AWAY-アウェイ- (2) (フラワーコミックス)

著者 :
  • 小学館
3.94
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本棚登録 : 184
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091670700

作品紹介・あらすじ

萩尾望都 本格SF、衝撃の完結巻!!

---きみたちは分水嶺を越えなきゃいけない!!



2033年3月末のある朝、世界が2つに分かれてしまった。

18歳未満の子供達だけが取り残された世界、”AWAY”と、
大人たちのいる世界、”HOME”。

子供だけが残されたAWAYで、中学生の一紀と高校生の大介達は
生きるために懸命だった。

----そして現れた「白い少年」。

子供達に伝えられた衝撃の「世界の秘密」とは---!?



【編集担当からのおすすめ情報】
世界が大人と子供の世界に分かたれるという
SFの世界でありながら、作中の子供達が直面する問題は
今を生きる私達が考えなければならないことでもあります。

萩尾望都先生が問う「分水嶺」を我々は越えられるのか。
この本が皆様の考えの一助になれば幸いです。

感想・レビュー・書評

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  • 7月に電子で読んだ。
    原作の児童文学では12歳を、漫画では18歳に変更。
    18歳未満の人はAWAY、それ以上はHOMEというパラレルワールドに。
    18歳の誕生日でAWAYからHOMEへ。
    年齢を変更したことで、AWAY内でも妊娠出産が生じ、親子が離れ離れになるという設定が加わった。
    この時期の作品らしくドテドテしているのはタブレット画面で読んだせいかなと考えていたが、ざっと読み返してもやはりそう。
    少し時間を置こう。

    1巻
    4月1日 前編43p
    4月1日 後編40p
    3月21日 前編35p
    3月21日 中編32p
    3月21日 後編36p
    謝辞「AWAY」と「お召し」(萩尾望都)1p
    2巻
    4月3日―悪い宇宙人とママ【前編】45p
    4月3日―悪い宇宙人とママ【後編】45p
    4月5日―仏子沼えりか30p
    2034年11月11日―河津克美30p
    2051年―世界の秘密―30p

  • コミックスの発売がこんなにも待ち遠しかった作品は久しぶりでした。予想の上を行く展開に、脳みそ痺れっぱなし。読み終えた後は、現代の地球が抱える様々な問題の一つ一つをリアルに感じて、しばし呆然としてしまった。
    世界が分断される前は無邪気で普通の中学生だったはずの一紀の変化が一番印象に残った。幼い子の面倒を甲斐甲斐しく見る一方、重責に耐えかね不平不満を爆発させる上級生に戸惑い、その板挟みで己の感情に蓋をするしかない。アダルトチルドレン化している…とちょっと心配になるほど、前半の一紀はとにかく大人。小さい子達の葬式の際、一紀の発案で谷川俊太郎の詩を朗読する場面では涙があふれた。まだ14歳くらいなのに、一紀には母性すら感じた。
    展開を急いだ感は否めないけど、実際のところはどうなんだろう?連載予定が途中で変わったかもしれないけど(別誌での連載もあったし)、最初から2巻分と決めていたと聞いても納得はできるかな。ストーリーに、目につくような綻びは見当たらなかったし。壮大な構想なだけに、話を広げ過ぎたら収拾付かなくなりそうだしね。敢えて描き過ぎず、読む側の想像力に委ねてくれている気もした。 ただ、たくさんの登場人物が出てくるから、あの人をもっと見たかった、このエピソードを膨らませて欲しかった、というところはあって…そういう点では勿体なかったかも。いつか番外編を読みたい気もする。
    それにしても、この作品が抱えるテーマの重さに、うまく言葉が出てこない。未来に警鐘を鳴らす作品は数あれど、久々に現実感をもってゾクッとさせられた気がする。とはいっても決して悲観的になっているだけではなく、やはり明るい未来への鍵は子供なんだなと改めて思う。そして自分自身も、できるだけ柔軟な大人でありたい…と切に思う。分水嶺は突然やってくる。突然ではなく、気付いてないだけかもしれない。今を大事にしつつ、これからにつなぐために、できることをしなければいけないなと感じさせられる、深い作品でした。

  • もっと長編になるのかと思っていたら、意外にも2巻で完結。しかし終盤かなり駆け足の急展開だったので、何か急に終わらせなくてはならないような大人の事情でもあったのかしら。もっとじっくり描いてほしい素材がいくつもあっただけに勿体ない。

    AWAY側では、子供とはいえ中高生もいるので妊娠・出産が増加しだすというのは、有りうる事態だけれどビックリ。もっと何年もこれが続けば、AWAY側では「AWAY生まれ」と「HOME生まれ」で派閥ができたかも。

    HOME側は大人社会のはずなのに、あまり対応策がきちんと取られていないのがもどかしかった。適応力のある子供たちの自立ぶりに比べて、大人のほうがヒステリックで現実を見ようとせず、イライラする。もっとまともな大人も沢山いていいと思うのだけれど。

    常に代謝しているAWAYに比べて旧弊だけれど、HOME側もいずれは「AWAY帰り」の世代が増えて変わっていくのだろうか。「未来からの干渉」を信じて、現状を打破しようと考えられる世代と、旧世代との対立というのもまたありそうな。

    きっとそういう構想もあっただろうに、描かれずに終わったのが残念。

    キャラクターは河津くんが好きでした。イケメンではないけれど、こういう子がたぶん警察的な機能を作り上げていくんだろうな。苦手だったのは大ちゃん。そもそも高校生に見えない上にイケメンにも見えなかった(苦笑)

    ※★3つにしたのは、もっと読みたかった、という不満から。

  •  萩尾SFには全て「生殖」がからんでいる、という説を立てている。『11人いる!』しかり『銀の三角』しかり。
     『AWAY』も、その傾向が色濃く感じられる。ただ、原案『お召し』は未読につき、軽々に断定できない。

  • 萩尾先生にしては終わり方が、、、。未来を憂えるメッセージが前面に出過ぎて、道徳の教科書みたいな展開に。「プルート夫人」、「なのはな」etc.、震災直後の一連の作品の延長線にあるものと捉えていいんでしょうね。

  • よげんか。

  • (2019-12-24L)

  • 18歳未満の子供達だけがパラレルワールドに隔離された世界を描く第2巻。どんどん月日が経って、もう息子世代の話になってて驚くなど。

  • 2巻完結ということで、「世界の秘密」が早く知りたくて一気読みしたけど…終わり方がちょっと不完全なような。小説だったらあの終わり方でもいいのかもしれないけど、あたかも続きがあるような打ち切りENDぽいコマ割りが。でもあえてそうしたのか?登場人物がいっぱいでわさわさしてたけど、安定の河津くんがいろんな意味で主人公っぽいw

  • 原案は小松左京「お召し」。18歳未満の子供たちが存在するAWAYと、大人たちのHOMEに隔てられたパラレルワールドの話。SFなのに他人事と思えない説得力があるのは、東日本大震災をはじめとした多くの災害を見てきた時代だからだろうか。「世界の秘密」として語られる中で、「自分が正しいと思う意見を他人に伝え、理解してもらうことの難しさ」を語る部分は本当に毎日悩んでいる自分と重なって深く胸に響いた。決してすっきりとした結末ではなく、いつまでもしこりのように残り続ける作品。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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