美味しんぼ: ラーメン戦争 (38) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091826381

作品紹介・あらすじ

「食」ブームを巻き起こし、アニメ、映画化された大人気コミック!

●登場人物/山岡士郎(東西新聞文化部員・膨大な食の知識を持つ。東西新聞の壮大な企画「究極のメニュー」の作成を担当)。栗田ゆう子(東西新聞文化部員・山岡とともに「究極のメニュー」を担当する)。海原雄山(名だたる陶芸家にして、食の探究者。「美食倶楽部」主宰。山岡の実父) ●あらすじ/山岡は、荒川夫妻から夫妻の友人の橋田という男のことで相談を受ける。彼は大手自動車会社の御曹子で、その将来を嘱望されていたにも関わらず、会社を辞めてラーメン屋を始めたという変わった経歴の持ち主。ところが、そのラーメン屋がまったく繁盛しないという。山岡は、まず皆をおいしいと評判の屋台“流星一番亭”に連れていく。“流星一番亭”は、目星をつけたラーメン屋の近くに屋台を出し、客を奪うことでその店を乗っ取って傘下に入れるという強引なやり方で、急成長しているチェーン店だった。その“流星一番亭”に目を付けられた“金銀軒“の母子と、ひょんなことから知り合った山岡たちは、“流星一番亭”に負けないラーメン作りに取りかかるが……(第1話)。 ●本巻の特徴/この第38巻では全編を通してラーメンについての話が描かれる。その中で、日本人がなぜこんなにもラーメン好きの民族なのかという謎にもせまっており、非常に興味深いストーリーになっている。 ●その他の登場キャラクター/荒川カメラマン、おちよ(第1話)、 ●その他DATA/表紙写真~ラーメン

感想・レビュー・書評

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  • 日本人は、なぜラーメンが好きなのか?
    自動車会社の御曹司が、会社で成績を上げて、
    リタイアー。そして、ラーメン屋を始める。
    しかし、ほとんど流行らない。
    その理由は どこにあるのか?
    山岡、栗田コンビは サポートする。

    ラーメンは地球を救う という 
    日本ラーメン総合開発研究所 の所長にも
    援助を仰ぐ。
    ラーメンのデータベースがあり、
    味の評価もされている。
    そこには、メン、スープ、具のプロフェッショナルがいた。

    ラーメン党が ラーメンは地球を救う と言っていたが
    その流れが、この 物語には 貫かれる。
    まぁ。雁屋哲の美味しんぼは まさに 食が人類を救う
    という ポリシーがありそうだ。

    流れ星一番亭の真摯なラーメンへの姿勢と
    美味しくないラーメン屋を 強引に チェーン店化する。
    流れ星一番亭のオーナーは 雉川といい、
    アメリカで ハンバーガーチェーンを成功させたが、
    簡単に首を切られ、
    そして リベンジで ラーメンチェーンをめざす。
    日本人好みのサカナだしをつくりつつ
    アメリカ人好みの肉からのスープを研究する。
    とにかく、厳しく 真摯なのだ。
    『品質が良いものが勝つ』という鉄則を信じている。

    それに 立ち向かう 山岡。栗田。

    最初は スープを どうするのか?
    メンはどうするのか?
    プッツリ、プッチン、もちもちプッチン、しこしこ。
    メンをつくる上で、カンスイとはなにか?
    なぜ、カンスイがいるのか?

    かまぼこは、サカナのすり身に塩を入れれば、
    ねっとり、とろりと 歯ごたえのよい かまぼこになる。
    うどんも 小麦粉に 塩を入れれば、
    しこしことした メンとなる。

    らーめんのちぢれは、手でもんだり、製麺機で縮れさす。
    つまり、カンスイは関与していない。
    縮れていると、口あたりよく、スープがなじむ。

    たしかに 新疆ラーメンは、ちぢれず、つるつるしている。

    カンスイは 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重合リン酸塩。
    カンスイを入れることで、小麦粉のフラボノイドと反応して
    黄色くなる。→黄色はタマゴだけではなかった。
    カンスイには、メンに特別の臭いが 生まれる。

    カンスイだけだと 普通のラーメンのメンになる
    重合リン酸塩だと、メンの臭いがなくなる。
    重合リン酸は グルテンをつくりやすい。
    ただし、重合リン酸塩は、身体に良くないと言われている。
    炭酸ナトリウム、炭酸カリウムだけは、メンはぷっつりと切れる。

    中華麺には マニトバ種よりも
    オーストラリアのプライムハード種がいいと言われている。
    『強力粉(タンパク質を多く含んでいる)用銘柄で
    パンや中華めん等の原料として用いられる。』

    うどんは 中力粉。タンパク質が多いとモチモチ感がでない。

    サカナの出汁をうまく使うとすれば
    メンを細くして、しゃきっとした歯ごたえのいいメンとする。

    アジ節とナンプラーのサカナのうま味に対して
    さっぱりしていてコクのある味をめざす。
    牛と豚の合い挽きは、ショウガときざみニンニクと
    香りをづけに、八丁味噌と醤油で味付け。
    スープはトリ、トンコツ、豚アタマ、豚の背脂、牛骨、野菜で出汁をとる。
    味は醤油味。
    具はメンマ。とチャーシューではなく煮豚。

    それで つくって出陣するが、お客はさっぱり来ない。
    海原雄山 登場。
    『上品すぎることがラーメンの求める価値ではない。』

    ラーメンに対する想いは 『くらい熱情』ではないかと
    栗田さんは言う。
    グルタミン酸とイノシン酸のバランス。
    あくまでも、グルタミン酸の力が。

    なぜ、ナンプラーから 醤油に変化したのか?
    日本人は 醤油の前に ナンプラーを使っていた?

    ふーむ。
    ラーメンが いきついた先は 日本人の味覚にストライク
    ということかな。

  • 久々の再読。ラーメン薀蓄あれこれは面白いのだが、毎度のことながら登場人物が本当に下品な人ばかりでうんざり・・・といいながら、ほぼ全巻持っているかもしれない・・・。

  • 最近はつけ麺が旨い

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著者プロフィール

本名、戸塚哲也。1941年、中国・北京生まれ。東京大学教養学部基礎科学科で量子力学を専攻。卒業後、電通入社。3年9カ月で退社後、劇画原作者として活躍。1983年より『美味しんぼ』(画、花咲アキラ)連載開始(第32回小学館漫画賞受賞)。1988年より「教育難民」として、オーストラリア・シドニー在住。
原作担当漫画に『まさかの福沢諭吉』『マンガ日本人と天皇』(画、シュガー佐藤)、『男組』(画、池上遼一)、『野望の王国』(画、由起賢二)ほか多数。著書に『美味しんぼの食卓』(角川書店)、『雁屋哲の美味しんぼ列島』(日本放送出版協会)、『日本人の誇り』(飛鳥新社)、『美味しんぼ塾』『同 II』(小学館)、『美味しんぼ食談』(岸朝子と共著)、『シドニー子育て記』、『頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ』、『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)など。

「2017年 『さようなら!福沢諭吉 Part2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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