家栽の人: スミレ (2) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館 (1989年9月30日発売)
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091816726

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  • 初版 小ヤケ

  • 桑田判事は聖人か(笑)。気持ちが洗われる感じ。面白いけど、桑田が出来すぎる人なので緊迫感が少なめ。盛り上がりに欠ける印象。

  • 桑田さん生理的に受け付けない

  • 「家裁に来るような少年達は人生のスタートで冬を味わっている」

    全編を通して語られる、人間の心の機微。

    桑田判事の人間性に心惹かれる。

  •  家裁、すなわち家庭裁判所では少年犯罪が審理される。この作品は家裁判事である桑田義雄という人物を主人公にして家庭裁判所という舞台に登場するさまざまな少年たちと桑田判事との出会いを綴った作品である。「おっ、題名にある家裁のサイの字がまちがっとるばい。」というご指摘もあろうかと思うが、これでいいのだ。主人公の桑田判事はいつも植物の世話ばかりしている何となくぼーっとした判事である。そして彼の少年の非行に対する取り組みも植物の世話とよく似ている。「育てなければ…毎日愛して、そこから始めませんか」と言う桑田判事の語りかけは家裁は裁くところではなく栽(そだ)てるところだというこの作品の底流に流れている。だから〈栽〉の字でいいのである。
     扱われている素材は少年の非行である。教育の現場(学校やら家庭)が切り捨ててしまった少年少女たちの傷をそのまま受け入れ、自分の力で育っていけるように桑田判事は彼らに接していくのである。
     東京第二弁護士会の山崎司平氏が監修しているので、事例はおおむね実際の事件に基づいているのかもしれない。それだけのリアリティがあるし、法律的なバックグラウンドも確かである。きびしい状態に置かれた子どもたちを我々はどう理解しているのか、を具体的な事件を素材に見つめてみることは必要ではないだろうか。特に法律の世界は無視し、教育の理念も省みずに子どもを切り捨てている教育現場の人間にはぜひとも読んでほしい作品である。また、第十三巻から十五巻はあの福岡でおきた生き埋め体罰事件をモチーフとして描かれている。全十五巻のうち三巻を費やして語らなければならないほど、あの事件は桑田判事にとっても重たい事件であったのだろう。それに対して福岡の教員は答えを出したのだろうか。三越三郎というどこかで聞いたような名前の博多弁をしゃべる弁護士も登場する。さあ、あなたも姿と名前を変えて出ているかもしれないよ。


    ◎実は荒れている少年たちに読ませたい。
       ★★★★★(これは特上五つ星)

  • 理想。

  • ものすごい温和な裁判官だけど、きっとホントは厳しい人なんだろうと思う。でも、こんな裁判官がホントにいればいいのにと思う。花や植物が好きな心優しい人。

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著者プロフィール

毛利甚八(もうり・じんぱち)
1958年長崎県佐世保市生まれ。
日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、ライターとして活動。
1987年より漫画『家栽の人』(画・魚戸おさむ、小学館)の原作を担当する。
1994年より1998年にかけて民俗学者・宮本常一の足跡を追う旅を行い、『宮本常一を歩く』(上・下、小学館)を上梓。
2001年より大分県に住まいを移し、地元の少年院で月に1回ウクレレを教えている。
著書に、『九州独立計画 玄海原発と九州のしあわせ』(講談社)、『少年院のかたち』(現代人文社)、『白土三平伝』(小学館)などがある。

「2015年 『「家栽の人」から君への遺言 佐世保高一同級生殺害事件と少年法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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