アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091512680

作品紹介・あらすじ

▼第1~6章▼巻末特別企画●主な登場人物/焔燃(ホノオモユル。大作家[おおさっか]芸術大学1回生。漫画家になることを目論む18歳)●あらすじ/1980年代初め。大阪の大作家芸術大学でTV・映画・アニメの講義を受けつつ、漫画家を目指す若者・ホノオは、しかしながら野望だけで具体的には何も動き出していなかった。そんなある日、何気なくサンデーを読んでいた彼は、当時はまだ無名の新人だったあだち充や高橋留美子の作品を目にして…?(第1話)●本巻の特徴/「燃えよペン」「吼えろペン」の島本和彦が、ペンに懸ける熱き青春を完全描破! 熱き80年代に漫画家を目指して七転八倒する若者・焔燃の熱血芸大生エレジー、ついに単行本化!! 巻末には、作者の同級生・庵野秀明監督との熱血青春特別対談を収録!!●その他の登場人物/年上トンコ(大作家芸術大学3回生。バドミントン部マネージャー。ホノオの良き理解者であり、憧れの女性)、村上先輩(ホノオのバドミントン部の先輩。3回生。トンコの彼氏らしいが…)、庵野秀明(ホノオの同級生。のちにエヴァンゲリオンの監督となる)

感想・レビュー・書評

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  • 島本和彦さんの、自伝的?漫画です。島本版「まんが道」。
    島本和彦さんと言えば、何と言っても「逆境ナイン」と「燃えよペン」。
    この二つを読んだことのない人は、老若男女問わず、勿体ない(漫画好き、の人ならば、ですが)。読んでください。面白いです。爆笑です。感動です。
    その二つ読んだことないと、「アオイホノオ」読んでもねえ…と、すら思ってしまいます(笑)。

    で、この「アオイホノオ」。今回、1巻から6巻まで読みました。
    「燃えよペン」「吼えろペン」でもおなじみの?島本和彦さんをほうふつとさせる漫画家・焔燃(ホノオ・モユル)の、若き日、デビュー前の青春物語。
    主人公は、1980年代初頭に、大阪芸術大学に所属して、漫画家あるいはアニメ作家を目指して、でも目指しているだけで割と無為に日々を送っているんですね。

    この、時代。
    携帯電話もなくて。DVDもなくて。インターネットもメールもパソコンもなくて。
    お金もクルマも冷房もなくて。部屋には風呂すら付いてない。むさ苦しい男子大学生。
    でも、特段ほんとに貧しい訳でもなくて。そこそこノホホンと恵まれていて。
    可能性と、自信のない妄想だけが暴走し。野望と理想と恋愛欲と性欲と。見栄と社交と落伍する恐怖に苛まれ。
    ミットモナサ満載。疾風怒濤、ひたすらまっしぐらに停滞する青春の物語。
    いやあ、もう、お恥ずかしいですが、単純に昔の自分(とその周り)を思い出してしまって、笑って読んでしまいました。
    細部は全然違いますけれど。

    僕は1991~1996の期間に、東京は多摩地方の大学にいまして。自主映画やっていました。まだビデオでもないアマチュアのフィルム映画を作っていました。
    そういう、「学生映画の世界」っていう業界?では、圧倒的に、知名度と実績が、ゼロという。吹けば飛ぶような少人数。男ばかりの事実上3~4人所帯。ほそぼそ、やってたんですね。
    いやもう、ほんとに。大教室で上映会やっても、我ながら何一つ面白くない。技術レベルすら正視に堪えないアマチュア映画。映写機回して観客はゼロという。そんな素敵な青春でした(笑)。

    この漫画は、恐らく1980~1983くらいが舞台です。色々ズレはあります。
    舞台はいちおう、芸術大学だし。周りの仲間ライバルたちも、ちゃんと業界に食い込んでいく大物になるような人々がいます。だから、80年代版「トキワ荘」でもある訳です。
    何より、主人公だって技術も自覚もあってプロを狙っている。ま、だって、島本和彦さんにせよホノオモユルさんにせよ、ちゃんと立派な一流のプロになってますからね。
    でもやっぱり、「携帯もメールもネットもDVDもTSUTAYAもユニクロもスタバもなくて、飲み水はお金出して買うものではなかった時代」が、島本節に歌われて。
    若さという、おバカな情熱とともに、手触りが甦ってきますね。
    まあ、個人的にはこの漫画みたいに、なんだか良くわからないけど美人な女の子が身辺をウロウロしていたり、などということは、全く無かったですが。残念ながら(笑)。

    正直、あまりにも個人的に懐かしすぎて、客観的に評価不能(笑)。でも、やっぱり漫画らしくバカバカしく、細部が具体的で、空回りする情熱のミットモナサが愛おしい。うん、面白い漫画、素敵な漫画なんですね。
    やっぱり、書き手が愛着ある訳だから、「三丁目の夕日」的なロマンチックなノスタルジイ、感傷過多な懐かしさ、は、あるんですけど。
    でも、そんなものは僕らの世代だけのことで。
    きっと、これは2010年代の若者でも通底するハズカシサや物悲しさがあるんでしょうね。

