スキエンティア (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

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著者 : 戸田誠二
  • 小学館 (2010年1月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091831064

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有効な左矢印 無効な左矢印
戸田 誠二
戸田 誠二
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スキエンティア (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)の感想・レビュー・書評

  • スキエンティアとは科学の女神で、基本は科学の力を借りて人の人生が幸福になる話ですね。
    どの話も泣けますが、好きだったのは第1話親にも愛されず、ろくなことがない人生だったため自殺願望のある若い女性が、四肢がマヒした車椅子の老婆に身体をレンタルします。
    「もう生きたくない」と思う若い女性と、「あともう一度だけ体を動かして生きたい」と思う老婆。
    考え方ってこんなに人を変えるものだな、と思う。

    それから最終話もよいです。
    売れないミュージシャンの二人。
    一人は魂と引き換えに、才能を全開させる機械を得ることを選び、もう一人は音楽をあきらめて結婚し、子供を得て、平凡なサラリーマン生活を選ぶ。
    あなたならどちらの人生を選ぶ?

    とにかくお勧めの漫画でございます!

  • 「香織さん、あんたもやるんだよ。
     やるんだ。できるよ。」

    科学が人を幸せにしたりしなかったりする短編集。タイトルは舞台となるビルの名前であり、「科学の女神」の名前(と言うことだけど単にラテン語で「知識」かな?)
    SFギミックが核になってるけど、SFと言うよりはヒューマンドラマ。

    登場人物の顔がみんな同じに見えるのでちょっと混乱する。表情がときどき昔の「ささだあすか」の絵に似てて好き。


    1話目「ボディレンタル」は自殺希望の女性が、車椅子の老婆に身体を貸すお話。まんま「未来ドロボウ」(藤子・F・不二雄)だけど、希望に溢れて爽やかで好き。

    ガジェットが一番好みなのは最終話「覚醒機」。
    使えば7〜8年しか生きられないが脳の潜在能力を覚醒して素晴らしい生き方ができるだろう機械を、使うか使わないか。使った男と使わなかった男の話。

    ドラマが好きなのは「クローン」。
    死んだ娘のクローンを産んだ母親の話。クローンである「妹」が「姉」が死んだ年齢を超える。ここで「妹」を別の人間として愛せるか、という方向に行くと陳腐だけど、「姉」の死を受け入れることが出来るか、という話になる。

    Amazonにオススメされる精度が良すぎて恐ろしい昨今です。

  • デビュー後すぐの著作を読んで、すこし精彩を欠く印象があったけれど、数年飛んだこの作品集は、そういうものを乗り越えた……すこし言い過ぎると、「神さまの著作」物になっている。こういう質感のお話って、いろんな書き方が出来ると思うけれど、この作品集については、そして戸田誠ニは、「誰もが“がんばりたい”のだ」っていうたった一つのメッセージに集約させていて、この表現が正しいかはわからないけれど……強かった。静かな傑作だと思います。

  • 個人的に好きな戸田さんの漫画ですけれども、面白かったような気がします! もうほとんど内容の方を覚えていないのですが…また読み返す必要がありそうです…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    SF設定のお話がいくつか入っていたかと思いますけれども、就寝前、しかも酒を飲んでいたために内容の方が…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    うーん、でもまあ、心に残るやうな話だったかと思います! 本当にこの作家さんはアレですね、まさにヒューマンドラマを銘打ちたくなるようなお話を描くのが上手いですねぇ…。

    というわけで、さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 面白い。未来はきっと面白い。

  • とてもいい漫画だ。どん底の中から見える光。

  • ヒューマンドラマSF。

  • 未来の世界では、満たされない思いを「技術」によって賄える

    でもそれは本当に幸せなのだろうか?幸せってどういうものか・・・
    に対して挑んだ作品
    どの話も、最後は心温まる描かれ方をしている

    癒やされてないとか、何か鬱憤がある方は読んで欲しい
    バンドマンとか、やる気が見いだせないフリーター・・・
    身体が思うように動かない老人や、病気に侵され先の長くない男

    自分はまだまだ幸せだし、これからもどんどん幸せになることが出来るんだなと思わされるストーリーが散りばめられています

    悩みがあるかたは一旦この作品を読んで欲しいです 何か感じることがあるのではと思います。

    色々な疑問が投げかけられますし、荒川弘さんの「銀の匙」銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)
    に通じるところもあるかと思いますので(幸せってなんだろう?)、銀の匙好きな方にもおすすめです。

