浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

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著者 : 劇団雌猫
  • 小学館 (2017年8月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091792341

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)の感想・レビュー・書評

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  • 趣味に関する浪費について、免疫があると思っていたけど・・・・!思った以上でした!課金マウンティングなんて初めて知りました。

    浪費する動機や理由、浪費して得られるものはそれぞれ違うけれど、その内容のインパクトはどれも秀逸にエグいです!

    ヲタが経済を回しているのかも、と思える一冊。

  •  私が若く貧しかったころ、本を買うお金と遊びに行くお金を「精神のパン」と名づけ、食費と同じように大切なものと決めていた。やばいな、もうお米もなくなるのにな、と思いながら、その場かぎりのぴかぴか光るような時間にお札を突っ込んだ。カネがないなんて誰にも言わなかった。かわいそうになりたくなかった。困ってなんかいない、努力なんかしていないという顔を保って、楽しいことをしたかった。お金がなければないほど皮膚が鋭敏になり、生きている、という感じがした。

     生活が落ち着いてからは旅行が趣味に加わった。結果、道楽の費用は家賃にせまる勢いである。ほかのどの家計費目よりぶっちぎりに高い。全体に豪快なのではない。むしろけちだ。嫌いな単語は手数料と(取られるほうの)利子。地下鉄一駅ぶんどころか三駅分は歩く。何のために?趣味のためにだ。美しいものを読んで、観て、体験するためだ。エステ?タクシー?会員制ジム?ははは、ご冗談を。

     そんな自分をなかなかの極道者だと思っていた。けれども、本書を読んで反省した。「精神のパン」どころか、フルコースいっちゃってる人たちがばんばん出てくる。そしてその浪費哲学を余すところなく語っている。貴族だ、と思った。この人たちは貴族だ。彼女たちと比せば私は「精神のパン」に干し肉をつけただけで満足している清貧の民である。私は字が書いてある紙があれば最低限の幸福を得ることができる。こんなに安上がりな種族もない。

     どちらが良いというものでもないが、清貧の民のみなさん、貴族の舞踏会、覗いてみたくはないですか。私は覗いてみたかった。だから買った。そして衝撃を受けた。貴族、すごかった。精神の貴族たるものの価値判断は全力で当人の「尊いと感じるもの」に準じている。今年は野菜が高いから、というような判断は脇に除けられる。だって、貴族だから。生まれた時からの、ではなくて、当人が選んだ「神」に理性をもって決定した内容の献金をおこなう信仰者であるから。その背筋はいつでもすっきりと伸び、その瞳はきらきらと輝き、暗いところで字ばかり読んでいた私は舞踏会への馬車を見送るような気持ちになる。自己決定による多様な「王子さま」を措定し、平気でそれを取り替えたりする、強靱なシンデレラたち。

     何がすごいといって、エネルギーがすごい。たとえば毎週舞台を観る、それだけでも私なら力尽きてしまうのに、チケットの売買を重ね、なんならその舞台のためだけに弾丸海外ツアーを敢行する。翌日はなにくわぬ顔で出勤する。そして得たお給料でまた、舞台を観る。そのありさまを読むと最初はあきれて、それから感動する。

     いくら好きでもそんなに入れ込んだら疲れないかと思うんだけれども、貴族たちは疲れるどころか元気になっている。なんなら生きる動機を得ている。生きる動機とか滅多に買えないし、それなら使えるだけ使ってもいいのかな……と思えてきたら、本書のねらいのとおりなのだろう。周囲から浪費ととられる出費は彼女たちの人生に欠かせない「愛」だ、と主張するために、本書は書かれた。きっと。

  • 「自分はまだマシだ!」と安心したり、「わたしの嵌った沼の深みはこんなもんじゃねぇ…!」と戦々恐々したり、めちゃくちゃリアルなホラーだった。
    ジャンル違いのヲタ友に布教しようと思う。

  • 端から見たら何でそんな事にお金突っ込んでるんだっていう疑問の理由が浪費当事者によって書かれているから、その心理状況ってこうなのか~ってのが分かってすごい面白かった。後半のアンケート結果もリアル。そして自分だけじゃないんだって勇気出たw

