なのはな (フラワーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館 (2012年3月7日発売)
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本棚登録 : 636
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091791351

感想・レビュー・書評

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  • 扱っているテーマのせいかもしれませんが、
    ちょっと表現が直接的過ぎているように感じました。
    一話くらい暗喩的なものがあれば良かったかと。。。

  • 原発事故直後の福島の少女と家族の話。
    子どもの目から見た原発の現実と想像でしょうか。大人にも痛い。
    宮沢賢治の作品も交えてある。そうか東北の人だった。
    銀河鉄道の夜は王道だけど、まだ読んでないものも少し調べました。

    放射性物質擬人化。
    これほど美男美女で良いことを言われたらたしかに好きになるかも。
    だけどその後が怖ろしい。例えがぞっとするほど秀逸。

  • ざわざわし始めたのであります。
    最初のお話読み始めた頃は。

    最後の書き下ろし読んで
    漸く落ち着きました。

    色々言わず(何て言っていいか判らない)
    只 じっくりかみしめようと思った次第。

    音楽も漫画も物語も 本当に
    回復のきっかけを内包している
    かけがえのないものだな、と痛感。

    バトンを次世代に繋げますように!

  • 「なのはな」「なのはな――幻想『銀河鉄道の夜』」 
    原発事故の為、住んでいた地を離れざるをえなくなった少女と、その家族の物語。いなくなった家族や大切なひとを探しに行きたくても行けない人が沢山いる。どれだけの人が時間を止めてしまっているのだろう、どれだけの人が前を向けているのだろう。

    「プルート夫人」「雨の夜―ウラノス伯爵」「サロメ20××」 
    放射性物質を蟲惑的な人間に変化させた三部作。恐ろしいものだとどこかで感じてはいても、利益や富をもたらす、放射性物質の一面だけに惹かれた愚かな人間を強烈に皮肉った作品。
    絶大な科学力を得はしたものの、作り出した人間がその物質の行く末を見守ることができない。正しい知識を得て、未来を見据えた決断が出来る人間になりたいです。

  • フクシマで生きる少女のお話である「なのはな」と描き下ろし「なのはな―幻想『銀河鉄道の夜』」では,あの事故で大切な人を亡くした少女ら家族が,それでもその場所で生きていこうとする力を感じました.今まで通りには生活できないけど,(たくさんのものを失ったけれど),それでも一生懸命生きようと前を向いているのが印象的です.また,描き下ろしでは大切な人との別れが描かれています.それは主人公の少女にとっての癒しだと思ったので,それを読むことができて涙がでました.

    次に「プルート夫人」,「雨の夜―ウラノス伯爵―」,「サロメ20XX」は,放射性物質の擬人化から人間の姿をみるというようなお話になっていました.確かに,その便利な点ばかりに目が行ってその恐ろしさは見て見ぬふりをしていたのかもしれないと思いました.登場人物のなかの金持ちのおじさんは多くの日本人を象徴しているようでぞっとしました.しかし,このままではいけないと周りにその危険性を伝える人物もいて,情報を得てたくさんの意見から今後どうするのか,話し合わなければいけないと思いました.

    最後に出てきた‘もしかしておこるかもしれない生きる者のない未来’にならないようになんとかしればいけませんね.


    ほんとのほんとの最後に,カバーを外した時の柄が一面の菜の花に人間や犬などがみんなでおどっているように見えてちょっと幸せな気分になりました.読み終わってから見たらどきっとしました^^

  • 書き下ろしの作品が特に秀逸。ひかりの素足を久しぶりに読み返すきっかけにもなった。大切な人の死をどう受け入れていくか、最近自分にも起こった課題だったので、それを解決するためのきっかけになったかもしれない。

  •  東日本大震災の後、いろんなクリエイターが衝撃を受けて、作品づくりに苦悩を抱えている様ですが。萩尾先生の苦悩の跡がみられる短編集です。魅惑的で危険なキャラクターを擬人化している話が多いですね。そしてそれに翻弄される人を描いてます。表題作の「なのはな」という印象とは違う白い表紙のカバーの下には、鮮やかな黄色い菜の花が描かれています。こんな風にまた花を植えたいと思える気持ちになって欲しいです。

  •  震災を題材にした作品を読むのは2作目。
     前に読んだ須藤真澄の「金魚草の池」が鎮魂の色合いが強いのに比べると、こちらは「怒り」を強く感じる。

     ……しかしながら、なんだろうなぁ……もすこしプルトニウムやウランが魅力的であればいいと思ってしまう。なんというかそれは、逃げなのかなぁ。

  • 自分の求めている震災後の表現は、こういうものではない。逆に言えば、この状況を前にしての表現の難しさ、読むことのむずかしさ、か。

  • ウランやプルトニウムの危険性を、擬人化してわかりやすく説明してあってわかりやすい。
    ただ、東電を批判するだけの話とは違って、原発を取り入れたのは人間であるという点をきちんと書いていて、電力会社を批判するだけの他の本とは一線を隔している。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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