  • 戸田誠二の漫画らしい、SFチックな部分と人の感情を詩的な表現でまとめてあると思う。
    何度読んでも、興奮するような高ぶる感覚を持てるのではなく、いつまでも心にひっかかる、そんな感じ。
    この微妙な感覚は、彼の漫画ならではなんだろうと思う。

  • スピリッツに掲載されてた短編集です。
    SFものですが、よい作品です。

  • 読んでいて、SFとヒューマンドラマは割と親和性が高いのだなあと驚いた。あるいは、そう思わせるくらいに戸田誠二の構成力が極めて高いのだろう。

  • なんの、意味があるんだろう。
    ここにこうしてることが。
    時々思う。
    でも正解なんてない。
    ただ、全力で生き抜くだけ。

  •  都市に聳え立つ高層タワー「スキエンティア・タワー」。その頂上にはスキエンティアと呼ばれる女神像が佇んでいる。スキエンティアが見下ろすのは、科学に根差し科学に依存しながら生きざるを得ない人々のささやかな暮らし。
     このコミックで描かれるのは、スキエンティア・タワーの見える街で、科学に翻弄されつつ人の生を懸命に生きる市井の人たちの人生の一瞬である。

     帯に“ヒューマンSFシリーズ”と銘打たれた本書は、週刊ビッグコミックスピリッツ及び月刊スピリッツに2008年から2010年にかけて断続的に掲載された連作短編をまとめたもので、7編が収録されている。
     それぞれに特殊な機械や発明品が重要なファクターとして登場。それらに関わって登場人物たちの生き様はどう変化してしまうのか。

     第1話「ボディレンタル」は自殺願望の女性が自身の身体を老婆に貸し与える話。藤子・F・不二雄の短編「未来ドロボウ」を彷彿とさせるが、設定は微妙に異なっておりラストの余韻は少し違った味わい。
     第2話「媚薬」では、女性に情熱を感じられない男が『誰かに惚れるために』強力な媚薬を服用する。人工的にドキドキ感を得た男が最後に見たものとは。
     第3話「クローン」は事故により失った娘をクローン技術で再生させようとする女性が主人公。蘇った娘は失くした娘の身代わりなのか。葛藤が主人公を襲う。
     第4話「抗鬱機」に登場するのは、薬よりも数倍効果のある精神を高揚させる機械。厳格な父の影響で全てに無気力に生きる青年は、この機械で仕事を人生を充実させていくが、大きな見返りも待ち受けているのだった。
     第5話「ドラッグ」では命と引き換えに『愛』を見る事が出来るという謎のドラッグが描かれる。このドラッグに惹かれた女子高生は製造者を探そうとするのだが、その決意の裏には複雑な家庭事情があった。
     第6話「ロボット」の主人公は長年建築に携わってきた中年男。自らの死期が近い事を知った男が、介護ロボットと共に過ごす最期の日々を情感豊かに描く。
     最終話「覚醒機」では三十路を迎えたバンドマンが人生の岐路に立たされる。そこで提示された選択肢は、寿命を縮めてでも隠れた才能を引き出すか、音楽の道を諦めて普通のサラリーマンとして生きるか。

     以上のように、各話には教訓めいた展開があり、基本的にはすべて「いい話」系のラストを迎える。そこが“ヒューマンSFシリーズ”と呼ばれる所以だろう。
     つまりこのコミックはSFでありつつ、作者が描くのは科学がもたらした人々の意識や心の変化なのだ。
     一人一人のライフスタイルが多様化し、コミュニケーションのあり方も変化しているこの時代、何かにすがりつかなければやっていけない時もあるし、人との関わりを絶ってしまいたくなる時だってあるだろう。
     「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」というのはSF作家アーサー・C・クラークの有名な格言だが、まさに本書でも科学によって魔法のような力を手に入れた人類が、その力を持て余しながらも強く生きていく様が描かれている。

     スキエンティア・タワーと女神スキエンティアはそんな科学の象徴として全編において登場人物たちを見守り、登場人物たちに見守られている。そう、本書はSFとヒューマンドラマを融合させた傑作コミックである。
     ちなみに評論家の福井健太氏によると、「スキエンティア」とはラテン語で科学の女神にしてサイエンス(science)の語源なのだそうだ。

