- Amazon.co.jp ・マンガ (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091837158
作品紹介・あらすじ
▼第1話/彼方への扉▼第2話/14歳▼第3話/ふたたびの春▼第4話/軽いめまい▼第5話/時の空▼第6話/父の領分▼第7話/心の風景▼第8話/見知らぬ位牌▼第9話/父と母▼第10話/恋のゆくえ▼第11話/美しき女(ひと)▼第12話/幸せな家族▼第13話/夏の情景▼第14話/父を待つ▼第15話/それぞれの心象▼第16話/時の旅人●主な登場人物/中原博史(48歳のサラリーマン。34年前の中学生時代にタイムスリップしてしまう)●あらすじ/48歳の会社員・中原博史が、京都出張の帰路にふらっと乗った列車。それは自宅のある東京へ向かう新幹線ではなく、故郷・倉吉へ向かう特急列車だった。だが、なんとなく途中で戻る気にもなれず、結局故郷にたどり着いた彼は、死んだ母の菩提寺へと足を運ぶ。母の墓前で突如激しい目まいに襲われた博史が気がつくと、なんと中学生の姿に戻っていて…(第1話)。●本巻の特徴/34年の時を越え、中学生時代の故郷・倉吉にタイムスリップした博史。最初の戸惑いにも徐々に慣れ、かつて憧れていた少女と二度目の青春時代を楽しみ始める。だが、まもなく父が家族を捨て、失踪してしまう「事実」を思い出した博史は、これを思いとどまらせようと決意するのだが…。谷口ジローの名作シリーズが、リニューアル版全1巻で再刊行!●その他の登場人物/中原和江(博史の母。34年前に夫に失踪され、22年前に48歳で他界)、中原京子(博史の3歳違いの妹。20歳のとき結婚している)、永瀬智子(中学生時代の博史の級友。男子の憧れ的存在)、島田大介(中学生時代の博史の悪友)
感想・レビュー・書評
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名作を久しぶりに読んだら、やっぱり名作だった。タイムスリップしたおっさんが14歳になって、同級生の女生徒と恋をしたり勉強の楽しさを満喫したり、青春を謳歌する姿は眩しい。しかし、それでも大事なことは変えられない。そんな終わりが切ないし奥深い。
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谷口ジロー氏の作品『遥かな町へ』を読了。 谷口ジロー氏の作品を読んでみようかと思ったキッカケは・・・こないだ読んだ「ビッグコミックセレクション名作短編集」に収録の・・”松華樓”を読んだからだ。 この作品は・・・ ほんと涙するストーリーだな。 この時代の情景・登場人物の会話やキャラクターがものすごく良かった。 ずっと読んでいきたい。 傑作。
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リリース:(あぜやん)
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評判の逆輸入。
ヨーロッパで流行ったらしい。
作者は「孤独のグルメ」でお馴染みの谷口ジロー。
ノスタル系の何がしかを味わえる。 -
売る前準備として登録。
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海外版の映画を観てからコミックを読みました。どちらも良いです。ただ自分は日本人だからコミックによりリアリティ(?)を感じます。タイムスリップものは時代風俗のディテールが大事ですね。
同じような設定の女性バージョンも読んでみたい。 -
48歳の男が14歳の自分へ戻ってしまうというベタといえばベタな物語。ここで描かれる14歳の生活は、企業戦士として生きてきた主人公の人生を裏返しであり、中年の危機の象徴といえる。家庭を顧みずがむしゃらに生きてきた彼が14歳という日々を生きることで立ち止まり思い返す。そして、14歳の彼はやがて生じる父の失踪を何とかとどめようとするが、その父を通して自分自身を見出す。14歳というモラトリアムと父を通じた中年の危機の再認識。この二重性がベタな物語に奥行きを与える。
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谷口ジローさんの代表作、初めて読みました。実にいいですね。倉吉の暖かさも感じます。
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48歳の疲れた男が、突然14歳に戻ってしまう。そこには昔のまま、母はまだ生きており、その後失踪するはずの父もいた。幸せそのものに見えた家族だったのに、父はなぜ失踪したのか…。
だれもが「今のままで10代に戻れたら」と思うことだろう。
その意味では平凡な設定であるのに、静かな語り口ゆえ残る余韻は深い。ヨーロッパで出版され評価が高いことも納得できる。 -
少し早いクリスマスプレゼントに母からもらいました。透明感のある、映像的な漫画。主人公のおじさまが、タイムトラベルして中学生に戻るっていうシンプルな設定。だれもが日常の中に思う哀しみとも絶望とも違う言い表しにくい感情の機微で、ほろほろと紡がれてゆく。ゆうなら、小津安二郎映画のような読後感。フランスで映画化されるとな。
「あの時、もしも…」
みんな思うよね。 -
中年の男性が、なんと中学の頃の自分にタイムスリップ。
歴史は変えられるのか???
ほろ苦い、味わいのある作品。
世界的に有名で、欧米でも受賞したんだそうな。 -
鳥取、倉吉市などを舞台とした作品です。
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エンディングがフランス映画っぽい! 国内で98年に第2回手塚治虫文化賞マンガ賞を受賞、欧州の三大コミック大賞受賞。ベルギーで実写映画化されるという名作。
本作品が発表されたのは経済危機が叫ばれた98年。主人公は48歳、過労気味で自分を見失いつつある。出張に出たはずが、気がつくと、故郷に向かっており、しかも、14歳の自分になり変っていた。48歳の視点で14歳の少年を経験し、過去を少しづつ変えていく。さて、主人公の未来「今」はどう変わるのか?
少年時代にはわからなかった父母の事情に48歳の少年が迫る部分が秀逸♪ -
48歳の心で、14歳の当時の体に入り、その当時の世界を見ていく姿。
「幸せ」とは何か?
主人公の中原は問い続ける。
私にとっての幸せっていうのも、何なんだろう・・・?
きっと、一生をかけて、それを見つけるために生きていくものなのかなぁ。