  • 推しのえっちな絵が見たいという原動力
    ここまでのめりこめるものがあるというのがある意味羨ましい。

  • 色々な人々がおりますね〜

  • 私もオタクだが、良い意味でレベル高すぎ!
    でもみんな楽しそう。
    いろんな生き方があって良いな。

  • 会社のオタク仲間に借りた。
    基本的には、好きなものにお金をつぎこむのって、自分も楽しいし相手に貢げるので、そういう対象があるのは楽しいことだなと思った。
    ゲームのガチャは、自分は同様のゲーム(刀剣乱舞)を課金せずにやっているので、課金する人をやや節操がないというイメージで見ていたのだが、よく考えると、自分もゲームに対するモチベーションはあまり違わなくて、つぎこむものがお金か時間の違いしかないなと思った。ゲーム上の画像は大抵ネットでネタバレされているので、その画像が純粋に見たいというより、レアなキャラや画像を自分でゲットしたいという射幸心と、他人にそれを自慢したい心理なんだよな。こう説明すると、純粋にそのコンテンツが好きといえるのか?と言われてしまいそうだけど、前提として世界観やキャラが好きでなければそこまで入れ込むこともない訳で、投稿者が言っていた、「課金したいと思わなくなったらそのコンテンツに飽きたということ」というのが、まさにそのことなんだろうと思う。
    こんな感じで、(金額はともかく)概ね共感できたのだが、レア画像を「エロい」と表現していることについて、あんスタをやっている友人が、「別にエロくはない。この表現は誤解を招く」と言っていた。確かになあ。この人がそう受け取るのは自由だけど、知らない人が読んだらエロいゲームなのか、と思ってしまう書きぶりになっていて、ちょっと配慮が足りないなあ。あと、この文章に限らず、女オタ(腐女子?)がそういう下品な語彙を軽々しく使う風潮も気に入らん。その作品をそういう目線で見ていない人に対して失礼だし、同じ言葉を男が使ったら変態扱いされるだろうに、女だから許されるだろうという感覚なのも嫌。
    あと、同人誌の人だったか、「イナゴ」という定義に衝撃。いや、そういう人を批判する文脈ならわかるのだが、そういう人目線で「このジャンルは入りやすい・入りにくい」みたいなことを言っているのが怖かった。好きだからハマるんじゃなくて、ハマりやすさ(&抜けやすさ)でハマる作品を選ぶのか…。
    生身の人間に貢ぐ人(声優やホスト)は、お金を出した分自分がなにかを得ているならいいんだけど、相手を幸せにすることで間接的に自分が幸せになるという図式は、その気持ちを利用して搾取されているように見えてしまう(両想いならまだしも、と思ったが、両想いの関係性でもあり得るか)。
    地下声優の人は、その声優さん本人が好きというより、接触度が高い人にどんどん乗り換えていくのが印象がよくなかった。
    バンギャの人は、表現がおおげさなわりに支出は大したことなくて、いまいち。遠征もそんなにしてないみたいだし、ドリンクチケット代とかコインロッカー代とか、数百円でしょ。塵も積もればなのはわかるけど。
    触られたい人は、最初はなにごとかと思ったが、納得。最終的に最適解に行きついていてよかった。
    ディズニーの人は、コンテンツの規模が大きく安定している&ストーリーが終わったりキャラが変化してしまうことがない、というのは確かにうらやましいなと思った。

  • 同人誌よりも内容がバージョンアップしているので、同人誌を持っているけど未購入だという人にも買ってほしいなと思いました。
    どの話も面白かったのですが、ロザンに浪費する方の話が特に好きです。自分の好きなものに癒され自分自身が救われるのは意識してなくてもある事だと思ったのと、自分の好きなものがもっと愛しくなりました。続編も出てほしいという気持ちを込めて星四つです!

  • 確かにそれは「浪費」ではなく「愛」。
    皆ジャンルは違えど、捧げる情熱は一直線。
    こういう情熱は、ないよりもあったほうが人生は潤うし、楽しいよね。
    でもお金の使い方は計画的に・・・。

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浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)の作品紹介

これは「浪費」ではなく、「愛」です。

2016年末に発行された文芸同人誌『悪友』。
現代のオタク女性たちが、どのようにお金を使い、対象に愛を注いでいるのかを赤裸々に綴ったこの本は、Twitterを中心に話題になりました。

そんな話題の同人誌が、この度書籍化!
アイドル、俳優、声優、同人誌、舞台、コスメ、ホスト…などなど、何かに熱い「愛」を注ぐ女性たちの匿名エッセイはもちろん、「トクサツガガガ」の丹羽庭先生による描き下ろしコミックエッセイや、アイドル好きが高じてアイドルの振付師になったタレント/振付師の竹中夏海先生へのインタビューなど、新たに内容を増補し、更に深く、多角的な「愛」の形を表現しています。

また、2000人を対象に採ったアンケートでは、衝撃の真実が発覚!?貯金額や手取り、クレジットカードが止まった話…などなど、なかなか人におおっぴらには言いづらい、オタク女性たちの真実の姿が描かれています。

「あ~この気持ち、分かる分かる!」と頷きたいあなたも、「最近の若いもんはどんな風にお金を使ってるんだ…?」と興味本位なあなたも、是非、お手にとってみてください。

【編集担当からのおすすめ情報】
あなたの周りにもいませんか?「○○オタク」な女性…。
職場では一切ナイショにしているけれど、週末は推しのコンサートで日本全国飛び回ってます!な人だったり、逆にインターネットで見かける「この人、毎週毎週いろんな舞台を見てるけど、お金の出所はどこなんだろう…」な人だったり。

そんな女性たちが、対象に「愛」を注ぐために、いったいどれだけのお金をどう使っているのか。この本は、完全匿名のエッセイとアンケートで、彼女たちの真実の姿を暴きます。

他人にとっては「浪費」に見える彼女たちのお金の使い方。でも、それはれっきとした「愛」なのです。
まったく新しい真実の「愛」の形、お楽しみください!

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)はこんな本です

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)のKindle版

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