    そして、この漫画と、「ハチミツとクローバー」を比較すると面白い気がしますね。
    どちらも、造形デザイン系の大学生の青春物語(笑)。

    かたや。
    「汗と埃とミットモナサの男汁。止めてくれるなオッカサン。濃いさと熱さの空回り。男ドアホウ島本節、笑って笑って、馬鹿馬鹿しさに涙する、最後はやっぱり少年漫画」
    であり。かたや。
    「全ては優しく、汗すら何だかレモン味。将来よりも今の想いが。すれ違い想いあう切なさが、静かに遠ざかるあの日々の後ろ姿に、胸キュン、クスクス、甘酸っぱい。最後はやっぱり少女漫画」
    僕はどっちも、楽しめたんですけどね。どちらも漫画らしい素敵な漫画でした。
    好みでしょうけど。そんな振れ幅が楽しめるのも、日本が世界に誇る、漫画という読物の快楽ですねえ。

  • 買わねばと思いながら、借りてしまった・・・。

    くそ面白い。

    買わねばならないからこれ以上読んじゃいけない。

  • マンガ家を志す芸大学生のお話し。
    島本さんらしいアツさもいいですし、舞台設定が1980年代というのが何とも!(´∀`*)
    色々と楽しいマンガです。

  • ホノオくんの熱い語り、友達にそっくりで懐かしくなりました。

  • 滅茶苦茶熱い漫画!そして面白い漫画!面白いだけじゃなく、「あるあるw」と思わせる箇所も多くあります。劇中の「また……また細野不二彦にやられた――っ!」にはお茶吹くと同時に、凄い共感できました。自分では何も生み出してないくせに、「くそ、そのアイディアは俺も考えてたのに〜!先にやられたーorz」ってなることありますよね?え、ない?^ω^;

  • 自分と重ねて読んでしまった。
    口だけで何も行動に移さなくて、時間を浪費する主人公に。痛快。

  • ちらっと1話みたドラマが面白かったので、原作を手にとってみたものの、ストーリーは面白いけど絵柄がどうしても好みじゃない・・・。これから庵野秀明たちがどう開花していくのか興味は湧いたのだけど、2巻目以降にいくかはちょっと様子見。

  •  変に熱い漫画家の島本和彦が、庵野秀明らと鎬を削っていた80年の大阪芸術大学での大学生活を漫画化。
     
     今年(2014年)にはドラマ化してさらに変な勢いづいたアオイホノオ。
     庵野秀明、矢野健太郎ら後の漫画やアニメ会を引っ張るスターに加え、ホノオモユルの視点での当時の漫画の解説で高橋留美子や松本零士らまで出てきて、80年代を生きた人は目頭が熱くなること間違いなし(?)。あの頃を再体験できる感じがいい。
     妙な熱さとプライドの高さ故の痛々しさ。それがピークになるDAICON3上映の場面は心の底からいたたまれなくなる名シーン。
     でも、この痛々しい熱さって今の日本に必要なものだと思うんだよねぇ。。。

     古きを訪ね新しきを知る。
     おもいっきり笑える漫画ながら深さと熱さを持った名作。 

  • 80年代カルチャーが濃すぎる実在人物が脇役になって登場してくるこのマンガ、ドラマ化されるので、主役のホノオモユル観察目当てで読んだが面白い!若かりしころの監督くん(エヴェの庵野監督)を誰が演じるのか!演じられる人がいるのか!!

  • 今週の週刊金曜日で石坂啓がオススメしていたので読んだ。5巻まで読んだけど腹筋が痛い!
    地方の芸大で漫画家を目指す主人公ホノオモユルは、根拠のない自信だけはある熱血野郎。そして始めに大きく「この物語はフィクションである」と書いてあるのに実在の人物ばかりが登場する。「オレだけは認めてやる、あだち充!」とか「ズレてないか心配だ、高橋留美子!」と言ったりするモユル君。さらに緻密な絵を描く大友克洋を「どうするんだろうな、この人…」と上から心配してあげてたり。
    あだち充の「みゆき」を人に説明するのに「いつものような話です!」で吹いた。
    このまま最後まで読んでしまいそう^^

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著者プロフィール

監訳を担当した島本和彦は、1973年に創刊された「月刊バスケットボール」の創刊編集者で、後に長く編集長を務めている。NBAのテレビ放映のはじまった1987年より解説を担当し、分かりやすく親しみやすい口調でNBAやバスケットボールの普及に貢献してきた。コービーの所属していたレイカーズの先代オーナー、ジェリー・バス氏とも親交が深く、歴代のエースたちへの取材も数多くこなしている。MJなきあとを支えたコービーにはルーキーの時から取材し、その身体的・精神的変化を細緻に見つめてきた。

「2019年 『KOBE BRYANT THE MAMBA MENTALITY HOW I PLAY』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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