犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)

  • 124人登録
  • 4.30評価
    • (14)
    • (17)
    • (1)
    • (0)
    • (1)
  • 16レビュー
著者 : 谷口ジロー
  • 小学館 (2009年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091826831

犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 谷口ジローの12の短編集

    『約束の地』はヒマラヤアンナプルナが舞台。
    『山へ』は年老いたマタギが因縁の大熊を追いかける。

    谷口ジローの作品は素晴しい!!

  • 欧州でもっとも高く評価される日本人漫画家谷口ジロー。その代表作の「犬を飼う」を読む。緻密な風景。その線描写の美しさ。動物への愛おしみ。リリカルな、静かな物語の美しさ。文句のつけようのないアンソロジーだ。

  • 『マンガで学ぶ動物倫理: わたしたちは動物とどうつきあえばよいのか』からの派生読書。伴侶動物に関する本に挙がっていた。対象となっていたのは表題作である。この版は選集であり、必ずしも伴侶動物に関する話ばかりではないのだが、全13作の短編は、動物と暮らしたり、自然と向き合って生きたりという話が目立つ。

    表題作が冒頭「犬を飼う」。ストレートに伴侶動物の老いと死の話である。若い夫婦が雑種の犬を飼い始める。しつけ、運動、散歩。犬はいつも、子のない夫婦のまんなかにいる。時は経ち、犬は14歳。老いが忍び寄る。散歩の足取りが重くなる。必ず外でしていた用足しに失敗するようになる。やがて歩けなくなり、寝たきりとなる。夜鳴き、痙攣、痴呆症状。生命力の強い犬は、苦しみながらも生き続ける。夫婦もそれを見守り続ける。
    端正な絵で綴られる死の肖像である。

    夫婦のその後を描く続編が3編。
    その他は、著者の若き日がモデルであるような話も挟みつつ、野生動物ものや自然の厳しさを描くものが多い。
    ヒマラヤのユキヒョウの話、クジラの墓場の話、アラスカの凍土に生きる人々。
    原作があるものもあるが、実話なのかフィクションが混ざっているのか、不思議な感じで終わる話もある。

    「山へ」と題されたマタギの話。マタギが開いた秋田の村。時代の流れにしたがって、生活の中心は農耕に移っていたが、猟期になれば銃を取るのが村の男たちの常だった。元マタギの軍八が猟を止めるきっかけとなったのは、片耳の大熊との死闘だった。以来、猟はしないと決めていた軍八だったが、姿を消していた大熊がまた現れたという。軍八は過去の因縁にケリをつけるため、再び銃を手にする。
    この話にはマタギ犬である雌のシロが出てくる。マタギ犬というのがどういうものなのか、なかなか興味深いエピソードがある。犬の出産のくだりはちょっとそんなことがあるのか判断がつかないが、意外にあることなのかもしれない。

    ちょっと異色な感じがするのは「秘剣残月」。元会津藩士がアラスカに渡り、彼の地で英雄となるが、悪党の陰謀に屈し・・・、というような話。西部劇とチャンバラとイヌイットの伝説が混じったような不思議な味わい。1編の映画のようでもある。

    最後に収められている「百年の系譜」は、軍犬となったジャーマン・シェパードの話である(cf.『犬の現代史』)。シェパードが徴用されるまでの物語は、戦争へと向かう時代の空気がひしひしと感じられる。ラストはぐっとくる感動作なのだが、モデルとなるような話があったものか。大半の軍犬はおそらく悲しい運命を辿ったはずであるが、あるいはこんな奇跡もあったのか、あったのだとよいのだが。

    一昔前の物語という印象を受ける話が多いが、人と動物、人と自然をじっくり味わう余韻のある作品集である。


    *谷口ジローは、個人的には「坊ちゃんの時代」シリーズの印象が強いです(こんな作品もありましたが。→『父の暦』)。
    バンドデシネに影響を受けているとのことですが、端正な絵ですね。端正だけど、華奢ではない、というか、この人の描く絵(特に女性)は、どことなくがっしりしている感じを受けます。描線は繊細なのに描いている身体が骨太に感じるといったらよいのでしょうかね。

  • それぞれが面白い◎

  • 冒頭の老犬の話からして涙腺を緩ませる上質な短編集。
    日常も山も西部劇と分野は広いが淡々とした感じと男の静かな熱さが沁み入ります。

  • 犬を飼ったことはないが犬の最期とはこう弱っていくものと知ることができた。自分にはとても飼えないな。
    表題作は現代の都市部から離れた郊外が舞台だが、他の作品は時代が違ったり国や地域も違ったものもあり大体は動物や自然と絡んだ話となっている。

  • 電車で読んではいけない漫画。知人の犬の最期とまったく同じ状態だった。リアルすぎて読むのが辛かった。
    作中にも出てくるけど、安直に「かわいそうね」と言葉をかける無神経な人にならないようにしたい。

  • ☆☆☆☆★

  • 動物を飼う前に読んで欲しい本。その他の短編もいいですわー。

  • あまり心に響かず.

全16件中 1 - 10件を表示

谷口ジローの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 たかし
吾妻 ひでお
久住 昌之
有効な右矢印 無効な右矢印

犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

犬を飼うと12の短編 (ビッグコミックススペシャル)はこんなマンガです

ツイートする