- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091670731
感想・レビュー・書評
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【最終レビュー(既読冊数カウントなし)】
ゲオレンタルコミック貸出にて。
前巻(第6巻)既読から
約・2年9ヶ月ぶり。かなり間隔が空いていました。
思い入れがある作品なのに、何故、こんなに時間が経っていたんだろうと…。
先週チェックした
〈CREA・最新号―鎌倉さんぽ特集―〉
この時、いつの間やら、自分の中で時が戻るかのように
『海街diaryの鎌倉の光景』が重なりあい、自然と再び溶け込んでいて…
このタイミング=季節柄にちょうどいいなと思い『きよしこ』と同時進行でチェックしていました。
加えて、これまでのアーカイブ全て(既読レビュー記載済)を見返しながら、この経緯でようやく、自分の中でこの作品への
『深い思い入れがあったこと』
『映画化=是枝裕和監督の存在』
ここまでの思い入れは感じられなかったと。改めて実感していました。
以下のアーカイブを踏まえながら、既読レビューを…原作本との出会いから
[4年8ヶ月の流れの中で]
*1巻:蝉時雨のやむ頃
12.12.13
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4091670253
*2巻:真昼の月
12.12.13
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4091670377
*3巻:陽のあたる坂道
12.12.14
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4091670407
*4巻:帰れない ふたり
12.12.14
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4091670482
*5巻:群青
13.2.11
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4091670539
*6巻:四月になれば彼女は
14.11.18
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/409167058X
◇7巻―各章毎の既読レビュー―
[同じ月を見ている]
メインは、四女・すずの心情変化。
三姉妹との居住の勧めで鎌倉へ出向いた時を振り返りながら、彼女自ら掘り下げていく
『内面から滲み出る想い』を上手く引き出していく描写。
それを『月の道』に例えながら
せつないながらも、どことなく爽快感が漂う『空気感』が伝わる中
前触れも先入観もなく、自然に『心地よい気持ちよさ』を感じ取りながら。
+:不器用ながらも、四姉妹のやりとりの楽しさの中にある『滑稽さ』も絡み合うことで
『硬軟のバランスのよさ』が更に引き立っていました。
[パンと女子と海日和]
次女・佳乃の勤務先の信用金庫の上司が抱える『都市銀をやめた謎の背景』が引っかかっている
彼女の心情と共に描かれていく『新たな成長の一歩』
四姉妹の行きつけの食堂がメインの舞台。
長女・幸。すずを通しての顔見知りの病院の同僚との関係が、少しずつ近づいていく過程。
そんな中でも、四姉妹の食卓を囲む和やかで、味わいよさのある
『和気あいあいの雰囲気』
も同様に、しっかりと描写されている光景。
『程よい距離感を上手く描いている空気』
言葉が少なくとも何気なく伝わるのが
この作品のよさとして、好きな理由のひとつであるのだから…
[あの日の青空]
佳乃の上司(男性)が抱えていた
『過去の闇雲として埋もれていた、やり切れない心境』
ここで、食堂の新たな店主となった男性を目前に
全てが公となっていく展開。
彼を支えていく佳乃の想いと共に…
これが、この巻の『一番のポイント』と言い切れる内容。
加えて、長女・幸と病院の同僚が、ある患者さんを通しての
せつなく、歯がゆい想いを共有する中で、更に距離が近づき…
四女・すずは、京都の観光名所を巡る修学旅行のエピソード。
それぞれが、新たなるささやかな発見と共に、また少し前に歩みを進めていく。
展開の流れが、早くもなく遅くもないところ。これまたいいんです…
[遠い雷鳴]
香田家の梅の木(=『映画:海街diary』でのワンシーンとして)での収穫の場面。
