邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
4.01
  • (214)
  • (154)
  • (183)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 1369
感想 : 123
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091811974

作品紹介・あらすじ

▼第1話/狩人は森に佇(たたず)む▼第2話/巫女は街を目指す▼第3話/軍人は絶望に沈む▼第4話/情報部員(エージェント)は暗黒を孕む▼第5話/疾(はや)き車は街を駆ける▼第6話/塔(タワー)は決闘に震える▼第7話/邪眼は月輪に飛ぶ

●主な登場人物/杣口鵜平(そまぐちうへい。かつてミネルヴァを撃ち落とした老マタギ)、輪(りん。鵜平の娘。巫女。超常的な力を持っている)、ミネルヴァ(見る者を殺すフクロウ)
●本巻の特徴/東京湾で座礁した米軍の空母から、一羽の鳥が逃げた。そのことで多くの兵士が死ぬ。さらに東京の街中にやって来たその鳥は、空前の死者を出す。その鳥とは、その眼で見られた者はすべて死んでしまうという一羽の恐ろしいフクロウだった。かつて猟師仲間とともに、そのフクロウを一度は撃ち落とした鵜平は、米軍の要請を受けて、再び銃を取る――。スピリッツ誌上で好評を博した集中連載が、カラーページ完全再録で単行本化!
●その他の登場人物/マイケル・リード准尉(米陸軍特殊部隊[デルタフォース]の肉体派)、ケビン(米中央情報局[CIA]所属。表向きは書記官)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いただきもの。

    その眼で見つめられた者は皆死ぬ…恐ろしい邪眼を持つフクロウ「ミネルヴァ」。野に放たれたミネルヴァを仕留められる者はいるのか…

    手に負えないものなのに、支配下において切り札にしたがるのが人間の愚かさなんだなー。

    職場、本院の方にはフクロウ像があるらしいけど、ミネルヴァが棲みついたら困るな。

  • 一冊簡潔なのでサクッと短時間で読める。なおかつ熱い。登場人物一人ひとりが秘めた情熱を持っていて熱いので凄く応援したくなる。いつもの藤田節。

  • 見るもの全てを死に追いやるフクロウ「ミネルヴァ」と、昔ミネルヴァに傷を負わせた漁師の因縁の戦いを描く一冊。
    アツイ展開に息を呑み一気に読み切る。すごく良い。

  • のっけから、謎の「鳥」を理由に大量に人が死ぬ、メディア越しでもその能力は発動する、軍が動いて頑固な猟師の元に…と、オカルト要素と現代社会への警鐘も織り混ぜつつの藤田節。

  • 青年誌に掲載されたとのことやけど、青年からジジイが努力、友情、勇気で勝利を掴むっつう感じ。 嫌いではないし、グッとくるシーンもあり。 邪眼が最期にまみえるシーンはぞくっとしたな。

  • 一巻完結とは思えない密度の高さ。「赤ちゃんになりたかった」白面のように藤田作品の化け物にはどこか人間らしい部分があって、「人間と大した違いはない」という鵜平の言葉に作者の想いが込められている気がした。だから藤田作品の敵の散りざまには言葉にできない切なさがある。

  • 人に薦めたきっかけで再読。「うしおととら」「からくりサーカス」が知られる藤田和日郎先生の描く、珍しく1巻のみで完結の作品(その気になればシリーズ化できそうではある)。
    その目で見られたものはすべて死んでしまうという1羽の恐ろしいフクロウが、東京湾で座礁した米軍空母から逃げ出した。そのフクロウ、コードネーム「ミネルヴァ」は都内を飛翔し、空前絶後の死者を出す。かつてそのフクロウを一度は撃ち落とした漁師・鵜平は、米軍の要請を受けて銃をとるが…。
    作品としての分厚さ、迫力は「白鯨」や「老人と海」「羆嵐」といった作品(どれも小説だけど)に劣らないすさまじさ。すべてを捨ててフクロウに挑む者たちの戦いは、漫画らしい荒唐無稽さでありながら、リアルです。そしてまた、「ミネルヴァ」もまた、凶悪なだけの敵キャラではないところが良いですね。読む人を選ぶクセのある画なれど、一読してほしい怪作。

  • 描き込みの量が凄い…過去のある人どうしがぶつかると、やはり濃いドラマが生まれるんですね。
    少年マンガの登場人物がそのまま大人に置き変わったみたいで、素直に読めています。

  • 粗さはある、ベタさも気になる、でもそれもよし。
    剥き出し感よし。

  •  最高。藤田和日郎ファンなら読むべきだし、そうでなくても読むといいと思う。

     双亡亭然り「どうやって勝つんだこんなの」って敵が出てきて、絶体絶命の状況を命懸けでどうにかするのが本当にアツい。
     おどろおどろしい敵や設定、伝奇っぽい呪術と交錯する近代兵器、そしてちょっぴりお色気があって、藤田和日郎ここにあり!という感じ。
     一気に読むと信頼関係を築くのが少し早いかなという気はしなくもないけど、そんな小さなことが気にならないくらい、期待以上にきっちり面白かった。
     1巻完結というのも読みやすいし、フクロウと鵜平の対比構造があり、良く錬られたドラマがあり、それぞれの抱えた葛藤や悩みもまとめて大団円へと昇華していて、本当にすっきりと読み終えることのできる一冊だった。

全123件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤田和日郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×