがて恋に落ちた。願いは一緒に幸せになること。だが、そんな二人を引き裂く悲劇が--!?
失くしたものが見つかる不思議な宿「うせもの宿」が舞台の和風ファンタジー、衝撃と感涙の完結巻!
【編集担当からのおすすめ情報】
デビューコミックス「式の前日」、2016年にミュージカル化される「さよならソルシエ」と、ヒット作を連発する叙情の魔術師、穂積先生の最新作がついに完結。あらゆる謎が明らかになった後に、深い感動が訪れます。
感想・レビュー・書評
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穂積「うせもの宿」3巻、読了。
穂積さんの描く世界観、美しすぎかよ…。淡々としていて、それでいて内に秘めた熱いものがあって……。
最終巻なの寂しすぎるけど、3巻という巻数で、華麗な世界を見せてくれた穂積さんに感謝。
ああ、儚いものはどうして、こんなにも美しいのだろう…。 -
うさんくさかったマツウラ、ツンデレなのかと思ってた女将さんの本当の正体がわかって、すっきりするとともに、切なさが残る…
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うせもの宿完結。
全編女将さんとマツウラの話。
もう泣きました。奇をてらったものはなくじっくり魅せる。
さきさんが本当に好き。可愛い。綺麗。
最初から分かってるのに最後の回は泣くしかない。いろんな人に読んで欲しい。。 -
文句なしの殿堂入りです
これほど、感動で胸が掻き毟られる恋愛漫画、そうそう、世に現れる物じゃないでしょうね
掲載誌の系統的に少女漫画に加わるべきなのだろうが、『ハチミツとクローバー』に迫りかねないほど、ストーリーの厚みや、キャラの発する雰囲気の凄まじさが少女漫画のそれではないので、私はこの『うせもの宿』完結巻のタグを青年漫画に変えさせてもらいました
既刊の縦軸となっていた、女将さんとマツウラの関係の真実が、この完結巻で一気に明らかにされています。中にはちょっと駆け足なんじゃ、と感じた人もいるのでしょうけど、私は一巻にギュッと纏めたのは正解だ、と思いました。言い方は悪いかも知れませんが、この穂積先生の放ってくるパンチを受け止められなきゃ、きっと、この作品すら超える次回作では振り落とされてしまうでしょうね
この「ドバーッ」みたいな勢いのあるストーリーこそ、穂積先生の真骨頂。ある意味、漫画読みとして、今、自分の足腰がどれくらい強くなっているかを計るにはピッタリでしょう
百人が百人、この『うせもの宿』はこんな感じで終わって欲しいな、と予測していたハッピーエンドでは決してないでしょう。だが、これこそ、『うせもの宿』らしい終わり方だ、と感じたのは私だけじゃないはずです
人は誰も彼も、自分にとって何が最も大切なのか、なんて判っていません。ならば、限りある人生の意味とは、それを無自覚の内に探し続ける事であり、人生最大の幸せとは、それが見つかる事なのでしょうね
たった一つの約束に縛り続けられ、お互いに傷つきながら保ち続けたそれを破棄する事でしか、新たな道を歩み出せなかった男と女。悲しい、けれど、私は二人が苦しんだ末に出した、この結論を美しい、人間らしい、と感じました
改めて『うせもの宿』全巻を読み返し、じっくりと感動に浸り、導き出せた総合的な感想を一言に纏めるなら、陳腐じゃない、でした
ハッキリ言って、私的には、「このマンガがすごい!」(オンナ編)で第一位を獲得した『さよならソルシェ』を超えてます、『うせもの宿』は。巻数が多い、なんて理由なんかじゃなく、穂積先生が自作に籠めた漫画の本質そのものがパワーアップしています。確実に、この作品も、次回のランキングで上位、いえ、再び、一位を獲得する可能性だって大でしょう
ただ一つ心配なのは、穂積先生の健康面。こうも立て続けに、読み手の心臓に悪い名作を生み出しているのですから、自分の寿命を削りかねないほど、執筆に精魂を傾けている筈です。勝手な事は言えませんが、穂積先生は命を燃やして漫画を描くタイプのような気がします・・・それこそ、『忘却の首と姫』の惣司ろう先生のような
次回作を一日でも早く読みたいってのが、欲深な漫画読みとしての本音なんだけど、しばらく、体をゆっくりと休めて欲しい、ってのも本音です、間違いなく
ホント、イイ漫画を読むと、幸せな気分になれます
しっかし、やっぱり、この巻でも番頭さんの正体は解からずじまい。むしろ、ますます、その姿は謎に覆われていました。でも、こんな大きな秘密を、たった一つだけ残し、作品に幕を引き、読み手を良い意味でモヤモヤさせるのも、漫画家に必要なテクニックじゃないでしょうか
この台詞を引用に選んだのは、ブワッと来たので。言葉そのものもイイんですが、本人が何となく差し伸べた手が絶望している一人の手を掴んで暗闇の中から引っ張り上げ、その人が自分が困ってる、不幸に飲まれそうな時に這い上がる力を貸してくれる。人間は弱い、一人じゃいつかは壁にぶつかる。助け合って、自分の人生を生き、人間の歴史を重ねてきたんでしょうね。一人でいる事が不幸だ、とは断言できませんが、少なくとも、手を繋ぐ、抱き締め合う、言葉を重ねる、その時に自分達の間に愛を生み出せる相手がいる人は、自分にとって大切なモノを見つけるキッカケを得ているんでしょう。もし、私がここを訪れる事があったとしたら、一体、私は何を見つけるんでしょう -
衝撃展開というか、急展開。穂積さん、序盤は丁寧に描いていくけれど、終盤になると一気にギアがを踏み込んでいきますね。ちょっとぶん投げ過ぎな気もします。個人的には、もう少し長期連載で読みたかった…
女将さんとマツウラ、過去に何かあったんだろうとは思っていたけれど、想像以上に哀しい展開。強く生きてくれ、マツウラ。 -
穂積さんのストーリーテリングには毎回引きこまれます。
3巻目にしてようやく語られる女将さんと松浦さんの物語。
ここにたどり着くためにオムニバス的な1巻があったのだなぁと思い、
3巻を読んで、すごく丁寧に組み立てられてきた物語だと感じました。
もう次回作が楽しみです。