すずと、サッカーチームの親しい面々と共に収穫するエピソードが中心。
映画の中でも描かれていた
〈この光景のひとつひとつ〉
今一度思い返しながら、何気なく見えながらも、それぞれが存分に楽しみを共有していく、互いの気持ちよさ。
『微笑ましいと…』
観てるだけでも、そう、自然と感じていたことも。
+雷にまつわる、何気ないながらも核のある『云われある言葉』
+長女・幸が語る、育ての母親代わりだった
〈祖母(教師)に対する、深みある想い…〉
季節柄をバックにしながら、一人一人の心情を、上手くバランスよく乗せていく
〈雰囲気描写=究極に際だっていること〉
この巻においても
『鮮明・明瞭に伝わってきたこと』
自分の心身で、確かなものとして、しっかりと感じ取ることができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
四姉妹それぞれが大きく動く第7巻。ほとんどの伏線は回収され、たぶんあと1、2巻で完結するんだろう。
この巻読んで、映画版の失敗が改めてよくわかった。
この作品の登場人物はみな非現実的なほどにクリーンで物分かりが良いのだけど、それがかろうじて成立しているのは、吉田秋生の硬質な線にマンガ的誇張が加わった微妙なバランスがあるからこそ。そのおかげで一種のファンタジーが成り立っているところ、映画版はなんの操作もせず表面的なかたちで実写に落とし込んだから、なんか空疎なものになってしまった。
漫画と映画とではフォーマットも文法も違うのだから、安易な実写化はいかんのですよ。 -
姉妹それぞれの恋が実るかどうか佳境を迎えた。
名作感がますます高まる作品になったと思う。 -
この巻の第2話で少し作画が乱れたような気がした(佳乃さんこんな表情したっけ?とかそういう)ものの、全体としてとても魅力的な物語が続く。よくある恋愛物に堕してしまいそうな瞬間、が何度も何度もあるんだけど、そこで堕ちてしまわないのがこの作家の力なんだろうな。あくまでもリアル、人間ひとりひとりの感情に無理がない。それだけにチカさんの今後が気になるねー。
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お前がどこで暮らしたって、お姉ちゃん達がお前のお姉ちゃんなのは変わらないってそう思えるからじゃないのか、と自分の寂しさは押し殺してすずの背中を押す風太の男前。/話聞いてくれる相手がいつまでもおると思とんのか。そんな相手が明日もまたおんなしように笑てくれる保証がどこにあんねん、とこちらは坂下課長を叱りつける福田さん、きっとこの一言がようやう佳乃へ思いを告げる一押しになったのでは、と。/人は最後まで自分の足で歩きたいし、歩いてトイレに行って、口からものを食べたいの、という幸ねえ。/でもそのことと死ぬことはきっと別なの(略) 生きることの先に死があるんじゃなくて死はいつも影みたいにそばにいるんだって もちろんそんなこといつも意識して生きてはいけないわ 病気になったり心が弱くなったりした時に それは突然顔を出すの。その人はつい見てしまったのよ。その人は覚悟して出て行ったのかもしれない。でも家を出るときはいつもの散歩のつもりだったのかもしれないわ。それは誰にもわからない。答えはないのよ。という佳乃の坂下課長への語りかけるシーンが一番心に残った。
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読了:2017/3/4
今回なんかみんな饒舌だなぁー。山猫亭の福田さんが過去を坂下課長に話すシーン、坂下課長と佳乃さんのシーン、そんな唐突に大量に話し出したら相手引いちゃうでしょう、とか思ってしまった。 -
読了。心を鷲掴みにされる漫画であった。続きを読みたいが、既刊はここまでだ。次巻は、あと半年以上先か。長いな。
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それぞれの人生の岐路!みんな成長しているところにほろりとさせられる.
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今回はがっつり恋愛モード。四者四様の恋愛模様があって、それぞれにキャラも違う姉妹で、相手の男も様々で、画一的な話に陥っていないのがいい。恋愛モノには不可欠の、妊娠の件もいよいよ入り込んできて、この先どうなることやら。