- Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091792693
作品紹介・あらすじ
わたしを真に幸福にするのは、誰なのだろう
ダルダル星人の姿を隠して、一生懸命に「働く24歳女性」に「擬態」するダルちゃん。
初めての友人や、恋人、そして詩の創作と出会うことで、
「ほんとうの言葉」を見つけていきます。
生きづらさに何度も打ちのめされそうになっても、
「表現する」ことが、わたしを救ってくれる。
そして、少しずつ、世界は、これまでと違って見え始める――
資生堂のウェブ花椿にて2017年10月~2018年10月に連載されていた本作。連載時より「しんどいけれど、読む手がとまらない」「ダルちゃんは、私だ」と大反響の声が集まった傑作コミックを、フルカラーで単行本化。
自分を真に幸せにするのは、誰なのか。
その答えに自ら辿り着こうとする姿に心揺さぶられます。
希望が射す圧巻の物語完結編。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者のはるな檸檬氏は、宝塚ファンの日常を描いた『ZUCCA×ZUCA』や、自身の読書遍歴を描いたコミックエッセイ『れもん、よむもん!』等で、日常の微細な心の動きをすくいとる描写が大人気です。
今作はこれまでとは趣が変わり、女性の生きづらさや、創作に携わる人物の孤独を描き出す長篇作品です。
1巻で出会った人たちとの関係が、少しずつ、でも確実に変わり出す2巻。
ダルちゃんにとって、世界の見え方が少しずつ変わる様子は、
苦しくもあり、でもあたたかな光も見え、
読後のわたしたちの世界の見え方も変わるように感じます。
生きづらくても、しんどくても、
それでもなお生き続けていこうとこの世にふみとどまるすべての「わたしたち」は、
きっともうひとりのダルちゃんです。
著者の新たな代表作と言える傑作です。ぜひお読みください。
感想・レビュー・書評
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おっさんの読むもんじゃない気もするけど、以前ウェブで見かけて続きが気になってたので読んでみた。
序盤のダルダル星人の説明は、村田沙耶香のコンビニ人間を連想した。この作品のほうが後発だから、もしかしたら影響を受けた部分があったのかもしれない。
なんで二人が別れなければならないのかよくわからない部分もある。そんなに硬直的にならずに柔軟な道を探る方法だってあるんじゃないか。しかし文字通り硬い確信と決意があったのかもしれない。
他の人のレヴューも読んでみたら、単なるポジティブな感想よりもダルちゃんの身勝手さや無神経さを指摘した批判的な感想のほうがおもしろかった。もし男女が逆だったら主人公はメタクソに言われるだろう、という感想が印象的。
偽りのない自分になる、居場所を見つける、という意味では、それをグロテスクに描いたのがコンビニ人間で、キレイに描いたのがこの作品なのかも。しかし、それでも普通でいることは大事だ。殺されかねないので。本当に。だから偽らないでいられる居場所や人間関係を確保することも本当に大事だ。 -
表現ってやめられないよね。息をするのと一緒だから
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花椿で連載中に一気に読んでしまいました。ネットでは酷評も多くあったけど私は好きです。泣けました。
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許せること許せないこと
自分を許すこと相手を許すこと
少しは許せるなぁと思える範囲を
少しずつ少しずつひろげると
きっと自分にも人にも
優しい気持ちで向き合えるよね
許せないとき
がまんできないとき
何かに誰かにぶつける前に
静かに距離を置けるのも
許す練習なのかもしれない
窮屈さは誰でも感じるタイミングはあって
解放する手段をいくつか持っているといいのかもね -
自分の幸せを第一に守ること
自分のありのままの姿を受け入れて表現すること
自分の本当の気持ちに嘘をつかないで動くこと
それが自分の個性を輝かせ
自分にとって心地よい人間関係をつくり
そばにいる人を幸せにできる
漫画でゆるい絵で読みやすいのに
尊くて愛しいと思える日々を送るヒントが詰まった
実はとても深い本だった -
世間の人がどう思おうが、何を言おうがどうだっていい。大切なのはひとつで、私が今ものすごく幸せだってこと。それだけ。
思ったことを素直に口に出して、それが普通に同意されて、とても嬉しい。楽しい。
人生って、いくらでも可能性があるんだよね。私が思ってたよりずっとたくさんの道はあるのかも。
その先にあるものが見たい。世間の評価とかそういうんじゃなくて。もっと、その自分との。
私にできることは自分を幸せにする。それだけ。私を幸せにするのは私しかいない。誰かを幸せにするなんてそのずっと先の話。
私は自分で自分をあたためることができる。自分で自分を抱きしめることができる。それが希望でなくてなんだろう。
人生には思いもかけないことがたくさんある。苦しみも絶望も私たちを離してはくれないけれど、長く歩んだその先に見出される希望がある。幸福がある。必ずある。だから私たちは生きていける。生きていけるよ。