- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091790743
感想・レビュー・書評
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百閒先生とヒマラヤ山系君のコンビが面白すぎるw
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内田百閒の「阿房列車」の「まんが版」第2号です。
まんが版の1号、2号は、原作の第一、第二ではありません。
漫画版の1号は第一の3分の2くらい、2号はその続きから第二の半分くらいまでとなっています。
ですから、第三阿房列車に収録されている話まで全て終わるには、漫画版は4冊にはなるでしょう。
元々原作が、いくつかの話を集めて第一、第二、第三と構成されたものなので、全く問題はありませんけれど。 -
内田百閒先生の、阿呆列車にはまったのは大学時代のことである。
訪問した土地で飲むお酒の席を何よりも楽しみに、
気ままに列車に揺られて日本中を旅する百閒先生。
連れはいつも決まって「ヒマラヤ山系」である。
いつもはっきりしなくて、ぼーっとしている彼を茶化す百閒先生の溢れ出す
ユーモアがこの随筆の一番の醍醐味である。
文才の手にかかると、山系君の曖昧な態度が目に見えるようだ。
書かれる側にとっては「痛い」経験だろうが、百閒ファンにとっては彼の存在こそが
うらやましい限りである。
雨に濡れればやれ「ドブネズミのようだ」とか、「酷いこといいなさる!」という感じだが、
どれもひっくるめれば愛情あふれた突っ込みなのだ。
・・・そんな阿呆列車(新潮社文庫から1~3が出ています)の漫画が書店にあるのを
発見したので、思わず手にしてみたら、あのなんとも言えない二人の列車でのやりとり、
彼の列車や旅へのこだわりがますます具体化して、楽しくなった。
もちろん、原書ほどの読み応えはないけれど、ファンとしては読んでみて損のない
漫画であった。百閒先生入門書として(そんなのいらないか)読むのをお勧めする。
きっと彼のワールドから逃れられない(逃れたくない!)はずである。
本はカフェ1階に常置してあります。
珈琲を飲みながら、彼の世界を妄想してみてください。
(Masami Kobayashi/storyterror cafe)
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下総中山法華経寺境内カフェ
http://storyterror.com