  • いくら文明や技術が進化しても越えるのは自分である。逆に文明や技術がいくら進化しても人はそれを越えられる。というシンプルであり力強いポジティブなテーマでついネガティブになりがちSF的な世界観を疾走していたのが、好感。

  • テーマはとても解りやすくて簡単すぎる感じがあるけど、心情を描くのは本当にうまいなと思う。
    説教くさくならないところがいい

  •  素晴らしい短編集だった。

     重みはないのに情感があって、静かに確かに響く。

     人を突き動かしているものはたくさんあるんだな。でも、なぜか節目で人は一様に泣く。

     感動して泣き、怒り狂って泣き、悲しみに咽び泣き、嬉し涙を流す。質は違えど、大事な場面でことごとく人は泣く。

     泣くって行為だけがある種のサインなのかもしれない。何の誰に対してのサインなのかはわからないが。

  • スキエンティアとは、知識と科学の女神。このオムニバス漫画の舞台は近未来。高層タワーにスキエンティア像が掲げられている街でです。


    「ボディレンタル」「媚薬」「クローン」「抗鬱機」「ドラッグ」「ロボット」「覚醒機」という7つのストーリーは、いずれも「科学にすがって自分の人生を変えたい」と葛藤する人間を描いています。スキエンティアの女神は狂言回しです。特に私が好きなストーリーは「抗鬱機」と「覚醒機」です。

    「抗鬱機」の主人公が、自分と重なって見えてきて涙が止まらなくなりました。生きることは働くこと、自分を認めてもらうこと。私の願い、そのものでした。


    あなたに1番読んでほしいのは「覚醒機」。自分の寿命と引き換えに音楽の天才になる器械(機会)を、選んだ男と選ばなかった男。鬼気迫るライブの感動が押し寄せてきます。


    切なく儚くあたたかいストーリーと誠実な絵。漫画で泣いたのは久しぶりです。私も頑張って幸せになろうと、思いました。

  • おもしろい!星新一のショートショートみたい!そこまでブラックじゃないけど。短編SF。

  • ほんの少しだけSF風味のヒューマンドラマ。一話ごとの短編です。
    ずっと大好きな漫画で、未読の方はぜひ読んでみてほしいです。

  • 「禁断の科学」をめぐる、あたたかくほろ苦い傑作SF集。
    描かれるのは日常をめぐるささやかなエピソードばかりだが、科学が進歩しても、人間が人間であるかぎり生きること痛みからは逃げられないし、それでいいのだと思わせてくれる。
    作中で描かれる科学技術のうちいくつかは、きっと近い未来に現実化し、「禁断」でなくなるかもしれないが、そんな世界が実際にやってくるまえに、今すこし立ち止まって、この作品とラストの台詞のその意味を、何度でもかみしめたい。
    読みかえすたびに、じんと胸の奥からにじむように涙が出る。

  • 突飛なSFでないところが良いです。

  • 何度読んでも面白いものは面白い。

  • Twitterでオススメしている人がいたので、読んでみた。

    SF要素が入ったショートストーリー集なのだけれど、
    人生を諦めかけた主人公がちょっとずつ生きる意味や希望を見出していく過程がとってもリアルに描かれていて、引きこまれた。

    社会の中で生きる人なら、一度は悩んだことがあるテーマばかり。

    読んでいて苦しくなる部分もあったけど、
    それ以上に得られた勇気や希望の方が大きかった。

    ただただ単純に良い本。買って損はしない。

  • 心に響くヒューマンSF。科学は次へと進むきっかけを与える存在だと感じた作品です。

  • twitterの @kotoripiyopiyo さんのツイートで知った。戸田誠二さんは「生きるススメ」刊行当時、気になりつつも購入しなかったというニアミスがあったので、今度は「やはり縁があったのかも」と思い購入。
    “人情味あふれる星新一”ともいえるような、ショートショートSF群。
    印象に残っているのは「ボディレンタル」と「ロボット」。「クローン」も、自分が人の親となったいま、身につまされる。
    これからさかのぼって「ストーリー」→「しあわせ」→「生きるススメ」と読み進めていく予定。

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